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Anorak citylights

レコードを買ってから開けるまでのドキドキとか、自転車のペダルを加速させる歌や夏の夜中のコンビニで流れる有線など些細な日常とくっついて離れない音楽についての駄文集 twitter ID→ takucity4

Miles Apart Recordsインタビュー

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今やカセットテープというフォーマットは完全に息を吹き替えし、インディー界隈のみならずトップアイドルグループまでもが新譜をカセットテープでリリースする、そんな状況にまで至っている。
AWAやLINE MUSIC等、もはや消費している事実さえ忘れかねない程の利便性を持つフォーマットの登場等何処吹く風、スマートフォンやタブレット端末では聴くことすら叶わない、究極のアナログフォーマットと言えるカセットテープが我々音楽リスナーに与える豊かさは、音楽を消費し続てしまうことへの反発を思い出させてくれる。
近年のアナログフォーマット復権については大いに支持するところであるし、これからも続いてもらいたい。しかしながら、インディーやパンクの文化におけるアナログフォーマットはブーム以前から、翻って文化が誕生した瞬間からずっと絶えることなくリリースフォーマットの主流であり続けたわけなので、近年のアナログフォーマット復権とはまた一味違った文脈を持っていることが言えるだろう。
さて、話は逸れたが、ここ日本にもカセットテープをメインに扱うレーベルやディストロが控えめに現れ続けている。今回紹介するMiles Apart Recordsは2013年に活動を開始した新進気鋭のインディーレーベルだ。そして、カセットテープによるリリースを中心に行っている。
しかしながら前述の通り、Miles Apart Recordsも近年のアナログブームとは関係なく、純粋なるアナログフォーマットへの愛情のみでリリースを行っている。それはこれから公開するインタビューにおいても明らかだ。
JIVやKUNG-FU GIRL、Pictured Resort等素晴らしいタイトルばかりを矢継ぎ早に連発するスタイルは好事家達から絶大な支持を得ており、リリースタイトルは発売直後に即完という状況が続けている。今最もエキサイティングなレーベルのひとつと見て間違いはない。

BURGERにもGNARにも無いけれど、Miles Apartだけが持っているファンタスティック・サムシング。
今回はMiles Apart Recordsを主宰する村上さんのインタビューをお送りします。

Anorak citylightsの宅と申します。インタビューよろしくお願いします。
Miles Apart Recordsの村上と申します。よろしくお願いします。
まずは村上さんがレーベルを設立された経緯を教えてください。
結構長くなってしまうので簡単に言うと、友人のバンドのファンジンを作るために設立をしました。その時点では音源の媒体を出すとは思ってもいなかったので、レーベル名もMiles Apart Booksとなっています笑
従来から音楽に携わる活動をされていたのでしょうか?
20代前半は赤と黄が印象的な某小売店で働いておりました笑 ジャンルは洋楽全般を担当しておりました。現在は音楽とは離れた仕事をしております。
なるほど。レーベル設立に伴う青写真や理念はあったのでしょうか?
"90年代に2,3作品リリースして消えてしまったオブスキュアインディーポップレーベル"をコンセプトにしております。カタログナンバーがまさか20番までいくとは思っていなかったので、そのコンセプトも今では曖昧なラインになってしまいましたが..笑
Miles Apart Recordsというレーベル名の由来についても教えてください。
とにかく距離を感じさせる名前にしたかったという理由で、好きなバンドの楽曲から選びました。バンド名は言わなくとも、Anorak citylightsを読んでいる皆さまならきっと分かってくれるかと!
当初は長期的なスキームで活動を行う予定が無かったという事ですが、何故ここまでハイペースなリリースを行うレーベルになったのでしょうか?
昨年Cassette Tapes Clubシリーズを始めた時期からリリースのペースが早くなりました。恐らく、リリース作業に慣れてこなせる仕事量が増えたことによるためだと思います。あとはリリースしたい作品が多かったというタイミング的なこともあります。
リリースするバンドについて、明確な審美眼のもとに選ばれている気がします。バンドはどのように見付け、選んでいるのでしょうか?
Miles Apartリリースに関しては、自分が気に入ったバンドのみをリリースしております。基本的にはライブで観たりBandcampやSoundcloud等を聴いてバンドを探します。
先ほど名前が挙がりましたCasette tape clubシリーズについて聞いていきます。やはりカセットテープというフォーマットに拘りがあるのでしょうか?
Casette tape clubを始める以前から海外のバンドやレーベルから買っていたり、割と身近にあったフォーマットということでカセットテープを選びました。海外のカーステレオ事情が~諸々というよりも、単純にカセットが好きだからという理由が強いです。チェックしていたら知らないバンドにも出会える楽しさを知ってもらいたい、というのもシリーズ化した理由です。さらに集める楽しさを見出してくれたら最高です。
統一感のあるアートワーク、ナンバリング等非常に集めたくなるフォーマットでありますが、何か参考にされたシリーズだったりレーベルだったりはありますか?
Casette tape clubのジャケットを作る際に参考にしたものは特にないです。ただ海外のレーベルではシングルシリーズのようなものは当たり前のようにリリースされていて、そういうものを目にしたり購入したりして少なからず影響を受けていると思います。その中でも学生の時に出会ったArt of the undergroundのシリーズはとても印象的でした。余談ですが、Casette tape clubのジャケットが"りぼん"や"花とゆめ"等の少女マンガのコミックスの装丁の雰囲気があると言われたことがあり、”少女漫画 単行本 表紙"で検索してなるほどと思いました笑
確かに言われてみれば..笑 思わぬところとシンクロしています!ちなみに何故限定生産にこだわるのでしょうか?(KUNG-FU GIRLのテープの確保には苦労しました、、笑)
その節はすみません!笑 言ってしまえば、当初のレーベル・コンセプトの名残みたいなものです。非常に申し訳ないと思いつつも、限定生産で今後もいきます!笑
海外のレーベル等意識はされていないという事ですが、特にシンパシーを感じていたり、動向をチェックしている国内のレーベルはありますか?
なかなか同じようなシンパシーを感じるところは今のところありません。リスナーとしてはSecond Royal, Rallye, Fastcut, KiliKiliVilla, I Hate Smoke Records, 生き埋めレコーズ等をチェックしています。好きなレーベルやバンドはとても多いです。あと、東京だとsanm繋がりで知ったCONDOMINIMUMの活動はとても素晴らしくてカッコイイです。彼らの動向はチェックするべきです。
カセットテープというフォーマットの魅力や利点にはどんな物があると感じますか?
デザインやカセットテープの独特な音質も魅力かと思います。聴くのに手間がかかるしかさばるし..と感じる方も多いと思いますが、個人的にはそれすらも愛おしく感じます笑
凄く共感できます笑 村上さんが気に入ったバンドをセレクトしてリリースしているという事ですが、リリースバンドの多くはまだ活動経歴が浅かったり、リリース経験が無かったりとフレッシュなニュアンスを持っているように感じますが、意図されているところなのでしょうか?
Casette tape clubシリーズについてはそのことを意図してやっております。バンドを発掘し紹介するというのもテーマの一つです。リリースしたバンドが少しでも話題になって次に繋がっていったり、きっかけになって活動を続ける力になればそれだけで嬉しいです。
幾多のリリースをされた中で特に印象深いリリースやエピソードはありますか?
WallflowerのNYC Popfest用に作ったカセットは、好きなバンドと好きな漫画家コマツシンヤさんのコラボということもあってリリースの中では特に気に入っています。リーダーの土屋くんもコマツさんの作品が大好きなので、ジャケットを描いていただけるとなった時は2人で大興奮でした笑Pictued ResortのVo/Gtのコージさんとも2作目からの繋がりでレーベルでの付き合いが長いのですが、彼のバンドがリリースして話題になっていく様は見ていてとても感慨深いものがありました。9月にリリースするデビューEPも楽しみにしています。
少し意地悪な質問です。日本のインディーポップやパンクに対して、Miles Apart Recordsさんが思うことはどんなものでしょう?また、シーンに対して提示したいものや価値観はありますか?
押しつけがましいのは嫌なので、何か感じ取ってもらえることがあればそれはそれでOKです。あとは純粋にレコードやカセットテープの作品が好きなので、バンドやレーベルの皆さまに是非ともこれからたくさんリリースして欲しいという願望は常にあります。
今回、Miles Apart Recordsさんの主宰としては初となるツアーが開催されます。これはショーケース的な意味をもつツアーなのでしょうか?

出演する全バンドは何かしらの形で今までのリリースに関わっていますので、ショーケースというよりもレコ発的な感覚の方が強いです。
ありがとうございます!村上さんの思う、インディーレーベルを運営する醍醐味とは何でしょう?
やりたいことを自分の考えている形に出来るので、やりがいや達成感がとてもあります。ただ全て1人で運営しているので、嬉しいときや辛いときに誰かとすぐに共有できないという点もあるのでたまにチームやグループを羨ましくも思います笑
今後、単発のカセットリリースだけでなく、例えばレーベルとしてオリジナルアルバムのリリースを考えていたりしますか?
8月以降も2本カセットのリリースがあるのですが、全てEPですね。オリジナルアルバムはいつか作りたいと考えております!まずはアルバムを出したいと思えるバンドと出会うところからですね..笑
近年のアナログブーム、ひいてはカセットブームについてどう感じていますか?
新譜だけではなく、再発、初アナログ化などのリリースが多くとても嬉しい状況ですが、プレスや価格の問題はもう少しなんとかならないのかなとは思います。一過性のものとは言わずに、このアナログ/カセットブームが永く続いていって欲しいです。
僕も同感です。最後に、Miles Apart Recordsの今後の動きについて教えてください。また、読者へのメッセージをお願いいたします!
今後の予定としては、TOURSというイベントを8/9(大阪)、22と23(東京)で開催します!詳しくはこちらをご覧ください。(http://www.milesapartrec.tumblr.com/tours)
直近のリリースは、上記のイベントで販売するカバーコンピCDとPictured Resortの7インチです。8/25にはUSのFuneral Advantageのアルバムの日本盤カセットテープ。9月にはオランダの18歳の青年のソロプロジェクト"Goodnight Moonlight"のEP、大阪のバンドのEPの2タイトルをカセットテープで発売予定です。これからも、ほんの少し気にかけていただけたら嬉しいです!ありがとうございました!

ありがとうございました!最後に、Miles Apart Records村上さんのオールタイム・ベストレコードを選んでいただきました!!コメント付きです。村上さん、ありがとうございました!

(アルファベット順)
Beach Fossils - Clash The Truth
2010年代のリリースの中で一番聴いているアルバム。"ぼくの/わたしの clash the truth。"(※最高な一文を某レコード店の店主からお借りしました。)全てが好み過ぎて、リリース以降こういう音しか聴けない時期があり今でも再発し悩まされています。

The Durutti Column - The Return Of Durutti Column
アルバムの内容は言うまでもなく、もちろん最高なのですが..。眠る前によく聴くので、今では快眠へのスイッチとして機能しています。

Mega City Four - Who Cares Wins
始めて聴いた2ndに一番愛着があります。中古盤でも値が張るMC4ですが、聴く価値はとてもあるので見つけ次第確保して欲しいです。メロディックパンクにカテゴライズされていますが、インディー好きにもオススメです。

Modest Mouse - The Lonesome Crowded West
なんとなく高校生の時に買って聴いたら、USインディーとかいう曖昧な定義のジャンルにハマるきっかけになってしまった1枚。いつ聴いても1曲目からテンションが上がります。

Supercar - Futurama
青春的な1枚なので、スーパーカーは聴くだけでエモい気持ちになります。
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