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Anorak citylights

レコードを買ってから開けるまでのドキドキとか、自転車のペダルを加速させる歌や夏の夜中のコンビニで流れる有線など些細な日常とくっついて離れない音楽についての駄文集 twitter ID→ takucity4

Not wonkとthe sleeping aides and razorbladesの新作に寄せて

10代後半~20代前半の若者によるインディーミュージックに、沢山のエポックが生まれております。
京都のhomecomings、hi how are you?、fullteenz。
名古屋のmilk、栃木のcar10、北海道のnot wonk、the sleeping aides and razorblades等々。
あらゆる文化の中心とされた東京を飛び越え、かといってヒップホップのように過剰なローカリズムを誇示し 東京をパブリックエネミーとすることなく、"生まれ育った場所で 自然体に"オリジナリティ溢れる音楽を鳴らす若いインディーバンド達の登場は、日本の音楽シーンにおける新しい流れの到来を予感させるものです。
あらゆるインフラが整備され、良質な個人ディストロが根付き、都心部に点在するマニアックなレコードショップもほとんどのところがメールオーダーに対応し、3日もあれば聴きたい音源が手元に到着します。YouTubeで新しい音楽を発見した翌日には音源が手元に届くわけです。リスナーとしても非常に恵まれた時代の空気を胸一杯に吸い込みながら、前述したバンドの中でも特に贔屓にして止まないのが北海道のnot wonkとthe sleeping aides and razorbladesです。両者のショートインタビューは当ブログにおいて、ヤブソンインタビューに次ぐヒット記事となりました。ありがたいです。
今秋、そんな両者が同時期に新作をリリース致しました。今回はそれらについて語る言葉を持ちたいと思います。才能溢れる若きインディペンデントミュージシャンに敬意を込めまして。

Not wonk "Fuck it dog, life is too sugarless"
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I hate smoke tapesリリース第3弾。
彼らを指して『青い』だとか『若い』という形容を使われることは多い。実際僕もそうだったし、彼らを青いとも若いとも思ってる。その形容は本作においても有効だろう。うら若き10代の焦燥を鼻歌に乗せたようなメロディ、時に咆哮も辞さない歌唱、どこまでも加速するバンドアンサンブル。若い。だが、それだけじゃないし、若さや青さや到底収まりのつかないような得体の知れぬポップセンスが本作には渦巻いているのだ。1曲目『Die young for the earth』を聴いてもらいたい。前作までの楽曲(本作の②と⑤、そして④)に現れていた複雑な曲の展開を2倍速でプレイしているかのような、イントロから怒涛の勢いで疾走するキラートラックである。僕はこんなポップソング聴いた事がない。彼らの愛聴するバンドの名前を挙げるまでもなく、○○っぽいフレーズや、~~みたいなメロディ等と引用や参照元を大声で語り合う必要もない。Mega city fourもSenseless thingsもbroccoliも関係ないのだ。Not wonkでしか聴くことのできないポップソングが、常軌を逸した瞬発力で生み出されたという事。既にファーストプレス分は完売、レーベル在庫もなくセカンドプレス待ち。納められた楽曲そのままの勢いで駆け上がるNot wonk最初の到達点。lifeはtoo sugarlessだから、このままどこまでも行ってしまって!
http://soulmine.jp/?pid=80943128

The sleeping aides and razorblades"Forget me"
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白浜くんのソングライティングにおける膨大な量のポップソングからの影響と参照、その配分と用法の巧みさについてはもはや種の無い手品であり、魔法のようである。
そのイメージソースは幾多に重ねられたファズの向こう側で炎天下のアイスクリームのように溶け合わさってしまい、音楽への愛情でドロドロになったポップソングが妖しい光を放つだけなのだ。
前作"Dub narcotic fanclub"で獲得した『ポップソング』としての強度及び普遍性は、白浜くんのソングライターとしての成熟を予感させた。成熟という言葉には語弊があるのかもしれないが、彼らは彼らの敬愛するexploding heartsやsmith westernsのフォロワー枠からとっくに逸脱しており、あらゆるソングライターが羨望の目を向けるであろうポップソングを量産する季節に突入しているのだ。前作から半年足らずでの7"リリースというスピードからも明らかである。パワーポップとしてもポップパンクとしてもギターポップとしてもカテゴライズ可能ながら、いずれに括られても大きくはみ出してしまう、魔法のようなポップソング達。その最新型が本作"Forget me"なのだ。誰にも歌うことの叶わなかったメロディが10分の間に何度も登場する。寝苦しい夜にスピーカーからこんなメロディが流れてきたら、それは めくるめく音楽体験の始まり というやつである。
発売日である11/1には既にレーベル在庫残少、ソールドアウトは目前であります。
http://debauchmood.blogspot.jp/2014/09/the-sleeping-aides-razorblades-forget.html?m=1