読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Anorak citylights

レコードを買ってから開けるまでのドキドキとか、自転車のペダルを加速させる歌や夏の夜中のコンビニで流れる有線など些細な日常とくっついて離れない音楽についての駄文集 twitter ID→ takucity4

峯田和伸"朝焼け★ニャンニャン"における おやすみBGM と私

僕のルーツは峯田和伸である。2001年。高校1年生。夏の日。ひとり前世紀を引きずる僕の耳を大音量のノイズが襲う。友人が僕の耳に突っ込んだ、ノイズの塊の名は"さくらの唄"。膝から崩れ落ちた瞬間、僕の人生は確実に変わった。峯田和伸のポスターを実家の部屋に飾り、それが剥がれ落ちることはなかった。
f:id:ongakushitz:20140110230541j:plain
f:id:ongakushitz:20140110230554j:plain
f:id:ongakushitz:20140110230605j:plain

彼が凄かったのは、鳴らしてる音だけじゃない。あの、ロマンも嘘も絵空事も全て現実に起きてるかのように伝える、圧倒的な"説得力"こそが彼の言葉を若者たちの生き甲斐に変えた。
f:id:ongakushitz:20140110230621j:plain
そんな空前の説得力で書かれた彼のブログを覚えているだろうか。2004年から2005年にかけてlivedoorブログにて毎日のように更新された、"峯田和伸の★朝焼けニャンニャン"である。今でこそ"恋と退屈"というタイトルで文庫化までされているが、当時のうら若き僕らにとって彼のブログこそ教科書のようなものであった。
f:id:ongakushitz:20140110230635j:plain
f:id:ongakushitz:20140110230646j:plain
波乱万丈な日々の記録やレコーディング秘話等に少しのロマンを添えてまるで童話のように伝える彼の"説得力"には度肝を抜かれたが、何より僕が楽しみにしていたのはそれだけじゃなかった。文末に必ず添えられる"おやすみBGM"である。
彼がブログを更新するとき、あたまの中で鳴っていたであろう楽曲を紹介したものであり、彼の大好きな楽曲であることは推測できた。
f:id:ongakushitz:20140110231112p:plain
峯田和伸信者であった僕は毎日のようにブログを開き、更新されたブログに添えられる"おやすみBGM"をメモした。彼に音楽への扉をこじ開けられた僕にとって、彼の愛する楽曲は必ず押さえておきたかった。
彼の"おやすみBGM"を追い始めて間もなく、あることに気付く。彼の音楽に対する異常なまでの雑食性である。そしてそれは銀杏BOYZの音楽に直結していることも即座に理解した。あの、ジャンクで歪なサウンドの上で歌われる美しいメロディは、全て彼の聴いてきたあらゆる音楽の集合体だ。

Cap'n jazz、クボタタケシ南沙織友部正人the slits、mega city four、スピッツ、人生、jellyfishパラダイス・ガラージ、VOID、the band、ビートたけし、passing truth drive、girls at our best!、G LOVE、the wannadies、テレサテン、ben kweller岡村靖幸john coltrane久保田利伸、man★friday、じゃがたら

"おやすみBGM"で紹介されたほんの一部を列挙しただけでも伝わる雑食感。彼は全てを同列に愛していたのだろう。ジャンルやカテゴリー等で聴く音楽を差別することなく、音楽そのものを音楽として愛していた。当然、影響を受けた僕のようなリスナーも、彼の音楽の聴き方が徐々に染み込み、嗜好する音楽に雑食性が伴うこととなった。
結果的に、彼は触発されたリスナーの耳を育て、音楽を掘り下げる楽しみを伝授した。意図したのか天然なのかは知らないが、彼は偉大な音楽を鳴らす以上に、音楽への貢献を果たした気がする。

"おやすみBGM"は銀杏BOYZの正体を暴くヒントであり、世界初の文字によるDJであり、唯一無二のディスクガイドであった。触れていない方は、冒頭でも触れた峯田和伸著"恋と退屈"をご一読あれ。

さて、遂に銀杏BOYZ9年ぶりのアルバム、"光のなかに立って
いてね""BEACH"が来週1/15に発売される。僕はその日仕事を休む。あなたはどうだ。
f:id:ongakushitz:20131119164036j:plain
f:id:ongakushitz:20140110230837j:plain
f:id:ongakushitz:20140110230851j:plain