MY 2015 BEST DISCS 60
今年もお疲れさまでした。10月ぐらいから主に仕事関係で心身共に困憊し、週に数枚届く新しい音源を楽しみに気力だけで働いた結果、年末には遂に倒れるはめに。社会の厳しさ・理不尽さを痛感した1年でございました。そんな中、1月に生まれた長女の目まぐしい成長と、高校生ぐらいから何も変わってない自分を対比させ勝手に落ち込んだりと面倒くさい奴全開だったと思います。
そんなわけで何かと更新が滞った2015年、個人的な音源のベストを60枚列挙させていただきます。50枚ではなく60枚であることに意味はありません。単純に絞りきれませんでした。順不同でございますので、順位はありません。また、活発だったリイシュー物、オムニバスも除外。良い音源たくさん聴けたなあ。さっき計算したら350枚くらい音源(CDレコードカセット)買ってました。少ない小遣いで創意工夫した結果です。
今年はKiliKiliVilla周辺のリリース及びライブに心底熱狂させていただきました。こんな状況がずっとずっと続けばいいのになあ と思います。やっぱりパンクが好きだし、音楽が好きだ。
旧譜については、ずっと掘り続けているネオアコからソフトロックに派生。数年ぶりに到来したビーチボーイズリバイバル(勿論自分内です)も相乗し、ロックのマッチョイズムからとことん背を向けたポップソングばかり探し出しておりました。年末は本当にyellow balloon周り、とくにBrady bunchのセカンドは毎日バカみたいに聴いてた。妻もキレてた。
来年も宜しくお願いします。来年こそはガンガンに活動して勝手に楽しみたいです。とりあえず1/11のKiliKiliVillaイベントが楽しみ。
※コメントは徐々に追記していきます。
PUNPEE『お嫁においで 2015』
PUNPEEに言わせれば『マス対コア』じゃなくて『マスもコアも』って事なのかなーと。彼の代表作『Movie on the sunday』は未だに聴くし本当にエポックな作品ばかり発表し続ける姿勢には頭が下がります。センスだけで悪い奴全員やっつけちゃう感じ。数年前ほどヒップホップは聴かなくなってしまったけど、彼の動向にはこれからも目を光らせていきたい。早くオリジナルアルバム出して~!
CAR10『RUSH TO THE FUNSPOT』
今年に入ってライブを観る機会も増えてきた。ジャンル関係なく様々なイベントに出演しているんだけど、どこでも必殺のパンクチューンを連発して後は楽しそうにフロアでお酒を飲んでいるメンバーの佇まいとやんちゃな音楽性が直結している感じが羨ましい。何より曲が本当に良いし好みだし、録音中だという新曲もめちゃめちゃに良い。もっともっと特別なオンリーワン、と思わずマッキーの名言でも引っ張り出したくなるくらい今年は本作ばかり聴いて毎回感銘を受けてた。担当させていただいたロングインタビュー(KKVウェブのマガジンに掲載)は絶対に読んでください!
NOT WONK『LAUGHING NERDS AND A WALLFLOWER』
映画でも漫画でも何でもそうなんだけど、物語の始まりはいつだってワクワクする。NOT WONKのことです。僕らが愛していたMC4イズムをこんなに広大なスケールでアップデートする若者が北海道から現れるなんて…とかしたり顔をする僕らの数十倍のスピードで加速する彼らは既に遥か先を見ているんだろうなあ。当ブログでもインタビューやアルバム発売時に配布されたフリーペーパーに寄稿させていただいたりもしました。僕らの想像なんて余裕で飛び越えてぶっ壊してパンクを更新していってほしいと勝手にずっとずっと期待しています。
Salad boys『metalmania』
pitchfolkでも6.8点と微妙な点数で片付けられていた事を私は忘れません。とにかくリードトラックであるDream Dateに惚れ込んで購入、ジャングリーで牧歌的なギターポップチューンの連打にやられます。なんと彼ら、同郷の伝説The CleanのボーカルであるDavidのバックバンドを担当した経験があるらしい。Flying Nunは大好きです。仕事(営業職ね)中、サボりスポットである閑静な住宅街の公園のベンチに腰掛けセブンイレブンのコーヒー飲みながら本作を聴いて数字が上がらない言い訳を考える日常でした。
山田稔明『The Loved One』
今年は一度もライブを観る事ができなかったんだけど、本作の内容には舌を巻きました。前作『新しい青の時代』に色濃かった内省的なムードから脱却し、風通しの良いポップセンスを獲得する事に成功しています(それは軽やかな作風の企画盤『緑の時代』を挟んだ事も大きいんだと思う)。リリックのテーマには喪失が重要なモチーフとして含まれているはずなのに、しっかりと前を見据え未来へ鳴らしているように聴こえてくる。今年はシャムキャッツやayUTokio、スカート等東京インディーの代表的バンドとの邂逅にいちファンとしてワクワクさせられました。早く次の音源が聴きたいしライブが観たい。
Young guv『Ripe 4 Luv』
私はパンクが大好きなので、Ben cook先生のベストワークはmarvelous darlingsであると信じて疑いませんでしたが、それは間違いかもしれないと本作を聴いて感じたのです。脱臼入院テクノポップから某ファンクラブ的ギターポップチューンまでバラエティに富んだ内容なんですが、全体を貫く空気感は『フェイク80'sポップfeat.サマーブリーズ』とでも形容したくなる爽やかでゴージャスなムード。誰も同意してくれないとは思いますがBlood OrangeのCupid deluxeを感じたりしました。
KID FRESINO『Conq.U.Er』
今や日本のヒップホップで動向を注視しているのはDOWN NORTH CAMP周辺とTemple ats周辺だけになってしまいました。数年前まではそれこそギャングスタラップも喜んで聴いてはサグな日常をハッスルしてましたね。DOWN NORTH CAMP周辺の鳴らすヒップホップはとことん音楽思考で、日常から地続きで嘘なく活動している感じが最高に好きなんです。flashbacksのデビューにも相当衝撃を受けましたが、KID FRESINOのフロウで呼吸をするようなムードは少し小生意気で気取ったキャラと相性ピッタリ、何時間でもラップを聴いていたいラッパーです。
Toro Y Moi『What for?』
フリー配信された『Samantha』も凄く良かったんだけど、選ぶならやはりこっちです。初めて本人の近影を用いたジャケット通り、過去最高に親密で人肌の温もりを感じるアルバムになったんだと思いました。恐らくはles sinsを始めた事で住み分けができたんでしょう、00年代の先駆者が60~70年代までタイムリープし、よりメロディアスな歌を持ち帰ってきたという出来すぎた物語。
Boys age『ELSE』
2015年最もアルバムをリリースしたアーティストのひとりだと思います(7枚くらい出したよね?)。calm time5部作も良かったんですが、ギターポップ的な清涼感と軽やかさを携えた本作がベスト。持ち味のひとつであるベッドルーム感は薄く、ライブでも映えそうなハイライト『glorious daze』はbandcampで初めて聴いた時一発で心を撃ち抜かれたものです。
OMSB『Think Good』
2010年頃のSIMI LAB出現には度肝を抜いた。Youtubeにアップされた『walk man』の映像は何回も観たし、PSGの台頭と共に新しい時代、価値観の到来を感じたものだ。あれからSIMI LABには色々あって、いくつかの素晴らしいアルバムを残して、実質的なブレーンであるOMSBが2015年にリリースした本作から放たれるポジティブなヴァイブス、Think Goodというタイトルからも現れる通り過去最高に開けた作品であると感じることができる。他ジャンルのリスナーでも一発で「これはやばい」と心を掴むことができるであろう、ヒップホップとしての強度と筋の通し方が敷居の低さを伴った最高のアルバム。このムードはSEVETEEN AGAiNの近作にも通底するものがある。
Homecomings『Another New Year』
何より曲が好きで、ただただファンなんです。もはや彼女達をギターポップだのジャングリーだのの形容で済ませちゃう方はいないと思うんだけど、優れたポップソングだけが持ち得る普遍性を当たり前に内包した珠玉のソングライティングはインディーという言葉さえ窮屈であるように思う。アコースティックアルバムと銘打たれた本作はアコースティック故の録音やミックスの綻びは無く、いつも通り徹底してメジャーなプロダクション。そこが彼女達の魅力の一側面であると思うし、ソングライティングや録音で他の所謂インディーポップの追随を許さないものにしている。『HURTS』のアコースティックバージョン最高です。
星野源『YELLOW DANCER』
某業界最大手商業メディアが本作を年間ベストに挙げていてちょっとひいたんですが、まあ良いものは良いと思います。事前情報のキーワードでありトレンドでもある『ブラックミュージック』色は思ったより濃くはなく、あえて薄めて飲み口爽やかなJ-POPに仕立てているバランス感覚はさすがモテ男ですよ。エポックメイキングなものにも出来るところをあえてしないというか、音楽的な余白を残しているところが上手いなあ~と。
Royal headache『high』
新世代的な素晴らしいリリースが続くオーストラリアのwhat's your rupture?をレペゼンするパンクバンドのセカンド。ガレージパンクにモッドとギターポップをミックスした唯一無二のサウンドに熱いソウルをたぎらせたピンボーカル、男泣き必至です。勢いや音圧一辺倒ではなく、良いメロディが書けるバンドだと思います。
peach kelli pop『peach kelli pop 3』
アリーちゃんのポテンシャル、ポップセンスが大爆発した最高傑作。前作までのチープ感を衣装ケースにしまい込み、よりドリーミーに、よりチャーミングに、よりメロディアスにドレスアップ。高い女子力で屈強なパンクスから自意識系インディーボーイまで内股にさせる青い名作!
NAVEL『heartache』
もうね、私みたいな在宅系パンク偏愛家からすれば、NAVELは神様仏様なんです。日本のアンダーグラウンドにおける長嶋茂雄終身名誉パンクスなんです。そんなNAVELの10年ぶり3rdアルバムが聴けるだけで生きてて良かった~神様仏様…。1stの『uneasy』2nd『depend』は大クラシック盤なわけで、メロディックパンクが好きなのに聴いた事がないとかぬかす奴は足の裏を永久に猫に舐められるはめになればいい…とまで思っていたので、本作はリリースされただけで十分、存在してくれていれば最早聴かなくてもいいです。私は聴きますけど。
THE HUM HUMS『BACK TO FRONT』
練り込まれたコードワークとビーチコーラス、王道のポップメロディで90's POP PUNKの黄金律を高らかに鳴らすハムハムス入魂のセカンド。POP PUNKを骨の髄まで愛し尽くし、POP PUNKの美味しいオカズを全て盛り込み弁当箱ごとぶちまけバーストする様はPOP PUNKの幕の内弁当や~!サーフを歌っているのに肝心のサーフィンが出来ないところは彼等のリスペクトするBeach boysと同じ!
Beach Slang『The Things We Do to Find People Who Feel Like Us』
前身であるWESTONにはあまりピンときていなかったのだけれど、そこそこのキャリアを迎えたメロディック野郎共がまさか2015年にこんな進化を遂げるなんて…と驚愕した1枚。それは伝統のパンクサウンドに現行インディーのムードをぶちこんだ、新時代のサウンド。SEVENTEEN AGAiNヤブさんいわく、前例のない進化だそうです。何歳になっても新しいもの、今の時代の気分を受け入れる柔軟な姿勢に感服しました。
GUAYS『GOO! CHOKI! PUNCH!』
2015年、最も純度の高い音楽活動を行っていたのは13月の甲虫クルーであったように思う。MEAN JEANSとのツアーや全感覚祭の開催における一連の活動からもそれは明らかだ、満場一致である。まるで音楽と心中するかのように美しく、故に儚さも感じさせる素晴らしいクルーだ。本作は肝心の音楽についても純度の高さを維持した100%天然のパンクロックを一切の妥協無しで繰り出す1枚。「GET UP KIDS!」はライブでも聴いてクソあがりました。
Fidlar『TOO』
もう過去のアレやいつかの伝説や死んでしまったダレカの事はとりあえず忘れていい、今一番美しく生命を放射する音楽はドレとドレとドレで、キミとボクに必要なのはドレなんだ、果たしてソレは本当の事なのか、よく考えな、理解したら今日から始めよう、死ぬのは数十年先のいつかでいい、できるだけ大きな音で光は数万光年先の向こうまで。
SUMMERMAN『Temperature is...』
エモリバイバル、スーパーチャンク、ラフメロディック、ギターポップ。彼等のサウンドを指して形容されるあらゆる横文字は少しだけ避けておいて、常に新しい価値観は新しい世代によってもたらされるのだという事について考える。私は彼等が心底羨ましい。商業誌や今月のパワープッシュ、チャートアクションとは無縁の場所でこんなに高らかに音を鳴らせるということ。ここが世界の中心ではなくとも、自分たちの好きな場所で好きなバンドと歌をうたうという事がどれだけ自由で美しい事なのかを理解しているということ。この暑い1日が夏のせいだということ。
Nic Hessler『Soft Connections』
Catwalkのボーカルであった彼等がバンドの活動を休止後、満を辞してリリースしたソロアルバムがCAPTURED TRACKSから。その事実だけで胸一杯なのだが、収められたトラックの素晴らしさに胸が破裂しそうになる。ギターポップという私達好事家の慰み物に留まらず、まるでサイモン&ガーファンクルやベル&セバスチャンに宿る普遍性を伴った美しいポップソングの数々。まいりました。
SEKAI NO OWARI『tree』
妙なアピールをするつもりは毛頭ないのですが、インディーデビュー当初よりひっそり彼等を好んでおりました。観念的過ぎるリリックについては私の範疇外なのですが、ロックだのバンドだのというカテゴリーに唾を吐きひたすらに素晴らしいポップソングを量産し続ける姿勢に感服です。本作はトータルアルバムとしても完成度が高く、世界観の統一、コントロールにおいて右に出るものはいないでしょう。与えられた潤沢な資本をクリエイティビティに全振りする姿勢はこれからも維持してほしいものです!
Tenement『Predatory headlights』
2011年にファーストが出た時、「メロディックパンクの文脈に新鮮な要素を取り入れたバンドが出てきたなあゴニョゴニョ」とそれらしい事を思い、今後の躍進を確信したものですが、なんとセカンドまでに4年もの期間を経てしまいました。でも銀杏BOYZというバンドはセカンドまで9年かけてるから気にしないでね。
Doodles『The Incredible Pranking Doodles』
当ブログでもインタビューさせていただいたTHE SATISFACTION松澤くんがギターを務めるパンクバンドのファーストがUGから。インタビュー時にお伺いしたのですが、松澤くんは日本のロック/フォーク以外にもlate70's~early80's punk/power popフリークなのです!そんな松澤くんのポップセンスが暴発する自滅寸前ポップパンクサウンドに頭のネジをシンクに流して3日放置したようなガールボーカルが乗るわけです。これは2015年のGIRL NEXT DOORや!
Kung-fu Girl『Cassette Tapes Club #8』
今年精力的にリリースをかましたMiles Apart Records(インタビューあるんで読んでください)の即完カセットテープシリーズでヌルッと滑り込むようにデビューしたギターポップ/アノラックバンドkung-fu girl。Fat Tulipsが幼児化したような、Go sailorが骨折したような、vaselinesからユージンが失踪したような、Haywainsにチャットモンチーが加入したような、City giantsが忘れてしまった初心を取り戻したかのような、僕と彼の好きなギターポップがここにあります。
Littlekids『Littlekids』
とても悩んでいた時期(いつも悩んでいるけど)に本作をよく聴いてたせいもあり、今聴くのにはなかなか勇気がいる1枚。転職活動中における熊谷での面接の帰り道、車中で流れるlittlekidsと一緒に何度も『inside』を歌いながら自らの足元を見つめ、鑑み、ポジティブとネガティブが反転し、自宅に帰りスヤスヤ眠る娘の顔を見て泣いたり笑ったりしたものだ。結局転職はせず今の会社で働いていく決心をしたけれど、私はlittlekidsに借りができた気がしてならない。
Westkust『Last Forever』
数年前にシングルが単発で出て、しばらく音沙汰ないと思ったらなんとアルバム!いやーluxuryは最高のリリース連発しておりますね。私はシューゲイザーってそこまでハマれないんですが(マイブラもラブレスよりsunny sandae派)、本作は最高でございます!歌にエフェクトを必要以上にかけず、ちゃんとメロディの良さで勝負している感じがして大好き。来日してほしい。
Martin courtney『Many Moons』
Real estateのボーカルのソロ。real estateの近作が好きなら間違いなし、ソフトなサイケデリアに満ちたサンシャインポップス。水戸でNOT WONKやCAR10を観た帰りの車の中で聴いて凄く感動した記憶があります。teenage fanclub好きも是非。あと、ジャケットが大変好みであります。
sleeping aides and razorblades『Favorite synthetic』
2015年、ロックやパンクが好きだと自負しているのに本作をチェックしていない方がいるとすれば、それは大変不幸な事だ。彼等は最先端のその遥か先を鳴らしているし、やや計算より初期衝動が勝っていたファーストに対し本作は完全に楽曲の持つポテンシャル、放つエネルギーを掌握しきっているのだ。本作の発売直後にリリースされたflexiもアルバムのアウトテイクながら後日殫ともとれる最高の出来、もはや彼等にあらゆる期待を抱かない方が無理って話であります。大好きです。
Gleam garden『Singles 2006-2013』
名前は勿論昔から知っていたのですが、抱いていたパブリックイメージ(step up周辺でしょ?)から聴く機会が無かったのですが、9月のMEAN JEANS来日ツアー足利編でのライブに心打たれsnuffy smilesから出た本作をゲット。ストレートに胸を打つサッドメロディック全開、サッド成分が他を60%ほど凌駕する号泣サウンド、もはや泣き叫びすぎて段々腹が立ち、終いには大笑いしているような猛烈具合で最高です。
ECD『Three wise monkeys』
ECDは昔からファンで、新譜が出るたびに半分惰性で買っていたのですが、前作からフロウが大きく変わったことにより新鮮に聴けるようになりました。Twitterでの彼の立ち振舞いに対する私個人の感情はさておき、彼のラップ、リリックから得られる感情はいつだって自分を奮い立たせてくれます。
THE ACT WE ACT『リズム』
今年彼等のライブを観ることができず無念です。ceroのアルバムがあんなに評価されて何故本作の素晴らしさは誰も語らないのか。混沌が整頓されて根本が正論で形付くられた最高のパンクアルバムである。ニューウェーブもノーウェーブもフリージャズもパワーバイオレンスも全て一線で掌握するラウドミュージックのなれの果て。4/3にはキラーパスやミルクと共に下北でライブをするらしいので目撃したいですよ。
Alpaca sports『When You Need Me The Most』
もうね、全然変わってない。私が愛するalpaca sportsそのまま。あの素晴らしいシングルを連続でリリースして、『Just for fun』という圧倒的かつ自然体のキラーチューンがあって、来日ライブで無邪気にAnother sunny dayカバーしちゃう感覚。あの感覚をなにひとつ変えずに2015年で再現しちゃう感じ。ノスタルジーと言われようがずっとこのままでいて欲しいって思っちゃうようなバンドなんだ、alpaca sportsは。
Starvingman『No Starvingman』
年初にリリースされたデビューカセットもよく聴いてたんだけど、本作のリードトラックである『SAYONARISM』のMVにやられてしまった。誰にも似てないメロディやストレートなバンドサウンドは勿論ど真ん中でグッとくるんだけど、やっぱりリリックが良くて。マーティさん節としか言い様のない発音を英語っぽく崩した日本語なんだけど、所々にパンチラインが潜んでいて、それらが一番光るような形に構成が練り込まれてる気がする。パンクが好きで良かったなーと思います。
Total babes『Heydays』
cloud nothingsとwavvesのコラボアルバムは正直滑ったと感じてるんだけど、total babesは安定した出来の作品をリリースしてくれた印象。向こう見ずなメロディと、あえて作り込まないラフなガレージサウンド、安っぽい録音。スピーカーの向こう側でメンバーがビールでも飲みながらゲラゲラ笑って演奏してる感じが見えてくる。パンクってそれでいいんだと思います。
And Summer Club『Superdash』
今年の活躍ぶりは皆さんご承知の通りだし、王舟のニューアルバムのMVにも演奏で参加しててビビりました。当ブログでもインタビューやらせていただいて嬉しかったです。一聴するとリヴァーブが聴いた現行のインディーっぽいニュアンスなんだけど、そこにパンクの焦燥とスピード、ラフさを正面からぶつけてサーチ&デストロイしてる。全曲短くてあっという間に終わるところも実に潔い。早くアルバムが聴きたいです。
Anorak joy『You Can't Touch My Heart Anymore』
英国伝統のネオアコサウンドfrom水戸。FRIENDSのカモメも巣に帰るくらい高らかに鳴り響くトランペット、ジョーストラマーのポスターを貼り直す程に青いメロディ、キラメキトゥモローにポップキッスはもうおしまいにしたくなる小洒落たアレンジ。毎日を少しだけ豊かにしてくれる細やかなたしなみとしての音楽がここにあります。
Batman winks『Gud Pops』
全て嫌になる日が年に数回、いや月に数回ぐらいはあるとして。そんな日は正直音楽を聴く気もなくなるし、ベッドの中でジッと目を閉じながらひたすら時間が過ぎるのを待つだけなんだけど。ある日またそんな調子でベッドに入ろうとする時に踏んづけそうになったのがBatman winksだった。正確には少し踏んづけてしまったものだから焦ってディスクをCDプレイヤーに入れて再生確認したのね。イントロから脱力を通り越して脱臼してしまったかのようなローファイ極まるポップチューンが流れてきて「遂に壊してしまったか」なんて嘆く暇もなくダニエルジョンストンばりの酩酊メロディが私の脳髄に染み渡り、「全て嫌になる日も捨てたもんじゃないっす」とか思えたものでした。
Tom and boot boys『Latest Fuckin' Collection Vol.2015』
高校生の時から、パンクに没入した瞬間からずっと変わらず好きなバンド。何故ずっと変わらず好きでいられるのかと聴かれれば、彼等の音楽がずっと変わらないでいるからだと答えるでしょう。ここ数年の新しい曲ばかり入った本作を何度聴いても、パンクを始めて聴いた瞬間の感動と高揚を味わえる。私はクズだけど、クズなりに精一杯生きてます。
VOGOS『100% VOGOS』
本作を北浦和のユニオンで買った時、特典としてメンバーの顔のお面が付くらしく、それをCDと一緒に袋に入れられそうになり、必死で店員さんを制止したものの既に袋はテープで閉じられてしまった。「このお面本当にいらないなあ…」とか考えながら自宅に到着。少しでもお面を有効に活用してあげたく、自宅の冷蔵庫に貼っておいたら翌朝にはごみ箱に捨てられておりました。
Marching church『This World Is Not Enough』
Iceageのボーカル、eliasのソロアルバム。Iceageの近作とも似通ったムードを共有しながらも、ピアノやストリングス等バンドには持ち込みづらいであろう楽器を全面に押し出したこれぞソロアルバム!ってな出来だ。ただeliasさん、自分で自分の顔をどや顔で眺めているというジャケットのデザインだけはいただけませんぞ。や、イケメンなんだけどさ。
GEZAN『言いたいだけのVOID』
今年一番のキラーチューンでしたね。とにかく今のGEZANはかっこいい。音楽と投身自殺しかねないくらい、彼らの活動全てが音楽的であると思う。音楽に付いてまわる不純な事象全てをぶち壊して、彼らと黄金の時間だけ残ればいいと思う。
Communions 『Communions ep』
真っ先にstone rosesを連想したけど、すぐに違うなって思った。眠れなくて朝になってしまい、光がカーテン越しに寝室を白く染めた瞬間が音楽になったような、ささやかな幸せと後悔の連なり。後にSEVENTEEN AGAiNの冒曲からもCommunionsからの影響を感じて凄くグッときた。
THE SATISFACTION『はすep』
4月に新代田feverでライブを観てまずやられて、夏に出た本作を聴いてもっとやられた。「優男」「インザサマー」最高!彼らがリスペクトするピーズにもエレカシにも吉田拓郎にも無い、今この時代を生きる若者だけが持つ閉塞感、哀愁、愛憎を爆音のパンクサウンドにのせて鳴らすということ。松澤君の人柄も好き。
The Cavitys『5th demo』
狂ったように矢継ぎ早に5枚のデモをリリースして、どれもがもうスノッティーでセンスフル、ファニーかつアンガーの連打で正しくパンク。音の抜き加減や音質も絶妙に計算されたショボイズムでございます。フルアルバム早めにお願い致します。
Sauna youth『distractions』
name your priceと2980円の狭間を行き来してそろそろ息も切れてきた頃だ。Max eiderのリイシュー盤と一緒に購入した本作を聴きながら色々な事を考えるけど、結局サウナユースの爆音に飛ばされてどうでも良くなってしまうんだ。生きてればいい事あるよって言われてる気がして、また明日も頑張ろうって勝手に決意する。
Pictured resort『Phenomenon On My Pillow』
アルバムには収録されていない、7'オンリーの激キラーポップチューンを。今この手の音をやると、猫も杓子もシティポップのタグを貼られてしまって嫌気が差す。彼らが鳴らすAORはチルウェイブ以降世界中のベッドルームで起きた革命の下に再定義された新しいインディーポップなんだ。新しい曲を書けなくなったprefab sproutには引導を渡して、僕達は僕達で楽しむしかないよね。
ISSUGI&DJ SCRATCH NICE『UrbanBowl Mixcity』
ISSUGIは大好きなMCのひとりだ。DJ SCRATCH NICEと組んで制作された4thアルバムは言うなればいつものISSUGIなんだけど、それはマンネリを恐れて望まない方へ舵を切る大御所は成し遂げる事ができないセンスだと思う。
JIV『Cassette Tapes Club #6』
Black lips直伝の悪がきガレージに浮遊感と多分のセンシティブを配合させたパンクサウンドを放つ早稲田のJIV。1発で好きになった。特に相馬君が初めて作ったというB面の一曲目「B.S.B」は初期WEEZERばりの繊細なアルペジオから一気に加速しシンガロングパートに突入する超キラー、KiliKiliVilla安孫子さんも激賞してました。
EXPERT ALTERATIONS『YOU CAN'T ALWAYS BE LIKED』
SlumberlandからリリースされたEpが良くて愛聴の限りを尽くし、遂にリリースされたフルアルバムは歓喜の雄叫びをもって迎えました。ジャングリーというワードはこれからもっともっと大きなキーワードになっていく気がする。後にLiteratureとのスプリットも出て、自分の中の点と点が線になり震えた。
Killerpass『まわりたくなんかない』
試行錯誤を繰り返して、ようやく辿り着いた待望のファースト。SEVENTEEN AGAiNの直後にリリースされた事実に拍手を送りたい。それだけでグッとくる。「少数の脅威」も「まわりたくなんかない」も根底にある感情は近いものだと思うし、この二作を同じ屋根の下に納めたKiliKiliVillaはこの国のパンクを再定義している。すばらしい。
only real『Jerk At The End Of The Line』
odd eyes『A love supreme for our brilliant town』
peepow『Delete Cipy』
over head kick girl『over head kick girl wants to kill you』
salt of life『Old youngster』
suueat.『suueat.』
Titus andronicus『The Most Lamentable Tragedy』
falls『wednesday』
SEVENTEEN AGAiN『少数の脅威』