Anorak citylights

レコードを買ってから開けるまでのドキドキとか、自転車のペダルを加速させる歌や夏の夜中のコンビニで流れる有線など些細な日常とくっついて離れない音楽についての駄文集 twitter ID→ takucity4

SNOTTYと私(fruity発wienners経由でんぱ組行き))

銀杏ボーイズの衝撃から2週間。色んなレビュー読んで楽しかった。絵に描いたような賛否両論であり、賛も否も両方銀杏ボーイズ大好きなんだなーってのが伝わってくる。
対象への愛や思い入れがこみ上げて、自意識が混じって最終的な着地点が見えなくなってるような、そんなレビューを読むのが好きだし、僕もそんな感じです。
音楽ってのは個に作用するわけで、それぞれの嗜好や立場によって姿を変えるわけです。みんながみんな同じ聴き方ができるわけじゃあない。そこが面白いところであるし。極論でもいいからもっともっと音楽に自分を絡めて、自意識と合体させて語ってもいいと思う。要するに、「銀杏ボーイズ」の話より「銀杏ボーイズと私」の話の方が興味あります。調べればすぐ分かるようなバイオグラフィはちょっとでいいや。何だか言い訳くさくなった。

今日はSNOTTY。死ぬほど好きな音を出すバンドでした。知ってますか。2001年のアルバム時点でのメンバー、現カクバリズムCEOの角張さんがボーカル、チン中村くんがギターでした。ベースはマイケルさん(日本人)、ドラムはリュウヘイさん(途中で脱退)のグレート4ピースポップカルテット。ポップカルテットですマジで。ちなみに前ギターはコグチさん、後期ドラムはカイザーソゼの人です。
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fruity。いますよね。最高のスカパンクバンド。あれは神様です。school jackets。愛してますよ。その昔新宿のunion中古センターで10000円出してコンプ盤買いましたもん。おかげで当時の彼女との鎌倉旅行に支障でました。
両方ともレジェンドですし、日本のパンクシーンにおける影響ったら計り知れないわけで。言うなればでんぱ組.incだって彼らの孫、覚醒遺伝されてますよ(fruity~school jackets→school youth現wienners玉井くん→でんぱ組.inc)。
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fruity~school jacketsもといJxJxの何が凄かったかって、 方法論が凄かったわけで。ソウル、ヒップホップ、ロックステディ、ファンク等のブラックミュージックをパンクの勢い/衝動で鳴らすという方法論こそが彼らの最大の魅力。また、洗練と荒削りの配分も絶妙だったため、かなり洗練された音楽をやってるのに素人感が残る、もうセンスの塊だったわけで。
アメリカにもbig boysなりminutemenなり似たような事を考え実践した偉大な先人達もいたわけですが、前述した洗練と荒削り加減のバランスでいえば、fruity等の方が遥かに素晴らしかった。絶妙に咀嚼しきれてない感じ、というか。結局勢いが勝ってるというね。
sugarbabe+operation ivy=fruity、jackson5+charles bronson=school jacketsなんていう形容もまさにその通り。雑食性こそが彼らの武器だった。そんで非常にショートな曲の長さ同様、短い活動期間も彼ら神格化に拍車をかけてますな。
そんなレジェンドの影響下にありながらも抜群のセンスで僕を魅了したのがSNOTTY。
前述したバンドのフォロワーですが、音はまあ、違います。
キッズソウルを5倍速でぶちかまし、子供の奇声みたいなコーラスを加えて、ハードコアパンクのスピードどやたらエモく挙動不審な爆音ギターで曲を台無しにした感じといいましょうか。
高校時代、いも臭い栃木のしけた私立校に通う僕にとって、極端にポップなものと極端に激しいもの両方を求めていた僕にとって、ルサンチマン全開の寝暗音楽ファンにとって、SNOTTYをイヤホンで聴きながら45分に1本の電車を待つという行為がどれだけ尊いものであったか。
とにかく10年以上は余裕で聴き続けてますが、カテゴライズの難しい、fruity方法論の最果てみたいな音です。ひたすらやかましいのにメロディが無茶苦茶ポップなのも最高です。

当時(90年代後半~00年代頭)の日本のパンクシーンは盛況で、所謂ハイスタが火をつけたメロディック/スカパンク勢がめちゃめちゃ人気だったわけで。
その裏で密かに西荻wattsというライブハウス周辺のバンドもにわかに活気づいてたの。fruityの方法論を応用して、異ジャンルのエッセンスをパンクにぶちこんで短く汚く演奏する。dashboard、coquettish、u can't say no!、Dudoos、あとはBREAKfASTとかねー。
Tシャツ首タオルのキッズが大挙する表舞台の裏で、ゴキブリだらけの汚いライブハウスには確かにあった、パンクと非パンクの異種配合実験。SNOTTYはそんな所謂西荻系の最前線で好き勝手やりまくり、アルバム1枚シングル1枚残して散りました。解散後のメンバーの活躍はめざましく、角張さんはおなじみカクバリズムを本格的に立ち上げ、チンくんは銀杏ボーイズのギター抜擢。マイケルさんはフジロック(仮)の藤原くん、wienners玉井くんなどとslim&tightでSNOTTYの続きをやりかけました。
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とにかく、今の東京インディーポップシーンにも繋がる、重要なバンドでありました。wiennersは直系です。中古盤屋さんで見かけたらぜひ!


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レコ道、読み漁ったなあ。印刷して持ち歩き、下校中読んでた。ハイパーイナフとユアチョイスと合わせて。下校最高!