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Anorak citylights

レコードを買ってから開けるまでのドキドキとか、自転車のペダルを加速させる歌や夏の夜中のコンビニで流れる有線など些細な日常とくっついて離れない音楽についての駄文集 twitter ID→ takucity4

安孫子真哉(KiliKiliVilla)×ヤブソン(SEVENTEEN AGAiN)ロングインタビュー

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2014年10月15日、とある情報がひっそりと音楽系ニュースサイトにポストされた。
『元銀杏BOYZ・安孫子真哉らが新レーベル"KiliKiliVilla"設立 リリース第一弾はLIFE BALL』
この一報は一部の好事家達に大きな動揺を与えると共に、歓迎をもって受け入れられた。
"自分たちの居場所をきちんと作りたい"。これは前述したレーベル設立発表の際、安孫子真哉が発したコメントの一部である。彼がどのような思いでレーベルの設立を決意し、行動を起こし、音楽シーンへのささやかな帰還を果たしたのか。"KiliKiliVilla"とは一体何なのか。KiliKiliVillaが日本のインディーミュージックに作りたい居場所とはどんなものなのか。
今回、レーベルプロデューサーである安孫子真哉と、彼の良き友人であり、レーベル設立までの流れを傍らから見てきたヤブソン(SEVENTEEN AGAiN)にインタビューを実施。埼玉県某所の居酒屋でひっそりと行われた、"KiliKiliVilla"という名前の新興レーベル及び日本のインディペンデントミュージックに関する新しい対話。ここから始まる全てのことに敬意を込めて。


では、はじめさせていただきます!よろしくお願い致します!

安孫子(以下 安):よろしくお願いします!

ヤブソン(以下 薮):よろしくお願いしますー。

まずはレーベルの設立について聞いていきます。何故安孫子さんがシーンにカムバックするにあたり、バンドではなくレーベルだったのか。近年の日本のインディーポップの充実がきっかけだったのではないかと予想するのですが、いかがですか。

安:そういうことです!笑 あと、自分がバンドをやる事はもう無いので。バンドやってる最後の数年間はずっと体調悪く。。。ずっと引きこもってレコーディングやってたもんだから。色々病院とかも行ったんだけど、どうにもこうにもで。それでも作品を意地でも創ろうと思って、もう必死にやってたんだけど、レコーディングの終盤についにパニック障害になっちゃった。もうこれ以上はいよいよ本当に無理だなって痛切に思った。それでバンドを辞めさせてもらい。。。それからは東京で数ヶ月くらい廃人みたいな生活をしてました。見かねた妻の提案もあり、家族で妻の実家のある群馬に移住することになりました。それからのんびりさせて頂き体調は少しずつ良くなっていきました。そして仕事もはじめて、「家族と一緒にこのままごく普通に慎ましく生活していこうか」と思ってました。アルバムのリリースの時も、仕事の休憩中に連絡が沢山来てて「ああ、そっか今日出たんだ」みたいな感じで。

他人事みたいですね笑 

安:いっぱいいっぱいだったので笑 それでね、SEVENTEEN AGAiNのメンバーと仲良くなったのは…3年くらい前かな?

薮:そうですね。はじめてミックスCD交換をさせてもらったのが、僕らのセカンドアルバム(FUCK FOREVER)を作り終わる直前くらいだったので、ちょうどそのくらいですね。

安:薮くんやSEVENTEEN AGAiNのメンバーくらいでした、メンバー、スタッフ以外の外で会う人って。

そもそもどういった経緯でおふたりは交流するようになったんですか?

安:最初はね、当時disk unionで働いてた大澤くん(I Hate Smoke Records)からポップパンク本製作の協力依頼がきて、それで大澤くんと薮くんと一緒に呑みながら話してて。元々SEVENTEEN AGAiNは名前だけ知ってて。その時は聴いたことも無ければ観たことも無かったんだけど。ポップパンクの話しですから笑、すぐにハモりました笑 「ああ~、あの時俺が大量に売ったレコードをみんな薮くん達が供養してくれてたんだ!」みたいな笑 それでね、薮くんとかメンバーのみんなが、「何か一緒に創りませんか」って言ってくれるものだから嬉しくて。俺、SEVENTEEN AGAiNのライブ初めて観たのも遅いよね?

薮:セカンドアルバムのレコ発のファイナルの時ですね。

薮さん視点でのお話もお聞きしたいです。

薮:安孫子さんと始めてお会いしたのは、ボブ(shinobu、ASIAN MAN RECORDS)のアメリカへ帰国する送別会の時でした。ファーストアルバム(NEVER WANNA BE SEVENTEEN AGAiN)制作時は僕はそこまでミックスに興味が無かったんですが、セカンドアルバム制作時はミックスや宅録も積極的に自分達で行っていまして。当時安孫子さんが取り組んでいたアルバムのミックスを少し聴かせてもらったり、宅録や自らミックスをする事についての魅力をお話しして頂いて、とても視野が広がったんです。ミックスを工夫したり、突き詰めたりするだけで、同じ素材を使っているにも関わらずこんなに世界観が変わってくるのか、と。その流れで、当時作っていたセカンドの曲を安孫子さんに聴いてもらったりして沢山相談にも乗って頂きました。レコーディングの最終日も一緒にスタジオ入ってもらったりしたんですよ。

安:そうだね。そういう流れもありつつ、普通に遊んだりしてて仲良くなりましたね。

ここまでのお話だと、SEVENTEEN AGAiNメンバーとの交流と安孫子さんのレーベル設立が一線で繋がりませんね

安:そうだね。田舎で普通に働きながら、あとはたまにSEVENTEEN AGAiNのライブを楽しみにする生活でいいかなと笑。ある日、彼らのカセットテープ(恋人はアナキスト)のレコ発を観に行ったらCAR10が出ていて。大澤くんから「安孫子さんが移住する北関東ローカルのバンドです」と、音源を頂いててよく聴いてたんだけど、ライブ観たら虜になってしまって笑 メンバーと話をしてみたら、CAR10の活動拠点は足利だけど住んでいるのは群馬なのよ。だから地元でCAR10のライブを観て東京でSEVENTEEN AGAiNのライブを観る、みたいな生活でいいかなと笑 で、今年の6月末くらいかな。SEVENTEEN AGAiNの名古屋・京都を回るツアーに一緒についていった時の出来事が本当のきっかけです。俺、バンドマンから銀杏BOYZって疎まれてると思ってたから。

薮:そんなことないですよ笑。

安:そのツアーに付いていった時に色んな若いバンドマンの子達がたくさん声かけてくれて。「音源聴いてください」ってレコード、CD、カセットを本当にたくさん頂いて。「なんだこりゃー!」みたいな笑 すごい有難く嬉しい反面、正直すごい戸惑ったのよ。別に俺はバンドもレーベルもしてなかったし。でも、パンクの子達みんな優しくて笑 んでその時観たSEVENTEEN AGAiNもめちゃくちゃカッコ良くて。そんで、そのツアーの帰り道かな。京都から群馬に帰る道中、なんか込み上げてくるものがあって。思うことがあったんだろうね。「俺でもやれる事あるのかなー。結局俺こういうの好きなんだよなー。企画とかやろうかなー」ってしみじみ思って。それで家に帰った翌日、いただいた音源全部聴かせてもらったらさ、日本のパンクがすごく面白いことになってる事に今更ながら気付いて。それで、すぐ薮くんにメールしたの。どんなメールだったっけ?

薮:確か「パンクやそのシーンに関わる何かをやりたい」みたいなニュアンスでした。

安:そうそう。結局自分はそういうのが大好きな人間なんだから。もうシーンに参加したい!って素直に思えたの。そして、これからはそれを楽しみに生きていこうって笑 そう思った矢先に、今回一緒にレーベルを立ち上げることになった与田さんと福井さんと一緒に飲むことになったの。本当に偶然のタイミングで。名古屋京都ツアーから3日後とかの話。そこで今の日本の音楽の話になって。で、丁度すぐにSEVENTEEN AGAiNのライブがあったから、3人で観にいったのね。その日、3人でレーベルをやることが決まった。その手があったか!って思った笑 福井さんは元々YOUNG PUNCHというバンド、与田さんはWONDER RELEASEっていうレーベルをやってた方で。2人とも相当な音楽好きだし、元々大好きで信頼してる先輩方です。

レーベル設立が決まった際、おふたりとはどんな話をしたんですか?

安:簡単に言うと、私の「レーベルをやるならこういう事はしたくない」って事と、福井さん与田さんの「レーベルをやるならこういう事がしたい」ってことが合致したのです。後ろめたい事はしたくないという事です。

なるほどです。薮さんは安孫子さんがレーベル設立するまでを一番近いところから見ていた方だと思うんですけど、いかがでしたか。

薮:そうですね。安孫子さんが銀杏BOYZを脱退される発表があった当日の朝、久しぶりにメールを頂いたんです。「今日午後発表されるんだけど、おれ銀杏BOYZ辞めたんだ」という趣旨の内容でした。 その後すぐ渋谷で安孫子さんとお会いして色々お話しを伺いました。その当時は他人事とは思えない程に漠然とした虚無感や葛藤に何故か関係ない僕まで苛まれていたのですが、それと同時にこれから先も何か一緒にやれたら嬉しいなと考えていました。 安孫子さんは今迄オーバーグラウンドな活動をしていたバンドに在籍していたのですが、本質は僕達と同じ様なパンク的感覚をずっと持ち続けていた人だと思うんです。だから安孫子さん個人から発せられる表現をもっと見たいと常々思っていました。なので僕らと一緒に動いて頂ける中で「何かを作りたい」と思っていただけた事は本当にとても感銘深い事です。

安:薮くんいなかったらこの状況ないもん、ほんと。

薮:そう言って頂けると、バンド懲りずにやってて良かったなと思いますです笑

安:あっそうだ、色々お問い合わせ頂いたので。KiliKiliVillaはUK PROJECT内のレーベルですかってよく聞かれます。私も与田さんも福井さんも元々はUK PROJECTにお世話になってましたので。ですが、KiliKiliVillaは3人で立ち上げた完全に自主レーベルです。ゼロからのスタートです。インディーの音楽ってそこにどういう背景があってどんな文脈がそこにあるのかっていうのが重要だし、楽しさでもあるのでお伝えしておきます。

Stiffeen recordsは安孫子さんと角張さんの周辺のカッコ良いバンドを中心にリリースしていったと思うんですけど、KiliKiliVillaのポリシー及び活動理念のようなものが聞きたいです。

安:初めに思ったのは、宅さんの指摘通り、最近の若いバンドを中心にリリースしたいってことは考えてます。私本当にずーっと主にパンク中心にレコード買いまくってたんだけど、2006年辺りを境にパンクのレコードを買うのがかなり減ってきてた。というのは、正直飽きてたのかもしれない笑 自分の中でパンクロック飽和状態というか笑 ほんとdisk unionには2日に1回、高円寺BASEには1か月に1回は必ず行ってたくらいだったんだけど。 それでパンクから他のジャンルが主戦場になりはじめて笑、たまにパンク聴いてやっぱりこれなんだよなーなんては思っていたけど。うん、特に若いパンクバンドは本当に新鮮味に溢れててドキドキしてます。今まで混じってこなかった音楽の影響が見え隠れしてたり、極端な足し算、引き算や。色々なサウンドエフェクトなどを使っていたり。だけどもパンクロックとしてアウトプットしてるというのが本当に面白い。SEVENTEEN AGAiNとか中堅ところももちろんそうだけど、ずっと色んな音楽吸収しててさ。あっ、パンクロックが進化してるって思った。

レーベルの核に必ずパンクが横たわるわけですね。でも僕、何度か降神のライブで安孫子さん見ましたよ!笑

安:あっ、凄い目撃談ですね笑 降神最高です!一時期すげー追いかけてた。観れるうちに観とかないとって。最近ライブやってるの?

やってないですね。志人とかはちょくちょくソロとかでやるんですけど、ソロになるとぶっ飛びすぎてる感あって何か違うんですよね。

安:やっぱりあの2人の声の掛け合いだよね。ドラマを作るようなさ。

表情もいいし。

安:凄いよねー。

ちょっと軌道修正します!笑 薮さんにお聞きしたいんですけど、リスナー視点及びバンドマン視点でもそうなんですが、KiliKiliVillaの今後にどんな期待をします?

薮:僕の個人的な感想なんですけど、世界的に見て2008~09年以降、それ以前よりも面白いサウンドの組合せを打ち出したバンドが現れていると感じていました。

安:俺がパンク追わなくなってすぐだね笑

薮:そうですね。例えば今では大御所ですが、THE DRUMSやVAMPIRE WEEKENDも当時パンクサウンドを根底に感じさせる要素が沢山有りましたし、WASHED OUTも十代の頃パンクばかり聴いてたとインタビューで話していました。これも完全に個人的感覚の話なのですが、2007年以前は所謂インディーロックとパンクサウンドのバンドが分かりやすく住み分けされていたのが、それ以降両者が互いに交差しあい出して、様々なサウンドの要素を内包しながらアウトプットがパンクサウンドであるバンドも数多く出現し始めたなと感じました。それはそのバンドが所属しているレーベルの大小に関わらず起こっている様にも思いました。その辺りからレコード店のラインナップを見ていても、以前はパンク、パワーポップに特化していたDREAM ON RECORDSさんにもインディー系のレコードが入荷し始めたり、逆にESCALATER RECORDS(現BIG LOVE)に謎の無名パンクバンドが入荷し始めたり、レコード店単位でも双方にシンクロし始めていると感じていました。 日本にも近年そういった文脈を感じるバンドが沢山出てきていると感じています。その文脈を踏まえつつ、様々アウトプットは異なるけど根底にパンクが土台となっているバンドをKiliKiliVillaはリリースしていくのではないかな、と勝手にですが想像してます。I HATE SMOKE TAPESもその様なコンセプトで始めた節もあります。

なるほど。リスナーとして、安孫子さんとか薮さんは信頼できる審美眼をもった人だと思うんですよ。やっぱりこの人の推してる音源は間違いない!みたいなのってあるじゃないですか。

安:うん、やっぱりレーベルをDJみたいな捉え方をする音楽の探し方ってあるもんね。インディーミュージックの面白いところってさ、文脈で捉えやすいところだと思うのね。色々な事の関係性が見え隠れする感じ。自分たちもそれを辿ってきたわけだし。「SSTから謎の音源が出てて、全然良くないんだけど、SSTだから何かあるんじゃないか」みたいな笑 でもとりあえず自分にとって丁度いいところを目指したい。支持されない事も沢山あって当たり前。我々はただのパンクロック愛好者笑

薮:近年Captured TracksやMexican Summer、Burger RecordsやHardly Artだったりもそうなんですけど、一義的には捉えられないラインナップで様々なバンドをリリースしているレーベルが凄い勢いで飛躍していると感じます。KiliKiliVillaも日本において、そういった一義的には捉えられないけど、なんか面白い事になってるぞ!っと思われる様なレーベルになっていくんじゃないかなと思いますです。

確かに、そういう新しい色を持ったバンドはチラホラあっても、レーベルとしてしっかり文脈を作れるレーベルがなかなか出てきていない。I HATE SMOKE TAPESさんもKiliKiliVillaと向いてる方向は一緒だったりするんですかね?

薮:そうですね、面白がっている方向性は似てると思います。加えて、I HATE SMOKE TAPESはテープ専門のレーベルなので、もう少し局地的な盛り上がりを目指している感じがします。KiliKiliVillaは各バンドの方向性に合わせて、そのポテンシャルの裾野を更に広げることができるレーベルなのではないかと思います。安孫子さんや与田さんや福井さんは、例えば僕に出来ない事も沢山手掛けられる事が出来る方々だと思います。そういうところで共存しながらも、別個に進んで共に撃てれば良いなぁと感じております。

安:僕が考えているのは、単純に良いものを創りたいという事だけです。時間的にも予算的にも限られた状態だから何がベストなのかはしっかり考えたい。みんな仕事しながらだしね。それぞれのバンドのムード、持ち味から作品の完成系のイメージ。そしてそれに向かう為の方法。一緒に作品を創る人選。それはバンドによって全く違うから。自分達の考えや持ってるもの、または用意出来る事の中で最良の提案はしてあげたい。

ここで少しお話のベクトルを変えます。何故レーベルのリリース第一弾に、現行のバンドではなくLIFE BALLの編集盤を選んだのでしょうか。お話を聞くにKiliKiliVillaは現行のバンドを取り扱ってこそ!とも思ったのですが。

安:そこはね、第一弾をどうしようとかは別に考えてなくて。あっ、本当はあったんだけど笑。それはこれから埋まるであろう空けてある品番が埋まった時参照で笑。うん、これからリリースするバンドの音源の完成を待っていられなかったという事です。あとLIFE BALLの編集盤のリリースはね、Stiffeen recordsをやってる時からずっとやりたかったことなの。夢だったの笑 それで、今回のレーベル設立に際してリリースに向けて動いてみたら、バシッと決まった笑 昔はずっと拒否られてたから笑。あとね、LIFE BALLのリリースについては自分の意志表明かな。「結局自分の好きなもの、大事なものはこの感じです」っていう意志表明。

でも僕ほんと嬉しかったですねー。安孫子さんがレーベル始めるってなってリリース第一弾がLIFE BALLって聞いて、「僕の想像する安孫子さんそのままだな」って何か思いましたもん。僕も安孫子さんはパンクの価値観をずっと持ってる人だって思ってましたから。

安:そう言ってもらえるの本当に嬉しいな~笑

薮さんはバンドでLIFE BALLのカバーもされてましたが。

薮:カバーしてます。ほぼオマージュの様な仕上がりなのですが…。LIFE BALLは勿論めちゃめちゃ好きです。原曲の完成度が高いものをカバーするのは凄く難しくて、苦労しました。

和訳ではない独自解釈した日本語詞をのせた感じは、GOING STEADYのLIFE BALLカバーを思い出しました。

安:あれバックはほぼコピーだからね~笑 LIFE BALLのリリース、みんな楽しんでくれたらいいなあ。若い子達がLIFE BALLを再発見してくれたら最高だし、あとはオールドファンに喜んで貰えたらなー。昔話に花を咲かせたり笑。僕の地元の友達は凄い喜んでくれてた笑。私高校生の時コピバンしてました笑。

ここでインタビューも後半です。12/28に行われるKiliKiliVilla主催のイベント「不安と遊撃」について聞いていきます。これはレーベルのショーケース的なものと捉えていいんですか?

安:いや、ショーケースじゃないですね。世間一般的にはもちろん偏ってるんだけど、好きな人にとっては良い組み合わせだと思っていただけたら。なんていうんだろ、レーベルの方針としてはもちろん閉鎖的なものにはしたくないんだけど、秘密クラブみたいなところから始めたいって願望もあってね。共感してくれる人達に楽しんで欲しいというか。凄い楽しみ!

出演バンドの層がバラバラなのも面白いですよね。DiSGUSTEENS、LINKみたいな20年選手もいれば、MILKやNOT WONKやCAR10みたいな若いバンドもいるし。そういった中で個人的に面白い立ち位置なのは、ちょうどふたつの世代に挟まれたA PAGE OF PUNKとSEVENTEEN AGAiNだと思ったりもしてます。では、これから出演するバンドについてひとつずつおふたりにお話を伺っていきますね!特にテーマは無いんですが、紹介を兼ねた雑感等を語っていただければ。

A PAGE OF PUNK

A Page of Punk - Live in Waseda - 2014.08.31 - YouTube

安:ツトムくん(A PAGE OF PUNKリーダー)のことは本当に昔から知ってて。最初会った時はね、西荻WATTSのシーンの中にいる、ちょっと年長のくせ者の人ってイメージだった笑。今でもそうだけど笑。 そしてここ最近ライブとかで再びツトムくんと顔を合わせる様になったんだけど。それでね、この前10年ぶりくらいにMATSURIでA PAGE OF PUNKを観た時、あまりの相変わらずさに何だか泣けてきちゃって。バンドが放つ爆裂感も最高にカッコ良かった。僕がシーンにいない間も、10年間彼らは変わらずブレずにバンドをやってきたって事実にすげー感動した。またツトムくんには謎の立ち位置を感じていて。こういう人が居ないとダメだよなーって思う。今回のイベントのメンツの中に入って、彼らが美味しいのかそうじゃないのかは分からないけど、当初からA PAGE OF PUNKに出てほしいって気持ちがあった。

薮:僕は安孫子さんが見ていなかった10年間ずっとA PAGE OF PUNKとツトムさんを見ていたんですが、ツトムさんは根本的に全く変わらないのですけど、その間A PAGE OF PUNKというバンドとしては沢山の変化を経験していると思うんです。色んな変化がありつつ、ツトムさんはずっとやり続けてきて、それでいて誰もやってないことをやろうという信念を常に持ってる。 スタンダードでありながら、新しい事を目指し続けている。それは安孫子さんがやろうとしているレーベルのスタンスと近い側面もあるのかなと思いました。

安:なるほどー。何だか彼らには、続ければ続けるほど謎の説得力が増している感じもある。それが魅力になってるとも思う。おじいちゃんになっても続けてほしい。

CAR10

car10 - I Don't Meet You - YouTube

安:CAR10はね、大澤くんにファーストアルバムをプレゼントしてもらって聴いた時、本当にビックリした。ずっとギターにコーラスのエフェクトがかかっていて、最初はステレオがバグってるのかと思った笑 CAR10がsnuffy smilesから7インチ出してるとか、何の文脈も知らずにいきなり聴いたんだけど、とにかく衝撃的だった。曲がとにかくドストライクってところと、あと彼らって北関東ローカルじゃん? なんかね、話してみたら自分の地元の山形の友達と遊んでるみたいな感じがあるんだよね。年の差はあれど笑。めちゃくちゃアホで面白いし笑 ライブもMC無いけど、全くスカしてる感じもなくて、3人が天然で只々遊んでる感じもいい。川田くんは凄く良い曲創るし。また色々なシーンとリンクしてる。音源聴いてる人にはなかなかどうしても伝わらないと思うんだけど、彼らは恐ろしいほどの天然かつ自然体な直感であの音を作ってる。Jonathan Richmanみたいな感じ笑 彼がヘロヘロ声で歌って出来上がる、彼等しかしていない、彼等だけのサウンドフォーマットみたいなものが、CAR10にはきちんとある。超新世代です。

薮:Jonathan Richmanの例え、なるほど!と思います。安孫子さんが仰る通り、ただ天然なだけじゃ出来ないバランス感覚だと思います。CAR10は初期からリバーブを使いこなしてましたね。6年くらい前のI Hate Smoke Recordsのコンピに入ってる曲は、リバーブとコーラスがめちゃめちゃかかったSTIKKYみたいな感じの曲を収録してました。その頃から彼らはずっとサウンドエフェクトで遊んでいて、ここ数年でそのポテンシャルを一気に開花させた気がします。例えば何か直系かと言われたら全くそんなことないし、Captured Tracksとかのバンドにサウンドのアイディアは近くても、本人達がそこを意図的に目指している訳でもないと思うんです。元々メンバーが持ってる天然でラフな空気感が、そのまま音に反映出来てて素晴らしいなぁと思います。

DiSGUSTEENS

Disgusteens - Shelter, Toyko 23.Sept 2002 (Full ...

安:DiSGUSTEENSはね、俺が普通に大ファンなの笑 俺のアイドル、その一言です。最初に上京して観た時からずっと好き。

LIFE BALLからの文脈で好きだったんですか?

安:それが偶然で、大学受験の時に東京に10日間くらいいた時があって。丁度上京する少し前にSPICE OF LIFEの何かの7インチを買って、そこにJERRY BELLYのレコ発のフライヤーが入ってたの。ちょうど東京に滞在してた日と被ってたものだから、旧新宿ロフトまで観にいったのよ。そしたらDiSGUSTEENSが出てて。なんだこれ!超かっこいい!って思って後日調べたら、LIFE BALLの文脈で出来たバンドだった。当時は本当に情報が無かったものです。もう上京してからはDiSGUSTEENSの追っかけだった笑 初めて対バンできた時は本当に嬉しかったなあ。あの、頑なに辞めない感じも好き。「ずっと俺の店開けてるから来いよ」みたいな、メンバーが変わっても仕事が忙しくてもバンドをやめない。あの感じ凄く好き。サウンドも頑なに90’Sポップパンク。いつ観ても聴いても盛り上がれる。愛してる。

薮:少し話が逸れるんですけど、DiSGUSTEENSのサードアルバム(three)を録ったスタジオで、僕らのセカンドアルバムもレコーディングしたんです。それはthreeを聴いて、「凄い良い音だ!同じスタジオで録りたい!」と思ったんです。勿論僕もずっとDiSGUSTEENS大好きです。下地さんとはいつからお話しさせて頂く様になったのか曖昧なのですが、下地さんがFOLLOW UPで連載されていたレビューで僕らの音源を紹介してくれたことがあったんです。Ramonesのカバー集だったんですけど。

僕が買えなかったやつだ。。。泣

薮:Recess Recordsからリリースしてるバンドが来日した時に僕らでも一箇所企画をしたのですが、その際に出来るだけ多く交通費を渡したくて、即席でカバー音源集を作ってカンパ制で配布したんです。その音源を下地さんにお渡ししたのですが、なんとその後レビューを書いてくれたんです!毎月下地さんのレビューは欠かさず読んでいたので涙が出る程嬉しかったです笑 そこから会う度にお話してくれるようになって、ミックスCDを頂けたりもしました。下地さんはメタルにもとてつもなく精通されてる方で、南米メタルとかの音源を収録して頂いたりしました。バンドとしてもレコード収集家としても超尊敬する方です。

LINK

LINK / PUNK ROCK - YouTube

安:LINKが再結成したって話は聞いてたんだけど。元々歳も近く対バンも多かったし凄い仲良かったんだけと、この数年間疎遠だったの。それで群馬に引っ越してから、レーベルやることが決まって、ある日仕事しながらイベントの事を考えている時に、LINKがふと浮かんだんだよね。すぐライブスケジュール調べたらちょうどその日に横浜でライブがあった。速攻車飛ばして薮君誘って二人で観に行ったのね。そしたらライブ超カッコ良くて。かなり初期の曲を沢山演ってたんだけど。やっぱりLINKも長年バンドをやって来て色んな事を経てきたと思うんだけど、やっぱりこれなんだよなーって思ったんだと思うの。それが、レーベル始めた直後の自分の心境とフィットしたもので。周りのバンドマンに聞いてみたらみんなLINK好きだし。そういえば、銀杏BOYZの最初のライブはLINKとのツーマンだった。だから、自分の再スタートにはLINKがいてほしいって凄く思った笑 

薮:僕はGOING STEADYを観たことがなかったのですが、大澤くんがチケットをとってくれて初めて観れるはずだったのが2003年に予定されてたツアー(君と僕の★BEAT戦争)だったんです。 それでGOING STEADYは解散してツアーが中止になったんですけど、LINKとのツーマンが組まれていた日だけは銀杏BOYZとして出演された日だったんです。なので、僕が初めて観た時LINKが対バンだったんです。

僕もそのライブ行きましたよー。LINKはRevolution Rockとか月面砂漠ローリングロックの時期ですよね。

安:しかしなんかうまくストーリーが繋がったなあ笑。

MILK

MILK - MY (MV) - YouTube

安:MILKは、最初に話したツアー(SEVENTEEN AGAiNの京都名古屋ツアー)の名古屋で7インチを頂いて初めて知った。そんで帰宅して聴いてみてこれまたビックリ!とてつもなく興奮しました。数多の先人たちが挑戦してきたあのスタイルのパンクを完成させたバンドがとうとう出てきたなあ、って。凄まじい引き算!音源聴いてすぐ名古屋まで飛んでライブ観に行きました。そのまんまのサウンド。何が飛び出てくるか分からないあのメンバーのルックス、キャラクターも最高。始まった瞬間から爆笑しました。そしてとても感動致しました。

最初MILKを聴いた時、VAMPIRE WEEKENDのA-PUNKを高速で鳴らしてるイメージだったんですよね。

安:ああ、なるほどね。でもMILKはもっと全然アウトプットがパンクだと思うよ。でも、宅さんの仰る通り色んな解釈ができるんだよね。Lo-fi、ガレージ、インディポップ、パンク、ハードコア何でもいけちゃう。自分のフォーマットを確立しちゃってます。薮くんどう?

薮:MILKは今と違うスタイルだった少し昔に始めて聞いたんです。SCHOOL JACKETSに近いニュアンスの音だったと思います。それから今確立した、とことんプリミティブでポップなスタイルになって、少し前にツトムさんと安孫子さんとハヤシ(killerpass)と飲んだ時にも話したんですけど、きっとその初期の時に模索して、誰もやってない視点見つけ出して、ちゃんと確立して凄いなーと思います。あと毎回見る度印象的に残るのですが、ボーカルの松原君はkillerpassのライブをみてる時に必ず凄く良い顔して盛り上がってるんです。1人でもめちゃくちゃポゴってたりして、それを見る度に凄く良いなぁと思ってました。

安:いいね~、かわいい笑

NOT WONK

NOT WONK「Guess What I'm Thinking」2014.07.12 ...

安:NOT WONKは、生き埋めレコーズのコンピで聴いて一発で心掴まれました。アウトロで打ち込みに入るセンスもそうだし、何から何までいちいち本当にカッコ良くてもうぞくぞくしました。そしてデモ音源を通販して聴いてみたら、「あ、MEGA CITY FOURなんだ!?」って驚いた!苫小牧のティーンエイジャーでMEGA CITY FOURも好き。でももう既にその遥か先を見てる感じがグイグイきた。そんな風にNOT WONKにヤられてる矢先、薮くんから「今度I HATE SMOKE TAPESから出るNOT WONKのカセットやばいっす」ってメールがきて。ちょっとだけ早く先に聴かせてもらったんだけど、もう一曲目のイントロが流れた瞬間から、カッコ良過ぎて時間が止まるかと思った!それくらい衝撃でした。

薮さんは割と早い段階からNOT WONK推してましたよね。

薮:2013年のMATSURIの時に加藤くんと初めて会って、デモをもらったんですよ。そのデモのジャケット見たら僕らのセカンドアルバムのジャケットを一部転載して使ってくれてまして驚きました笑。その後音源を聴いたらめちゃめちゃ良くてまた更に驚きました。更にその後にCAR10のレコ発でライブを見て、凄く衝撃を受けました。

僕、加藤くんの声がすごくいいと思うんですよ。

安:うん、本当に加藤くんの声いいよね!与田さん福井さんもNOT WONK聴いた時、曲の良さはもちろん、真っ先に声の良さを指摘してた。

薮:本当にandymoriくらい声が良いですよね。

SEVENTEEN AGAiN

SEVENTEEN AGAiN 「シュプレヒコール」 MV - YouTube

安:僕はもう、ただのファンですから笑 「パンクや音楽を愛してやまない」感じと、「ど真ん中を目指してる」感じ、それと「ファックユーアティチュード」と「たまらなく優しい」感じ、その混在加減がほんと素晴らしくて。ジャストフィットというやつですね笑。正直、最初はSEVENTEEN AGAiNをなめてたかも知れない。でも観た瞬間、ドストライクを豪速球でぶつけられた笑。またメンバー各位のシーンに対する精力的すぎる活動にも本当に頭が下がります。僕が仕事しながらでもレーベルを始めようと思ったのはそういう彼等の姿を見たからが本当に大きい。「パンクだけじゃ物足りないし、ただのど真ん中だけじゃつまんない。毒がなきゃ面白くないけど、優しくなきゃ嫌なんだよな。」彼等はその感じがもう完璧。みんなと話しても、かっこいいし優しいし音楽詳しいし、ほんと何でもっと人気出ないのかなっーて思います。俺の感覚間違ってるのかな?笑 ほんと一緒に心中したいくらい好き。ライブも死ぬほど観たい。

僕、それこそ10年くらい前からSEVENTEEN AGAiN観てるんですけど…(以下、SEVENTEEN AGAiNへの愛を延々と語る)

薮:本当にありがとうございます…笑

その後、インタビュアーがバンドへの愛を語って終わるという何ともおかしな幕切れとなりました。KiliKiliVillaという新興レーベルの今後に期待しましょう。最後に、リリースインフォメーションとイベントのお知らせです。


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2014.12.10 RELEASE
LIFE BALL - If I Were Your Friend
品番:KKV-005
定価:2,300円+TAX
仕様:CD+DVD


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2015.1.14 RELEASE
CAR10 - RUSH TO THE FUNSPOT
品番:KKV-006
定価:1,800円+TAX


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Kilikilivilla presents 「不安と遊撃」Vol.1
2014/12/28(日) 新代田FEVER
OPEN 16:00 / START 16:30
ADV ¥2,000 (+1drink) / DOOR ¥2,500 (+1drink)
イープラス、ローソンチケット、FEVER店頭、レーベルHPにて発売中
ローソンチケット Lコード:78486
■出演アーティスト
A PAGE OF PUNK(東京)
CAR10(足利)
DiSGUSTEENS(東京)
LINK(横浜)
MILK(愛知)
NOT WONK(苫小牧)
SEVENTEEN AGAiN(東京)