Anorak citylights

レコードを買ってから開けるまでのドキドキとか、自転車のペダルを加速させる歌や夏の夜中のコンビニで流れる有線など些細な日常とくっついて離れない音楽についての駄文集 twitter ID→ takucity4

Anorak citylights的2014年ベスト

f:id:ongakushitz:20141231153342j:plain
2014年ももう終わりますね。始まるときから分かってましたけど、やっぱり終わってしまいます。
Anorak citylightsは今年の1月に開設しました。音楽に対する自分の雑感を体系化したく、軽い気持ちで筆をとりました。個人ブログならではのフットワークで商業誌じゃ書けないような事ができれば と思っています。2015年も宜しくお願いします。
さて、様々な音楽誌やブログを読んでいて、一番楽しめる企画は年間ベスト特集だったりします。そこには「選ぶ」という概念が発生するため、どうしたって媒体やセレクターの個性が滲み出るわけです。媒体によっては明確なメッセージないしは主義主張のもとに作品が選ばれ、順位付けられるわけです。媒体として何かのメッセージを提示するならば、年間ベスト企画はうってつけであります。大げさな前置きをしてしまいましたが、今回Anorak citylightsが発表する年間ベスト企画にそんな大それた意図は一切ございません。私宅イチローと、今年ご縁あってお話することができた5名の方々が2014年に最もよく聴いたレコードを各々が5枚発表致します。合計30枚のレコードから新たな文脈を見つけていただくことができればこんなに嬉しい事はございません。それではどうぞ!


宅イチロー(Anorak citylights)

まだ当ブログでご紹介していない音源を中心に5枚選びました(順不同)。他にも2014年はネオアコの旧譜中心にあれこれ掘っていた気がします。インタビューをはじめこんなちっぽけなブログにご協力してくださった皆様、読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。2015年はKiliKiliVillaの動向全てと、DOWN NORTH CAMPのファーストが楽しみです。よろしくお願いします。

CAR10/Everything Starts From This Town
今年最も再生回数の多かった作品のひとつ。ワンアンドオンリーとは彼らの事を指す言葉です。ボーカルの川田君は僕の事を「毛虫さん」と呼んでいました。(理由は秘密っす)そのうち「さん」が抜けて「毛虫」だとか「毛虫野郎」になるのでしょう。

Suspended girls/Pop Punk Generation
Pop Punkの様式美をなぞりながら、鬼神のごときポップセンス。参りました。ちゃんとPop Punk聴き直さなきゃダメだな!と感じ、Beatnik Termitesから復習しています。

TEEN RUNNINGS/NOW
シティポップを現行インディー的感性でもってアウトプットしたかのような唯一無二の名作です。ほぼ1人で作り上げているというから頭が下がります。

The Hobbes fanclub/Up At Lagrange
The Pains Of Being Pure At Heart以降を強引に延長して追加料金を払わせる素晴らしいファーストアルバム。恐らく10人中9人が聴いても、「なにこれペインズの焼き直しじゃん」という感想を抱きかねませんが、それで良いんです。僕だけがこのアルバムを好きだと思っていたいです。

Tony Molina/Dissed And Dismissed
平行世界の初期weezerは恐るべきショートチューンバンドだったのだ、そんな妄想も進みます。slumberlandから本作のようなPUNK作品がリリースされたことは意外でした。同時に、slumberlandの懐の深さを感じ、バンドもレーベルも大好きになりました。


ヤブソン(SEVENTEEN AGAiN)
今年は年間ベスト5選出の御依頼を有難い事に二つ同時に頂きました関係で、Anorak citylightsさんに掲載するベスト5には自身が製作に関わった音源に限定して選出させて頂きました。TYPE SLOWLYさんにも投稿させて頂いてるので、お前なんかが関わった音源の話読みたくないぞ!お前が聞いたお前とは関係のない今年のベスト5が気になるぞ!っという屈折した私へのご好意を寄せて頂いてる方はそちらも是非ご覧ください。

SEVENTEEN AGAiN / 恋人はアナキスト
今になって思い返すと、色々な事がここから始まった様な気が年末の今思い返されます。そしてリベンジはまだ始まったばかりです。

THE SLEEPING AIDES & RAZORBLADES / Dub Narcotic Fanclub
レーベルというか、ただのお節介な性分の延長と私のエゴイスティックな趣向に寛大な寛容を持って受け入れてくれる大澤君を始め、付き合ってくれる素晴らしい人達からなるI HATE SMOKE TAPESの正式音源一作目(SEVENTEEN AGAiNの音源は品番はIHSRで、IHSTでは0番です)です。
彼等は以前soundcloudに練習音源をアップしていて、こっそり本当によく聴いてたL.A.M.Fを、MVを含め携わらせて頂き光栄でした。記憶が定かではないのですが、ボーカルの白浜君と恵比寿で呑んだ後に、「ヤブさんって下ネタとか言わない人だと思ってました…」と、カルチャーショックを受けた趣旨を誰かに漏らしていたそうですが、イメージって本当に当てにならないのだなと我ながら思い知らされました。

NOT WONK / Fuck It Dog, Life Is Too Sugarless
この音源がもし他国の無名な新人バンドの音源だったならば、誰にも教えないで1人で噛み締めて聞いていただろうなぁと思う。現に私は本当に好きな音源って誰にも教えてなかったりします。出来れば上記の様に誰にも教えないで1人で楽しみに続けれたら幸せなのですが、如何せんレーベル業務の端くれを承らせて頂いてるので、歯を食いしばりながらリリースさせて頂きました。

THE FULL TEENZ / swim! swim!ep
はじめてTHE FULL TEENZの伊藤君を認識したのは、1年半前アルバムのツアーで京都の行った時だった。彼はその時酷く酒乱の様子であった。まるで体の隅々から関節と軟骨を取り除き、重力に全く抵抗する素振りの無い歪な彼のフロアーでの盛り上がりを方を見て「あぁ軟体動物がダイブをするとこんな感じなんだろうなぁ」っと、ライブ中一瞬自分でも驚く位冷静になってしまった程に、その当時から彼は異彩を放ったキャラクターであった。そんな彼が今では自分でレーベルも始め、今回のテープもほぼ全て自分達から明確なビジョンを持って、サウンド、アートワーク、納期とスケジュール管理、MV製作等々をキビキビ提案して、実行していく様に本当に驚かされ、感心させられてしまった。そしてそのどれもがあの軟体ダイブを1年半前にかましていた伊藤君が指揮をとっているのだから、彼の求心力と精進を見習わなくてはなぁと思い改めて、彼に近づく為にとりあえずストレッチから始めようと思うのであった。

銀杏BOYZ / 光のなかに立っていてね
携わったなんて烏滸がましく、身の程知らずな事は勿論全く一つも無いのですが、個人的にとても印象的なこのアルバムに纏わるお話です。
安孫子さんがまだ銀杏BOYZに在籍されていた頃に、私達は頻繁にMIXCDを交換させて頂いておりました。こんな若輩者の私が作ったMIXCDにも耳を傾けて下さるのですから、安孫子さんは本当に頭が下がる位に凄まじい止むなき探究心をお持ちの方だと痛感しっぱなしでした。そして、そのCDに収録したバンドの中でも安孫子さんが特に反応なさられたのがliturgyというバンドでした。そのバンドの曲がヒントとなり、今作に収録されてる曲にそのアイディアが反映されているとの趣旨を発売後お話してを伺い、更に感銘を受けました。元々は今は亡き下北沢のワルシャワレコードの店頭でliturgyのレコードが店頭演奏されていて「なんなんだこれは!!」っと衝撃を受け、店長にすぐさまバンド名を聞くも、既にアルバムは廃盤で販売はしていないとの事で落胆。するはずは勿論無く、世界中を隈なく探しだし無事に確保したのがこの話の始まりでした。その衝撃の連続が今作のアルバムを形成するアイディアの一片となり、liturgyなんか勿論知らない方へ、今作が新たにその衝撃の一片として波及していくのかと思うと、鳴らされる音や言葉は様々なところから、地続きで繋がっているのだなぁ、と染み染み思ったりしたくもなるのでした。


加藤くん(NOT WONK)

Literature/Chorus
ファーストの『Arab Spring』も良く聴いたんですが、これもよく聴きました!ファーストよりテンション高くなってていい感じです。あと、曲間の畳み掛けられる感が最高です!

kakkmaddafakka/six month is a long time
これは久しぶりに試聴して速攻カートに入れてしまった系です!バンド名もすごくいいし、色んな音が入ってるけどゴチャゴチャしてる訳ではなくて、バンドの要素として隙間埋めてる感が最高です。

Circa Waves/Circa Waves EP
この手のバンドはすごく流行っててもういいのかなと思っていたんですけど、イイモノはいいってこの事だなという感じです!

TEENAGE FANCLUB/ヒット大全集
BOOK OFFで「これ持ってないな」と思って買ったんですが、流石にベストだからか最高だなという感じです。曲順がめちゃくちゃいいです!

DROWNERS/DROWNERS
Circa Wavesとは別ですけどこの手のバンドはTHE STROKESさえ聴いてればいいや〜とも思っていたし、00年代でブームは過ぎたから現行ではいないんだろうとも思っていたんですが、これはめちゃくちゃいいです!これもいいものはいい系のサウンドです!


白浜くん(THE SLEEPING AIDES & RAZORBLADES)

TOPS/PICTURE YOU STARING
今年は個人的にTOPSのアルバムというか、change of heartの一年でした。超中毒になりました。超中毒なんて言ったらすごくガッついてる感が出ますがTOPSのこの曲自体は超クールで聴いてたら俺もクールになれそう、、って期待しちゃうくらいの名曲でしたね、背伸びしちゃうよね。

YOUR PEST BAND/TIME TO GO
YOU WERE THE REBELという曲が凄く好きです。歌詞も良くてしばらくは歌詞カードとセットで聴いてました。色んな物が下らないなと思える吹っ切れる魔力みたいな物が、カッコいい音楽を聴くとそういう物があるんだなと僕は思います。

WARM SODA/YOUNG RECKLESS HEARTS
かなり期待してたリリースでしたが期待以上で最高でした。BARE WIRESの1枚目を偶然手にいれ聴いたときから、僕の無意識の中にあったツボを刺激してくれてたと感じ、今回はそれが絶好のミリ単位での精度で付いてくれたのでした。特に甘さの部分でかなりツボ。こうなりたいですね。

HATEMAN/SAMARIAN NIGHTS
こういうものを手に持っている限り価値観なんて意味もないし理屈なんてアホらしく感じてくるので、つまりは何にも形容出来ない程に言葉が邪魔になり、聴けばわかるよ!って事なんでしょうなー。

SNOW WITE/CHINA TOWN
GNARから出たカセットが既に懐かしくも思えてくるんですけど、コレは本当に良くてこんなの聴きたくてこの人を追っていたのだと思いました。捨て曲なしの爆裂ギターでポップで、ギターソロのときに良い加減ギターしか聴こえないくらい爆裂ギターなのが最高です。(ちょっと盛ってますけどたまに聴いててそう錯覚するくらい最高です)SWEET BLACK ANGELの名曲さがもうなんとも言えないです。


伊藤くん(THE FULL TEENZ)

SEVENTEEN AGAiN/恋人はアナキスト
今年一番聴きました。朝にも昼にも夜にも合うと思います。

Dorian/studio vacation
最後の曲が好き過ぎてシンセの音を真似しました。すみません!

ロンリー/楽しいvoid
夏に聴けてよかったです。いつもありがとうございます。

The Cribs/men's needs (7')
A面B面で2曲しか入ってないのにめっちゃ高くて大事に聴きました。

スカート/サイダーの庭
散歩しながらたくさん聴きました。散歩くらいしかやることがないので散歩中に音楽一番聴くかもしれません。


安孫子さん(KiliKiliVilla)
Anorak citylightsさんのセレクトには本当にびっくりしておりました。自分の好きな感じとあまりにも沢山の事がシンクロしていましたので。その様に驚いてた中、立ち上がり早々のまだまだ得体の知れない我々謎レーベルのインタビューなどもして頂き本当に感謝しております。実際、今回一緒に選者になるとお聞きしている、SEVENTEEN AGAiN薮くん、THE SLEEPING AIDES & RAZORBLADES白浜くん、NOT WONK加藤くん、THE FULL TEENZ伊藤くん。彼らのバンドの作品は驚きと興奮を持って本当に愛聴致しました。偏りを防ぐ為、この度は敢えて彼らのバンドの音源は割愛させて頂きました。今年はいつになく邦楽パンク、インディーを沢山聴きました。新たな何かが生まれていると確信しております。来年は更にそれが加速してまだまだ楽しくなれば良いなと思っております。来年もどうぞ宜しくお願い致します☆

Alvvays/Alvvays

CAR10/Everything Starts From This Town

Homecomings/I Want You Back EP

MILK/MY E.P.

SUMMERMAN/This is SUMMERMAN ep


ベスト企画に協力していただいた皆様、ありがとうございました!2015年も宜しくお願い致します!