Anorak citylights

レコードを買ってから開けるまでのドキドキとか、自転車のペダルを加速させる歌や夏の夜中のコンビニで流れる有線など些細な日常とくっついて離れない音楽についての駄文集 twitter ID→ takucity4

NOT WONK加藤くんロングインタビュー

2015年5月20日、KiliKiliVillaより1枚のアルバムがリリースされます。

バンドの名前はNOT WONK。北海道苫小牧に住む若干20歳の若者たちが作り上げたアルバムです。筆者も一足早くアルバムを聴かせていただきましたが、本当にとんでもないものが刻まれてしまっている作品だと思います。この1枚で何か大きなものが変わっていくのかもしれない。そんな予感と可能性に満ちた作品です。

リリース前夜の4月下旬、東京都渋谷区某所にてNOT WONK加藤くん単独インタビューを実施。KiliKiliVillaを主宰する安孫子氏、与田氏、福井氏のお三方に見守られながら程良い緊張感でインタビューはスタートしました。

NOT WONK加藤くんロングインタビュー、最後まで楽しんでいただければ嬉しいです。

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NOT WONK - Laughing Nerds And A Wallflower ...

アルバム発売おめでとうございます。アルバム、毎日聴かせていただいているのですが、恐ろしい出来だと感じています。大きな例えかもしれませんが、The StrokesやArctic Monkeys等、時代の節目に現れては若者の共感を一身に集めるようなスケールの大きい作品になっています。今とても面白い事になってる日本のパンクシーンの可能性を一段と高める事になるなんじゃないか、と思います。

安孫子(以下 安):うひぃーーー!笑

加藤(以下 加):ありがとうございます!今回僕達にとって初めてのアルバムを作らせていただく事になって、まず初めに目指したのは「やりすぎない」という事なんです。アルバムを作るから何か特別な事をしよう、とは思わなかったんです。普段通りのテンションで演奏して、録音をして、ありのままのムードをアルバムに落とし込みたかった。

今回、デビューアルバムにして17曲収録という大ボリュームになっているわけですが、この辺の意図についても教えてください。

加:初めは10曲入りのアルバムにする予定だったんです。デモCDの曲は収録せずに、新曲のみで作る予定だったんですね。というのは「デモCDの曲を入れるとアルバムとしてブレてしまうかも」という思いがあったんです。

ただ、僕が好きなスーパーカーのファースト(スリーアウトチェンジ)が19曲入りだったこともありまして、デモCD収録曲の再録を加えて曲数を増やしたんですね。19曲には届かなかったんですが、収録曲を増やすために『1994』や『Super City Three』、『Bunco』等を新たに書き下ろして録音しました!

新曲と既発曲が全く違和感なく溶け込んでいる事に驚きました。

加:主観的なところで見てしまうと少しはてなマークがつくところも正直あるかもしれません。でも、自分達を全く知らない方々がこのアルバムを聴いていただいた事を想定すると、何の問題も無いと感じています!

17曲も入っていると、曲順を決めるのも大変だった事が想像できます。

加:はい!まず、1曲目の『1994』はアルバムのイントロダクションっぽい曲が作りたくて新たに書いた曲なんです。1994年は僕の生まれた年ですね。弾き語りから始まるのは割とベタかもしれませんが、絶対にやってみたかった事です。

アルバム全体の構成なんですが、抑揚をつける事を意識しました。17曲も入っていると、ちょっと長すぎて最後まで聴けなかったり、中だるみを感じる事もあり得ると思うんです。それは絶対に避けたかったんですね。色々悩んだ結果、新曲を前半に集めて再録を後半に集めました。そうすれば昔から僕達を知っている方も楽しめると思ったんですね。

なるほど。僕はアルバムの前半もそうですが、後半の方がむしろ好きかもしれません笑

加:ありがとうございます!アルバムの最後に『Never Dye It Blonde』という曲が入ってるんですが、僕はどうしてもこの曲を最後に持っていきたかったんです。というもの、僕はリスナーとして「アルバム最後の曲」というものが好きで。デモCDの最後に収録されている『I Know』も元々はそんな思いから作ったんですね。『1994』からアルバムを聴いていただいたら、『Never Dye it Blonde』まで聴いてもらえたら嬉しいです!

既発曲については今回アレンジも大幅に変わっています。

加:既発曲については、ライブでやっているアレンジで録音しようと考えていたんです。ただ、デモCDの曲を収録する事が決まったのはレコーディングが開始してからだったんですね。実のところ、デモCDの曲は最近のライブでもあまり演奏していなくて。ただ、以前の録音より絶対に良くなる自信がありました。僕は自分の音源を毎日聴くんですよ。それこそ登下校の時とか。日頃から頭の中で色んなアレンジを考えていたので、それを煮詰めて具現化したんです。『I Know』は完全に違う曲になったと思います!

ちなみに、『I Know』は安孫子さんにもコーラスで入っていただいています。

女性コーラスの起用には驚きました。

安:凄く効いてるよね。あれによって更に見えてくるものがあるよね。

加:今回のアルバムはコーラスも頑張りました。僕、コーラスが多用されている曲って好きなんです。より曲が輝く感じがします。コーラスはなるべくたくさん入れたいんです。

そして、アルバムはKiliKiliVillaからのリリースです。

加:最初、安孫子さんからアルバムのリリースのお誘いを受けた時は、嘘だと思いましたね!笑 今だから言えるんですが、少し疑いました笑 ただ、お誘いいただく前から、「まとまった音源を作りたい」と思っていたんですね。I Hate Smoke Tapesからリリースしていただいたカセットテープも自分達で録音していたので、次回は誰かの力をお借りしたい願望がありました。

安:タイミングがバッチリ合ったわけだ。

加:お誘い頂いて、本当はふたつ返事でオッケーさせていただきたかったんですけど、少し考える時間をいただきました。

と、いうのもですね、安孫子さんはKiliKiliVillaについて「パンクのレーベル」と表現されて、そこが少しだけ気になったんです。僕たちはパンクが大好きですけど、パンクとは異なる発展性も求めていたので、少し迷ってしまいました。

安:うん、あれはあえてパンクという言葉を使ってみたんだよね笑 パンクの文脈にあるレーベルにしたい、という事だから。

加:パンクは勿論一番好きですし憧れではあるんですが、僕たちが最終的に目指しているのはそこだけではなくて。パンクバンドと評される事は本当に光栄ですが、少し気恥ずかしさもあります。

安:パンク観、音楽観みたいなものを一瞬で共有できればそれでいいんだよね。

パンクシーンに留まり続ける事の面白さも勿論あると思います。

安:うん、それはそれで面白いんだよね。そして、NOT WONKは清純かつあざとくない活動をしていくと思う。でも、多分はみ出てしまう。だから、色んなパンクバンドの子たちと話してもさ、みんなNOT WONKにめちゃめちゃ期待してるんだよね。

加:僕がカッコいいな、と感じているポジションは…例えば、Lostageですね!僕は彼らのアルバムをそれこそ1枚くらいしか持っていないので音楽的に語れるところは多くありませんが笑 大きい会場やフェスも出るし、札幌クラブカウンターアクションでの個人企画にも出ていたりしてとても憧れますね。KiliKiliVillaには彼らにも感じる発展性や間口の広さも内包されているので、最終的にリリースを決めさせていただいたんです。その流れで2014年末のKiliKiliVilla設立記念イベントにも呼んでいただいて。

安:ほんと嬉しかったなあ。

あの時のこと、凄く鮮明に覚えています。(※2014年12月28日KiliKiliVilla主催『不安と遊撃』において、NOT WONKは機材トラブルによりライブを一時中断する憂き目にあっていた。)

安:あの時は泣けたね。アンプのトラブルがあったけど、復旧後のライブが物凄く良くて。加藤君の直情的な部分も見れて、NOT WONKには申し訳ないけど、NOT WONKをもっと好きになった。

加:あの日はですね、そもそも前々日に『Laughing Nerds And A Wallflower』のレコーディングをしてたんですね。レコーディングのための練習も入念にして、バンドの状態はめちゃめちゃ仕上がっていたと思いますし、苫小牧の先輩達からも背中を押してもらって臨んでいたんです。なのに、蓋を開けてみたらアンプが壊れていて、ギターの音が出なくなってしまった。「よりによって何でこんな日に!」って思いました笑 僕はただ自分に腹が立って、情けなくて。

安:みんながあのトラブルすらドラマチックに感じたよ。俺は泣いて震えたね。

加:LINKの柳井さんには「俺はあのまま最後まで音鳴らなくていいと思った笑」って言われました笑 ほんと1日ヘコんでました。

話のベクトルを少し変えさせていただきます。NOT WONKはパンクバンドとしてキャリアをスタートしていますが、所謂パンクリスナー以外からも熱烈な支持を集め始めています。加藤君にとって、今の日本のパンクシーンはどう映っていますか?そして、その中でどうありたいのでしょうか?

加:僕はSEVENTEEN AGAiNが好きでバンドを始めたので、今でもパンクにはとても憧れているんですが、僕には良くも悪くも窮屈に感じる瞬間もあったんです。なので、パンクシーンをもっと広めていきたいし、切り開いていきたいんです!パンクではない音楽シーンにもパンクを受け入れさせていきたいし、パンクのカッコ良さを広めていきたい。

安:加藤くんはスーパー自然体だからねー。去年から日本各地でライブするようになって、色んなパンクシーンを楽しんでいるんだと思う。

加:それですね!そして、僕が思っている事とKiliKiliVillaが思っている事は近しいんだと思います。それは今回リリースされたコンピレーションアルバム(While We're Dead.:The First Year)のメンツから見ても明らかですし。単純に僕の好きな人達ばかりが収録されていますし。今まで僕達と共有できる考えを持っている人達が日本全国にいたんですけれど、接点が無くて繋がってこれなかった。最近になって各地の点が線で繋がりはじめていて、そうなれてきたのはKiliKiliVillaの影響も大きいんだと思います。

安:レーベル初めて本当に良かったなー笑 まだまだこれからです!

加:少し話を戻すと、僕は特定のシーンの方だけに聴いてもらうより、色々なタイプのリスナーの耳に届いたらいいな、と思っているんです!パンクカルチャーに精通していない方にも聴いてもらいたい。それができたらバンド冥利に尽きます。

なるほど。加藤君は北海道の苫小牧という、所謂非文化圏でバンド活動をしてきました。苫小牧という環境が自らの創作に与えた影響って何だと思いますか?

加:東京や大阪等の都市であれば、同じ音楽が好きな人達や同じ考えを持つ人達で集まれるくらいの文化的な土壌があると思うんですけど、苫小牧にはそれが無くて。MEGA CITY FOURはもっての外、GREEN DAYを好きな人でさえ僕は出会えないような環境でバンドをやってきました。やはり「わかってもらえない感」は大いにあるかもしれません。

そんな中で、僕は数少ない先輩方から「バンドとはこうあるべきだ」という事を演奏や音作り、ライブの進め方に至るまで教えていただきました。勿論1から10まで手取り足取り教えていただいたわけではなく、先輩方からの助言を参考にして自分達の音楽に落とし込んでいきました。ライブも頻繁に観ていただいて、常に評価や意見をいただいていました。なので、文化的な側面ではないところで、苫小牧から良い影響を受ける事はたくさんありました。

安:俺がNOT WONK2回目に観たのは2014年のMATSURIの時だったのね。彼らはスタジオライブでの出演だった。スタジオライブはさ、バンドの普段の音作りが丸裸になるから何気にちょっと難しいよね。より意識的な音作りを求められる。最終的にぐちゃぐちゃになってしまうケースも多々ある。でも、NOT WONKはスタジオライブでも音作りが非常に上手かった。これにはほんとビックリした。勢いだけとか、技術の稚拙さに逃げないんだよね。演奏や音作りが真っ当に上手い。

バンドとしての土台、地力がある。

安:そう!苫小牧で徹底的にサウンドメイクの基礎をつけているんだよね。だから、自主音源でもあんなに高いクオリティのものを作り上げることができている。

苫小牧でのバンド活動は非常に恵まれたものであるんですね。

安:うん、本当に恵まれてるんだと思う。

THE FULL TEENZの伊藤君が仰ってた、フジロッ久(仮)の藤原君とNOT WONKのライブビデオを観ていて、「なぜこんなにステージングに貫録があるんだろう」と2人で頭をかしげた話に通じるものがありますね。

安:うんうん。NOT WONKはパンクの持つある種のアマチュアリズムを迎合しないできたんだよね。

加:嬉しいです!結果的に苫小牧での経験でバンドとしての土台ができました。今後も苫小牧を中心に活動して、呼ばれれば日本各地でライブをしていきたいです。そういう形がベストです。

安孫子さんは生き埋めレコーズのコンピレーションアルバム『生き埋めVA』でNOT WONKを知ったんですよね?

安:うん、俺はkillerpass林くんの家で生き埋めVAを聴いたんだよね。あそこに収録されてる『Guess What I'm Thinking』1曲で虜になった。それから通販で購入したデモCDを聴いて、彼らのルーツがMEGA CITY FOURだと知って。もうキュンキュンきた笑 「あー!これ俺の大好きなやつー!」みたいな笑 一緒に作品作りたくなって仕方なくなった。

加藤君、アルバムを制作する上で具体的にインスピレーションを受けたバンドやアルバムはあるんですか?

加:そうですね。僕は皆さんが思ってるより音楽を深く掘れてなかったりするんですよ笑 それこそ今日もずっと自分達のアルバムを聴いていましたし笑 そして、僕は本当に今でもMEGA CITY FOURばかり毎日聴いています。色んな人に、「何聴いてるんですか」って聞かれるんですけど、いつも困ってしまいますね。去年ガッツリハマったのもCirca WavesとLiteratureくらいで。

なるほどです。やはり、MEGA CITY FOURがNOT WONKのルーツを辿る上で最も重要になってくるわけですね。

加:本当にそうです。MEGA CITY FOURって日本では局地的にとても愛されてますけど、イギリス本国では不遇の扱いを受けていたバンドじゃないですか。その辺も興味ありますね。

安:日本でも一時期は忘れられていたと思う。今でこそ再評価が進んでさ、音源も値段が高騰していたりするけどね。20年以上前のバンドだけど、やっぱりあのメロディの美しさに心掴まれるよね。

与田(以下 与):MEGA CITY FOURのファーストって何年のリリースだっけ?

加:1989年ですね!GREEN DAYのインディーデビューと同じ年です。

与:なるほどね。その頃のイギリスはStone Rosesが出てきて、数年間はマッドチェスターのムーブメントが起きていた時期じゃん?イギリスの若者でロックやパンクを聴いてる者なんていなくてなってしまった。みんなテクノ、ハウス、アシッドハウス漬けで。いわばMEGA CITY FOURは当時からすれば時代遅れだったというか。メロディが立っている真っ当なロックンロールなんて過去の遺物みたいに捉えられてたんじゃないかな。

一同:なるほど~!

安:面白いのは、2000年代の日本において、GOING STEADYがカバーした事などでMEGA CITY FOUR初期のカッコ良さを紹介できたと思うんだ。

でも、2010年代のここにきて、NOT WONKがMEGA CITY FOURの中期、ミドルテンポの曲が主流になってきた頃を凄く評価してるでしょ?「ここにきてそこを掘ったか~!」と笑 そこがこう、音楽の面白いとこだよねー。

与:MEGA CITY FOURはさ、80年代のThe SmithsとかNew Orderから継承するものが何も無かったんだよね。Stone Rosesにはそこがあったから。MEGA CITY FOURはUKロックの王道からは外れてしまったわけだよ。デビューがもう少し早かったり遅かったりすれば、また状況が変わったのかもしれない。

ただ、2015年の日本で苫小牧の若者が再びMEGA CITY FOURに光を当てている、それも中期の彼らを笑 面白いねー。

安:MEGA CITY FOURは20年以上前のバンドだけど、年月を超えて本当に素晴らしいです。

与:Stone Rosesにも勿論パンクのアティチュードが根底にあったんだけど、生み出した音楽が全く異なるものだった。UKロックの伝統を引き継ぎながら、ダンスミュージックとのクロスオーバーを果たして全く新しいものを提示したんだよね。それが当時の若者達の気分にガッツリはまった。MEGA CITY FOURは勿論凄かったんだけど、当時の時代のムードにははまらなかったんだね。それこそロンドンのライブハウスがどんどん潰れていったタイミングなんだよ。いかにロックミュージックが下火だったか分かる。

正直、NOT WONKはパンクシーンにおいて異端だと思う。全く新しいものを作っていると思う。でも、パンクが無ければNOT WONKはスタートしていなかった。それはStone Rosesも同じなんだ。だから、NOT WONKにはとても可能性を感じているよ。

今、NOT WONKを好きになったリスナーが、NOT WONKを入り口にしてMEGA CITY FOURを聴き始めてる現象も局地的にですが起こっています。

加:めちゃくちゃ嬉しいですね。バンド冥利に尽きます。wizが報われる。

安:そっか、でもこれからNOT WONKがもっと広がっていけば、その現象は拡大していくわけだもんね。面白いなー笑 けむちゃん、MEGA CITY FOURのアルバム売り払ってる場合じゃないよ笑

僕は彼らの同じアルバムをたくさん持っているので笑 さて、話を本筋に戻します。加藤くんは今回のアルバムでパンクシーン、ひいては日本のロックシーンにどんなインパクトを与えたいと思ってますか?

加:まずは、今回のアルバムを作る上でお世話になった人々に恩返しがしたいです。それは数字で表せるものじゃないかもしれませんが。今回、5月のタワレコメンに選出していただいたり、良い意味で自分が予想外の状況になっていて。

僕は曲を作ってライブができればそれが一番幸せなんですが、今回のアルバムが広がってくれれば単純に凄く嬉しいと思います!もし酷評だったとしても、「じゃあみんなにもっと良いって思ってもらえるものを作ろう」とは思いませんし。先輩方が僕達にとても期待してくれているのも本当に嬉しいんですし、その気持ちに応えることが出来ればいいかな、と。

なるほど。その辺のテンションはメンバー間で共有できている?

加:正直、それはNOT WONKの弱いところで笑  CAR10とか本当に羨ましいと思ってるんですが、NOT WONKはオリジナルメンバーって僕だけなんですよ。ベースのフジとドラムのアキムは10人目くらいのメンバーなんです。

お!では、話は前後しますがNOT WONKの結成秘話をお話しいただきたいです。

加:2010年に結成して、最初はHi-STANDARDとELLEGARDENのコピーからバンドを始めたんです。僕はギターではなくベースを弾いていました。2011年に初ライブをして、その後にFREEKICKっていう先輩のバンドの企画に出させていただきました。その時に、初めてオリジナル曲を披露したんです。そこで初めて自分の曲を評価してもらって。嬉しくてたくさん曲を作っていたら、残念ながら初期メンバーが脱退していったんです。それから何人もメンバーの入れ替わりがありまして。THE SLEEPING AIDES AND RAZORBLADESの白浜くんも一時期NOT WONKのサポートメンバーだったんですよ!笑

安:マジー!?笑

加:白浜君と一緒に数回ライブもやりました。当時彼はTHE SLEEPING AIDES AND RAZORBLADESの前身バンドをやっていて、イーストベイパンクに色々混ぜた感じの音を出していました。カッコ良かったですね~!

白浜君の肩書きは現THE SLEEPING AIDES AND RAZORBLADES、ex-NOT WONKになるわけですね笑

加:本人は嫌がるかもしれませんが笑 それから白浜君もサポートメンバーを卒業して、メンバーが僕ひとりになった時に見付けたのがフジとアキムだったんですね。最初ふたりは普通のお客さんでした。NOT WONKを観に来ていた後輩だったんです。

僕がよく出ているライブハウスの2階がスタジオになっていまして、よく練習で使っていたんです。ある日、隣の部屋からブラストビートが聴こえてきて、覗いてみたら僕の高校のジャージを着た奴がブラストビートを叩いていたんですよ笑

高校のジャージでブラストビート笑  

加:そこから僕が話しかけて、メンバーに入ってもらったんです。フジも僕のメンバー募集の誘いにすぐ食いついてくれて、入ってくれました。現メンバーが固まったのが2013年の5月くらいですね。それからすぐにセカンドデモCDを作りまして。

名作デモ『Wonk For Wonk』の前作ですね!

加:はい!あれはGreen DayとかErgs!に憧れて作った作品ですね。丁度その頃Snuffy Smileのバンドを知るようになりまして。NavelやLong Ball To No-One等ですね。そこからMEGA CITY FOURに行き着くわけです。

その話は置いておいて、そんな感じでふたりとの関係が始まったものですから、正直スタジオとライブ以外で会う事はあまり無かったんですよ。

と、いうことは今回のレコーディング合宿は・・・・・笑

加:はい、ほぼ初めてですね、ふたりと寝泊まりしたのは!笑

安:マジかーーーーーーー!!笑

加:良い経験をさせていただきました笑 ふたりには演奏以外のバンド活動を殆ど任せてこなかったので、これからはその辺もどんどん共有していきたいですね。

もしかして、好きな音楽もバラバラですか?笑

加:最近は共有できるようになりましたけど、以前は正直全く合わなくて笑 フジはニュースクール系のハードコアしか聴きませんでしたし、アキムはフュージョンとメタルを聴いていましたね笑 

それから、僕が白浜君にしてもらったように、自分の好きな音源をふたりに貸すようになりまして、徐々に価値観を繋げていったんです。

安:それにしてもフジくんもアキムくんも加藤くんの持ってくる曲に対する理解度は物凄いからね。面白いなあ。

そろそろ、インタビューも締めに入りたいと思います。

 与:最後に、俺も一言話していい?笑

お願いします!

与:パンクの精神性を持ちながら、高い音楽性を持っているバンドが日本ではしばらくアンダーグラウンドからしか出てきていない気がするのね。特に最近のメジャーなロックシーンにそんなバンド は出てきていない。だから、日本の音楽産業が一巡した今のタイミングでNOT WONKみたいなバンドが出てきたのはある意味必然なんだよね。自分達の方法論、自分達のパンク・アティチュードで、何か大きなものを揺り動かす可能性を秘めたバンドが現れた。みんな潜在的に求めてたんだと思う。

そして、今回のアルバムなんだけど、本当に理屈じゃないものになっているというか。ロックンロールの歴史では、若者がそのままの気持ちで音楽を作り上げた結果、とんでもないものが出来上がってしまう瞬間がある。それはBeatlesだったりStone RosesだったりClashだったりって事なんだけど、狙ってできるものじゃない。「こうなりたい」「ああなりたい」って気持ちだけじゃなくて、「これを伝えたい」という計算の無い本当の気持ちが盤に刻まれた時、結果的にとんでもなく多くの人の心を捉えるんだよね。反対側からモノを見るのでなく、真正面からストレートにとんでもない球を投げるバンド。音楽の知識の深さ等は一切関係なく、「音楽が好き」という純粋な気持ちに訴えかけるバンド。NOT WONKはそういう存在なんだと思う。それがロックのいちばんの魅力でもある、プレスリーの時代からずっとそういうバンドが時代ごとに飛び出してきてるのは偶然じゃないし、今の日本のロックシーンでは本当に貴重な存在。

加藤君、ロックは剥き出しの気持ちを歌った奴が一番偉いし、時代を変えるんだよ。全ては後からついてくるから。

パンクの諸先輩方からの期待を一身に受けているわけですが、今後のNOT WONKが本当に楽しみです。

加:ありがとうございます!本当に恐れ多いですが、自然体で頑張ろうと思います。まずは、アルバムのリリースと反響が本当に楽しみです。

今後もライブだったりリリースだったり色々仕込んでいるので、チェックしてください!

 

 リリースinfo

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NOT WONK “Laughing Nerds And A Wallflower”

2015年5月20日発売
品番:KKV-014 
2,000円(税抜)

 

While We're Dead.:The First Year (勝手に)全曲解説

 遅れ馳せながら、4/22にリリースされたKiliKiliVillaのコンピレーションアルバム『While We're Dead.:The First Year』に付属しているファンジンに、本名で参加させていただきました。考えて考え抜いて、自分に求められた役割みたいなものを勝手に勘違いしながら書かせていただいたのですが、蓋を開けてみれば他の執筆者の方々の寄稿文が遥かに面白く、僕は完全に負けていましたね。悔しい。

さて、ロックやパンクミュージックにおいて、コンピレーションアルバムが果たしてきた役割が非常に大きいものだという事は、周知の通りでしょう。音楽シーンにおける時代や特定の地域、コミュニティが持つムードを切り取り、同時代のリスナーに紹介する役割を果たしていました。また、何分「時代を切り取る」ことに正しく成功したコンピレーションアルバムには資料的価値が追加され、後世の音楽リスナーに受け語り継がれていくのです。

そういう意味で、本作はまさしくコンピレーション・オブ・コンピレーション。KiliKiliVillaが一番ドキドキしている音楽の地点、PUNKレーベルとしてのスタンスがはっきり映し出されており、音楽性は様々ながらどこか共通した価値観を持つバンドのみ収録されております。

これは当ブログが去年から提示してきた「新しいパンクシーン」とがっちりリンクしてくるものでありまして、そういった文脈からも今回ファンジンへの参加をお誘いいただいたのだと認識してます。
とまあ、何だか小難しい話になりましたが、純粋に良い曲ばかりの名曲集です。「お前はどのバンドが一番良かった?」なんて話で友達と盛り上がるのが一番の楽しみ方でしょう。是非アルバムを購入してみてください。音源とファンジン、最高のコンビネーションになっております。
今回『While We're Dead.:The First Year』のリリースを記念しまして、勝手に全曲解説をやります。勿論非公式なので書きたい放題、語りたい放題の有り様であります。
解説に移る前に、意味深なアルバムタイトルについて、由来を安孫子氏にお伺い致しました。『While We’re Dead.: The First Year』とは文字通り、安孫子氏がパンクから遠ざかっている間、パンクシーンが非常に面白い事になっていた事に由来しております。タイトルにあるWe'reとは一体誰なんだろう?  本当に自分か?それとも私達の周りのシーンだったりして?転じて、We're をYou'reに置き換えたら、世間に何か投げ掛けてる意味にも捉えられます。あなた達がシカトしてる間にこっちはこっちで楽しんでるぞー、と。結局のところ、タイトルの真の意味は受け取り方次第といったところなのでしょう。しかしながら、First Yearの部分については文字通り、『元年』です。これはKiliKiliVillaが今後もコンピ、ファンジンは続けていくという意思表示であります。要するに、死んでる場合じゃないぞ!って事なんだと思います。それでは、勝手に全曲解説はじめます。全ての遊び足りない好事家たちへ。
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①Not Wonk『Laughing Nerds And A Wallflowers』

トップバッターはNot Wonk。KiliKiliVillaよりアルバムデビューが決まっている、北海道のヤングパンクス超新星。当ブログでも昨年にインタビューを実施しているので、是非チェックしてほしい。4つのカウントで静かに幕が上がり、加藤が確かめるように歌いだす。徐々に熱を帯びるサウンドの向こう側にはwizの魂、彼の青い疾走のバトンを引き受けたのは、苫小牧に住む20歳そこそこの若者たちだったと誰が予想しただろうか。MC4とCirca Wavesのミッシングリンクなんて形容は決して言い過ぎでは無く、むしろ彼らの肩の向こうにはもっと広く大きなステージが見えてくるのだ。所謂パンク以外のリスナーの間でも既に話題沸騰、5月にリリースされるファーストアルバムの射程距離は遥か遠い場所を指している。

 

②Seventeen Again『リプレイスメンツ』

Seventeen Againは歌う事を止めなかったバンドだ。社会が変わっても、歳を重ねても、家庭が生まれても、彼らはバンドを続けていく事を決して諦めなかった。結果、結成10年後にKiliKiliVillaとの邂逅を果たす事になる。彼らに対するパブリックイメージは所謂メロディックパンクかもしれないが、彼らがその通り実行した事はただの1度もない。彼らは常に一貫して様々なポップミュージックの要素をパンクに落とし込んできたし、その方法論はしっかりと後続に受け継がれている。いよいよ時代が彼らに追い付こうとしているが、ここにきて更に脚力を高めた彼らに届く事はないだろう。僕らが遅いのではない、彼らが速すぎたのだ。

 

③The Sleeping Aides & Razorblades 『SILENT MAN』

00年代以降のグラムパワーポップに、新旧様々なポップミュージックのエッセンスを配合し独自のパンクサウンドを生み出す彼らだが、今回はシンセサイザーを大胆に導入。新機軸!まるで若りし頃のロバートスミスにYoung Governerが憑依したかのような激キラー膝抱え系グラムシンセパワーポップが本作の勢いを更に加速させている。I Hate Smoke Tapesからのカセット、DEBAUCH MOODからの7’ではまさしくスリーピング節としか言いようのない独自のパンクロックを展開した彼ら/彼女らであるが、その尖ったセンスの矛先がどんどんポップに振りきれている事は大変恐ろしい事実であり、来るセカンドアルバムのクオリティは本作が保証済である。

 

④Summerman『Littleman』

2014年、bandcampに突如アップされたデビューepが瞬く間に評判を呼び、一気にインディーシーンの有望株に躍り出たバンドだ。Cap'n jazz や近年の90's emoリバイバルと共鳴しながら、そこからはみ出る 確かな日本的歌心。パンクのメンタリティが爆発する彼らのライブは死ぬほど熱く衝動的であり、トリプルギターの全員合唱スタイルは初見で度肝を抜いた。 Four Tomorrow等日本の地下メロディックシーンとの親和性も高く、いそうでいなかった存在であることは間違いない。本作もハートウォーミングでありながらサビでは大合唱間違いなしのキラーチューンを披露、煌めくコードワークに導かれた先には穏やかな波の音と潮風。夏はもうすぐだ。

 

 ⑤Over Head Kick Girl『The Sunrise For Me』

NOT WONKもTHE SLEEPING AIDES AND RAZORBLADESも彼ら無しでは生まれなかった(かもしれない)、北海道の生ける伝説。執拗なピックスクラッチから一気に疾走するバーストメロディックパンク。単にメロディックといっても彼らの場合は所謂ただのそれでは無く、過剰なまでのサッドネスや、特異な展開、情念で泥々のメロディセンスを持ち合わせている。僕もスリーピング白浜くんより彼らの音源をいただき、衝撃を受けた。この感覚はあらゆる意味で早すぎた。ごく少数作成されたデモ音源は当然に入手困難、ジャパニーズパンクの新たなカルト名盤誕生かと思われたが、なんと6月にはKiliKiliVillaより編集盤の発売が決定、震えて待つ!

 

⑥Homecomings『FINE』

Heavenly発Pavement経由スピッツ行の電車で帰路に着く四人組、Homecomings。ジャングリーなギターポップ然としたデビュー作、より普遍的な歌の魅力を獲得したフルアルバムに続き、脱臼オルタナポップソングを提供。世間が彼らに期待する方向を絶妙にかわしながら、自分たちだけの方法論でしっかりとルーツに落とし前をつけている。一見パンクと紐付かない彼女たちの佇まいではあるが、福富くんのソングライティングは確かなパンクの素養を感じさせるものであり、ネオアコやギターポップもパンクを起点としたカテゴリーである。彼女たちが現行のパンクバンド達と活動を共にしているという事実そのものが、現行のパンクシーン最大のエポックであり、面白いところだ。

 

⑦CAR10『Tornade Musashi』

 今年初頭にKiliKiliVillaより発表したセカンドアルバムの興奮冷めやらぬCAR10の新曲で後半戦が盛大にスタートする。彼らの演奏はどんどんエクストリームになっていくが、川田くんの歌の焦点はどんどん絞れていく。あまり指摘されていないところではあるが、川田くんの歌は相当に魅力的だ。どんなメロディも彼の声を経由すれば妙な脱力感が生まれ、強烈な記名性がある。近年はGEZANとの邂逅やVenus Peter沖野氏からの激賞、カジヒデキの自主イベント出演等存在そのものがジャンルのクロスオーバーとなりつつある彼らだが、出自は日本の地下パンクシーンである。本作は彼らのパンクバンドとしての意地と地力を感じさせる素晴らしい勢いと発想に満ちたパンクソングである。

 

 ⑧MILK『I Always』

Vampire Weekend『A-PUNK』を二倍速で鳴らしたら、やがて目の前には田園が広がっていた…釣りだ祭りだ収穫だ!世界初、耳に優しい草食系ハードコアパンク!な4ピースカルテット。Summer Of Fanからの単独デビュー名作7'『MY E.P』も即ソールドアウト。CHEAP SKATEも真っ青なMORE CHEAP SKATEサウンドであらゆるジャンルを控えめに横切る、エンドロール中に席を立つ若者系サウンドがいきり勃つ1分間の白昼夢。このスカスカサウンドでモッシュの海を作り出す事ができるのは、世界的に見ても彼らくらいでしょう。

 

⑨Hi,How are you?『それはそれとして』

2014年春の京都旅行中、「清水寺に忘れ物をした」と自分でもどうかと思う嘘をぶっこいてホテルを脱出、Hi,How are you?のインストアライブを観た。思いついた事を喋りながら、悠々と歌をうたう原田くんを見て、十代の頃街に出てひとり考えていたとりとめのない事や、どうでもいい出来事をいくつか思い出して、なんだか家に帰りたくなったのだ。シンプルな弾き語りながらパンクの素養に溢れているであろうハイハワの歌は、バンドサウンドだらけの本作においても、浮くどころか気の利いたフックとして機能していて何だかホッとする。生活を歌にしたり、歌が生活だったりする原田くんのバランスや音楽との向き合い方は、さながら曽我部恵一さんのようだ。多作なところも含めて。

 

⑩Odd eyes『All Time Favorite』

アメリカのSST、日本のless than tvのバンドに見られた「ハードコアパンク+アルファ」を地で行くストレンジパンクバンドOdd eyes。Summer Of Fanからの7'において、「同じバンドで疑似スプリット盤を作る」的驚異の発想を見せている。パンクの枠には到底収まらない情報過多なストレンジサウンドには様々な分野からのゲスト参加も多く、その支離滅裂な音楽性も相成り、ボーダレスな孤高の立ち位置を持つ。京都PUNKシーンの懐の広さを象徴する存在であり、あらゆる人脈を巻き込んで吹き飛ばす強烈なエネルギーがある。なによりカベヤくんの言葉はパンチラインだらけで非常にかっこいい。彼は間違いなく言葉の人だと思う。

 

⑪killerpass『レイシズム』

僕が最後に観たkillerpassは(もう数年前だが)ドタバタポップパンクサウンドに自前のスペイン語でまくし立てるように歌う林さんが印象的であった。少し前に出たファースト7インチでは謎のサウンドエフェクトを装備、歌も日本語に様変わり、さながらShock Treatmentの平均身長が165センチになってBURGER RECORDSから復活作をリリースしたかのような痛快具合だったのだ。恐らく林さんは様々な国のポップパンクを泥沼のように掘ったあげく、「ポップパンクは母国語で歌う事が一番カッコいいんじゃないか」という結論にたどり着いたのかもしれない。リリックについて、僕はタクという苗字であるため中国や韓国の方と誤解される事が多く、それはそれで全然構わないのだが、人一倍レイシズムというものに対して考えることが多かった。いつの日か無くなってくれって何度も考えた。これは僕の歌だと思うんだ。

 

⑫Suspended Girls『The Sun Wind In Summer Zeal』

ポップパンク大国日本が誇る巨人達で結成された広島のポップパンクバンドのミラクルポップチューン!ポップパンクの様式美を突き詰めるとオリジナルが生まれるという、世界でも類をみないほど開かれたポップパンクだ。CAR10やHomecomingsと並列して、Suspended Girlsも入ってしまうところが本作の面白味のひとつだ。むしろ、この90'sスタイルのポップパンクはKiliKiliVilla安孫子氏の重要なルーツであり、このバランス感覚こそ安孫子氏の提示する価値観のひとつであるように思うのだ。同じ価値観を共有できるパンクミュージックを、世代を越えた形でコンパイルする。狙いは大成功といえるだろう。また、killerpass~Suspended Girlsの流れも個人的に秀逸。ポップパンク親子夢の共演である。

 

⑬Link『Douglas』

エンドロールを飾るのはLink。90年代の終わりに横浜から現れ、日本のパンクロックシーンのど真ん中を走り抜けた彼らが20年後の日本で安孫子氏率いるKiliKiliVillaと合流したことは非常に意義深い。紆余曲折あり1度は足を止めてしまったが、本作における彼らの佇まいはとてもフレッシュであり、一巡した新しいパンクシーンで彼らが新たなポジションを獲得していることは本当に最高の事実である。今まで散々若いバンドについて書いたけど、世代とか関係なく共有できる者同士でとことん楽しもうよ!って事だと思う。1曲目のNOT WONKと同じ空気感をシェアしており、Linkも彼らのように新しい気持ちで無邪気に音楽を奏でていることが伝わるロックンロールパンクは、本作のエンドロールという大役を最高の形で果たしているのだ。

 

 

 

 

 

角田くん(And Summer Club)×伊藤くん(生き埋めレコーズ)インタビュー

 4月29日に生き埋めレコーズよりデビューEPをリリースするAnd Summer Club、今や日本のインディシーンにおいて熱い視線を一身に受ける彼らですが、今回はソングライターである角田くんと、生き埋めレコーズの首謀者のひとりでありTHE FULL TEENZとしても活動する伊藤くんのチャットインタビューを公開します。知られざるAnd Summer Clubの誕生物語、音楽的ルーツ、生き埋めレコーズとの出会い、伊藤くんの性癖まで、包み隠さず語っていただきました!

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 (左端が伊藤くん、左から3番目が角田くん)

 

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『Superdash』

ヘビーハワイポップを自称する彼らだが、当然アロハシャツは着ていないし日にも焼けていない。しかし、ヘビーハワイポップバンドは現れた。それも、南国では無く大阪からである。口笛を吹き、潮風を纏いながら、猫を撫でるかのように鳴らした轟音のポップソングはあの子のスカートの隙間を抜けて遥か遠くを目指す。それはSTIKKYとBEACH FOSSILSが時を超えて繋がった瞬間であり、放射能で泳げなくなった未来のワイキキビーチで鳴らされる毒まみれのテーマソングでもある。

ある種の狂騒めいた盛り上がりを見せる日本のインディーポップシーンにおいて、「夏」を名前に掲げた彼らが持つパンクの心は強烈なカウンターパンチであり、聴衆をYoutubeからライブハウスへ誘う最後の切り札だ。ヘビーハワイの波音は極めて大音量、それもノイズの向こう側で強烈なリヴァーブを纏いながら聴こえてくる。このアルバムをイヤホンで楽しんだなら、次のアクションはもう決まっている。ライブハウスで本作を大音量で聴き、残る耳鳴りの向こう側で夏を見付けよう。

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 宜しくお願いします!

角田くん(以下 角):宜しくお願いします!

伊藤くん(以下 伊):宜しくお願いします。今日は頭冴え渡ってます。

角:笑 俺はビール飲んでます笑

いいですね、ダラダラやりましょう~!And Summer Clubって実は謎が多いバンドなんじゃないかと思ってるんです。ネットで検索しても詳細なバイオグラフィーが出てこないし、メンバーの名前さえ出てこない笑 まずは結成の経緯から教えてください!

角:こういうのちゃんと話すの初めてなんで緊張します。And Summer Clubの結成は2013年です。今僕は22歳なんですが、大学1回生、19歳くらいの頃からギターのぐるぐるとはバンドをやってたんですよ。そのバンドのメンバーが僕とぐるぐる以外全員抜ける事になってしまったんです。途方に暮れていた時に、今ベースを弾いてもらっているチャーケンと出会って、And Summer Clubを結成しました。

(若いな…)伊藤くんはおいくつでしたっけ?

伊:僕は21歳ですね。角田さんのひとつ年下になります。

(もっと若い…)当初からメンバーは固定されていたんですか?

角:ドラムだけ変わってます。最初は僕の友人でありイラストレーターである田中って奴に無理やりドラム叩いてもらってました笑 今はごろうって奴にドラム叩いてもらってます。東京でのライブに、大阪から自転車で向かうヤバい人ですね笑 僕とぐるぐるが同い年、チャーケンとごろうが伊藤くんと同い年ですね。

バンド名はどんなニュアンスで命名したんですか?

角:恥ずかしいんですが、アメリカのThe Strange Boysってバンドのアルバム「And Girls Club」に由来してます。Girlsって名乗る事が恐れ多かったので、僕にとっての「女の子」を象徴する「(500)日のサマー」からSummerを引用し、And Summer Clubという名前になりました。

伊:良いエピソードだなー。

角:バンド名変えたいなー笑

眩しいエピソードですね。And Summer Clubは雑多な音楽の要素を含んでいると思うんですけど、特に影響が色濃いバンドってあるんですか?

角:メンバーが共通で好きなのは、Mac Demarcoですね。And Summer Clubの曲を作る時はMoonheartsやCaptured Tracks、Recessや最近のUSインディに影響されているつもりです!あと、友達のバンドに影響を受けることも多いですね。

伊:このラインナップにRecessが入るのがAnd Summer Clubっぽいですね。

角:CAR10の川田さんに教えてもらってからめっちゃ聴いてる。

結成して間もなくデモCDが出て話題になったタイミングで僕はAnd Summer Clubを認識したんですけど、伊藤くんがAnd Summer Clubと出会ったのはどのタイミングですか?

伊:初めて知ったキッカケは菅沼くん(生き埋めレコーズ、THE FULL TEENZ、sprintklub)に教えてもらった事ですね。菅沼くんはCAR10の川田さんのツイートでAnd Summer Clubを知ったみたいです。実際に聴いてみたら、今まで関西にはいなかったタイプの音で、尚且つ僕と年齢も近い事が分かってとてもビックリしました。僕は菅沼くんと二人で『MIDSUMMER SPECIAL!』っていう企画を不定期で行っているんですけど、2013年の11月に開催した回にAnd Summer Clubも出てもらったんです。それが初対面ですね。

角:あの日楽しかったな~。

And Summer Clubは本当に結成してすぐバンドマンの間でも話題になってたんですね。

伊:多分そうだと思います。スタジオの練習音源がBandcampに上がってて、そこから広がった感じですね。

角:iphoneのボイスメモを使って、できた曲をネットにアップしまくってたんですよ。懐かしい笑

角田くんは『MIDSUMMER SPECIAL!』に参加して、伊藤くんやTHE FULL TEENZと出会っていかがでしたか?

角:あの日は本当に楽しくて、最高の思い出です。初めて自分たちのライブを楽しめた日でもあります笑 あの日に出会って、今でも繋がりが深い人がたくさんいます。伊藤くんや菅沼くんや生き埋めレコーズの人々はもちろんですが、仲が良いfULLHOUSEの木村やLADY FLASHに初めて出会った日でもあるので。打ち上げでぐるぐるがゲロしたのも良い思い出です笑

伊:はまいばくん(生き埋めレコーズ)と皆が接近したものこの日ですね、そういえば!あ、はまいばくんは、生き埋めレコーズの映像ディレクターです。

はまいばさん、勿論存じ上げてます!『MIDSUMMER SPECIAL!』は関西インディの点と点を線で繋いだ感がありますね。そして、それがキッカケで2014年5月にリリースされた『生き埋めVA』の参加に至るんでしょうか?

伊:そうですね。その日の打ち上げでfULLHOUSEとAnd Summer Clubがスプリットを作ろうという話になってて、冗談で「僕らがレーベル作ってリリースしたいです」って話をしたんです。後日みんなで話してて、どうせならたくさん友達を作ってコンピレーションアルバムを作ろうという事になったんです。完全に勢いでしたね笑

角:そうやったな~。

『生き埋めVA』でAnd Summer Clubを認知した方も多いと思うんです。伊藤くんの中では、その頃から彼らの単独作のリリースを考えていたりしたんですか?

伊:いえ、生き埋めレコーズの他のメンバーはどうか分かりませんが、僕は毎度のリリースで手一杯なので、あんまり先のリリースまでは考えないですね。「○○が今レコーディングしてるらしい」とか、「○○が素晴らしい音源を作ったのに流通に困っている」みたいな話をその時々で耳にするので、そのタイミングで生き埋めレコーズからのリリースをお誘いする感じです。And Summer Clubについても、2014年の秋頃にレコーディングの話を聞いたので、声をかけました。

角:今回のEPについては、最初は自主でリリースしようと思ってたんです。僕自身も生き埋めレコーズの今後のリリースが楽しみですね。

伊:今年はリリースの予定がいくつか決まってます!

僕も生き埋めレコーズのカタログはコンプリートしております笑 角田くんは今回生き埋めレコーズからリリースされてみていかがでしたか?なにしろバンドにとってリリースするレーベル選びってとてもデリケートなものだと思うんですよ。

角:めっちゃ嬉しいですよ。知らない人や大人から言われていたら怖かったかもしれないです。生き埋めレコーズは友達だし、尊敬してるし、仲間感も強いので安心してお任せできました。生き埋めレコーズのカラーも好きです。

角田くんの思う、生き埋めレコーズのカラーってどんなものでしょー?

角:歳が近いし、センス良いし、かといってオシャレぶってないし、パンクが好きなとこですね。20歳くらいの若者が作った新鋭レーベルってところもかっこいいです。うーん、もっと上手い言葉で伝えれたらいいですね。

 生き埋めレコーズって京都のレーベルですけど、良い意味でローカリズムに固執していないんですよね。『生き埋めVA』も全国各地のバンドが収録されてますし、地域性よりも世代感というか、気の合う感じや価値観を共有できる感じを最も大事にしているように思えて。伊藤くんは泊まるところや帰りの電車も決めずに東京来ますし笑 そういうのって特別だなーと感じてます。今回のEPが事実上のデビュー作になるわけですが、収録曲はどのように決めたんですか?デモやVAの曲が入っていないもので。

角:収録曲は折角なので、今のAnd Summer Clubのムードを知ってもらえるような曲を選びました。去年から今年にかけて作って、よくライブで演奏している曲ばかりです。

面白いと思ったのは、デモの時よりもパンキッシュになっていることです。普通は逆ですよね笑

角:そうですか?笑 デモも本当はもっとパンキッシュに録りたかったんですが、ノウハウも分からず完全にDIYで録ったので変な感じになってしまったかもしれません。

デモの激ローファイ感は天然によるものだったんですね笑 今回の新譜に入ってる曲に関して、具体的に強い影響を受けたバンドとか、意識した音のニュアンスはありますか?

角:今回のEPはPOST MODERN TEAMの岸田さんに録ってもらったんですけど、Smith WesternsのファーストやMoonhearts、Teen Suicideの音源を聴いてもらって、音のニュアンスを伝えました

伊:僕もレコーディングに参加したんですけど、岸田さんの敏腕っぷりは凄かったですね。ギターとスネアの音が特に最高だと思いました。曲は言わずもがな、です!

And Summer Clubのバイオグラフィーに書かれている、『ヘビーハワイポップ』っていうのは?笑

伊:それは僕が考えました笑 And Summer Clubって、バンドのheavy hawaiiみたいに酩酊感が強いし、ハワイって夏っぽい単語だし、何より『ヘビーハワイポップ』って言われても字面からどんな音なのか想像つかないところが気に入ってます笑

角:僕らは『ヘビーハワイパンク』だと思ってます笑

伊:なるべく『インディーポップバンド』って言葉使いたくなかったんですよ笑 今たくさんいますからね。

角:そうやね。インディーって言葉、嫌いになりはじめてる笑

インディーって便利な言葉ですからね~笑 POST MODERN TEAMの岸田さんを起用したのはどなたのアイディアですか?

角:僕らのアイディアですね。岸田さんには普段からバンドでもプライベートでもお世話になっているので、僕らのやりたい事を一番的確に汲み取ってくれる確信があったんです。岸田さんはPOST MODERN TEAMの音源も自分で手掛けていますし、LADY FLASHのアルバムも録っているんです。

僕もPOST MODERN TEAMのアルバム、愛聴してます。新譜のリリックはまだチェックできていないんですが、どんな事を歌ってるんですか?

角:歌詞はあまり深い事言ってないんです笑  主に日常や身の回りの事を歌っています。

なるほど。今回の新譜のアートワークについても教えてください。

伊:アートワーク凄いですよね。前回生き埋めレコーズからリリースしたRevolution For Her Smileのジャケットもそうでしたが、ジャケットからどんな音だか全く分からないのが最高です。

角:あんまりUSインディっぽいジャケットにはしたくなかったんですよ。アートワークは僕の親友であるまんたろうに頼みました。僕は彼の絵が大好きなので、特にうるさい注文等はせず、安心してお任せしました。音源を聴いたインスピレーションで書いたみたいです。不気味な感じが出ていたら嬉しいなあ。

ありがとうございます。And Summer Clubの今後の意気込みを教えてください!

角:とりあえずアルバムを作りたいです!あと、色んな媒体で音源リリースしてみたいです。変な場所でのライブもしてみたいですね笑 お誘いお待ちしてます。

これにてインタビュー終了です。最後にお二人から各々読者に向けてコメントをお願いします!

角:色々とありがとうございました。ライブ来てください!CD買ってください!友達になってください!あと、大阪の難波にある味園ビルに入ってる『ゆとりちゃん』っていうバーで毎週水曜日に働いてます。遊びに来てください!笑

伊:今って、soundcloudとかTwitterが普及してるので、インターネット上だけで音源が話題に上がるバンドって沢山いるんですけど、そういうバンドはライブがあんまりだったり、なんならライブしたことないってバンドもたくさんいまして。And Summer Clubはそんなバンドに飽きた方々におススメです。CD聴いていただいて、ライブ観て欲しいです。宜しくお願いします!これから一発抜きます!

角:僕はオナ禁中なので酒飲みます!

いやいや、抜きましょうよ~!

角:抜いてから酒飲む事に決めました。ありがとうございます!

伊:着衣おっぱい最高です~!

着衣おっぱいのイメージとして送られてきたものは、篠崎愛さんのたわわな画像でありました。篠崎愛さん、ありがとうございました!

 

リリースのお知らせ。

And Summer Club『Super Dash』(IKRC-6)

2015年4月29日(水)発売

800円(+税) 紙ジャケ仕様

 (取扱い店舗)

COCONUTS DISK(吉祥寺)

Violet&Claire(京都)

JET SET RECORDS(京都/下北沢)※予定

Second Royal Records(京都)

EGYPT RECORDS(大阪)

FLAKE RECORDS(大阪)

TOONICE RECORD SHOP(高松)

record shop DIGDIG(岡山)

RECORDSHOP ZOO(名古屋)

sone records(静岡)

diskunion(関東圏/オンライン)

THISTIME online store(オンライン)

SOULMINE MEGA MART(オンライン)

HOLIDAY! RECORDS(オンライン)

 

レコ発のお知らせ。

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JIV相馬くんインタビュー

 局地的に大きな注目を集めるMiles Apart Recordsのカセットテープシリーズに、新たなニューカマーが登場!その名もJIV。何気なく買って聴いたが最後、その若さと衝動が溢れるバーストガレージチューンの連発に感銘を受けました。今回はJIVのボーカル兼ギターの相馬くんにインタビューを実施。テーマは毎度おなじみ『新作の製作に影響を与えた5枚のレコード』『相馬くんの人生を変えた5枚のレコード』についてです。インタビューの前に、こちらもおなじみレコメンドをどうぞ!

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(右端が相馬くん)

 Jマスシスがcloud nothingsと早稲田の銭湯で出会い意気投合、お互い素っ裸のまま露天風呂でギグをかました挙げ句に全員感電、命からがら完遂寸前ローファイガレージパンクずっこけ3人組。東京・早稲田を中心に活動するバンド、JIVが鳴らす音楽を誠実に表現するならば、こんな風だろう。新旧オルタナヒーローのソウルが一堂に介した轟音ガレージサウンドの海に、パワーポップ、シューゲイズ、ポップパンク等の元素を撒き餌のように放流、寄せる波の音からは過去と未来が同時に聞こえてきた。裸で泳ごう、吐くまで泳ごう。

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宅イチロー(以下  宅):今回は「新作の制作に影響を与えた音源5枚」「相馬くんの人生を変えた音源5枚」というテーマから選ばれた計10枚の音源を肴に、JIVの音楽について聞いていけたらと思います!よろしくお願い致します!!

相馬くん(以下  相):よろしくお願いします!

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 Twin peaks『Wild Onion』

宅:Twin Peaks!シカゴのガレージバンドですね!いきなり少し意外です。

相:彼らの男らしさというか、若いのに渋さも備えているところに、いつも痺れてます。音楽的にはリバーブのかかり具合等をとても参考にしてます!『Superbad』は特にTwin peaksを意識していますね。

宅:なるほど。言われてみれば、JIVの曲のリヴァーブ感、あと個人的にはボーカルやコーラスのヤンチャ具合にTwin peaksを感じますね!

相:ガレージロックバンドに有り勝ちな一辺倒な感じもなくて最高ですねー。『Mirror of time』みたいなミディアムテンポの曲もやる感じがずるいです。ボーカルも凄く意識しています笑

宅:JIVにもミディアムテンポの歌モノ曲とかあるんですか?

相:今回のカセットには収録してないのですが、1曲だけあります。後々、作品など作る機会があれば発表したいですねー!

宅:JIVからはジャングリーなギターポップ、シューゲイザー、ガレージ、ビーチポップそしてパンク、様々なポップミュージックの素養が配合されている感じを受けます。では、2枚目をお願いいたします!

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Modernettes『Teen City』

 相:これは本当に最高ですね!全曲シンプルなのに少しひねりのあるところや甘いメロディーが最高です。

宅:80'sパワーポップのバンドすね!やはり彼らのメロディーに影響を受けたんですか?

相:ボーカルのメロディー等はかなり意識してますし、ガッツ溢れるギターも真似したくて仕方ないです。サビでわかりやすく盛り上がらない感じも凄く好きで、僕は曲を作るときにベタベタなサビになりがちなので、勉強になりますね。

宅:JIVは割りと曲の初めから盛り上がってますからね笑 僕、カセットB面のデモ2曲がめちゃめちゃ好きなんですよ。

相:嬉しいです。『B.S.B』は僕が初めて作った曲なんですよ。一番古い曲なんですが、割と自信があったのでdemoとして収録しました。

宅:本当ですか!あのメロディの求心力含め、かなり勢いまかせなんだけど、バックのコーラスは何故かめちゃめちゃ綺麗だったり、僕は一番好きですね。イビツで美しいパンクソングだと思ってます。相馬くんはどの辺の音楽をメインで聴いてるんですか?

相:あんまりジャンルには拘らないのですが、最近はガレージロックが好きですね。でも、高校の頃はThe Smithsみたいなギターポップが凄く好きでした。

宅:近年、BURGER等のレーベルの貢献もあって、アンダーグラウンドなガレージパンク、盛り上がってますよね。僕もFIDLARとかよく聴いてました。ギターポップは僕めちゃめちゃ好きなんですよ。ネオアコとかはどうですか?

相:すみません!笑  ネオアコあんまりしっくり来ないんですよね…。Aztec Cameraとか借りたんですけど、あんまりハマらなくて笑

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 Misfits『Static Age』

相:僕、Green dayが好きなんです。彼らがMisfitsの曲をカバーしているので、聴いてみたら凄くメロディーが良くて。いつか彼らみたいなメロディが作れたら最高です。

宅:所謂名作とされる『Walking among us』ではなく、正式なレコードデビュー前に録音された本作の方がしっくりきたわけですね。

相:『Walking among us』も好きなんですけど、『Hyblid Moments』と『Teenagers From Mars』が好き過ぎて笑

宅:や、ポップでめちゃめちゃ最高ですよねー笑 Green dayお好きなんですね!

相:Green dayは『Insomniac』が1番好きなアルバムです。

宅:Misfitsはポップパンクのニュアンスも強いバンドですけど、ポップパンクも好きだったりするんですか?

相:好きですね~。初期のBink182とかも好きでした。最近のFIDLARやWAVVESにもポップパンクを感じてます。

宅:Green dayが好きなのは何かキッカケがあったりするんですか?彼らって多くの場合、洋楽やパンクの入り口みたいな存在だと思うんですけど、色々音楽を掘ってる相馬くんがGreen dayを好きで居続けているのは興味深いですね。

相:はい。僕は小学生の頃カナダに住んでいたんです。その頃は音楽とかあまり聴いてなかったんですけど、ある日テレビから流れてきた『American Idiot』にかつてない衝撃を受けたんです。あれから、Green dayは僕のアイドルですね。

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Black Lips『Arabia mountain』

相:Black Lipsです。宅さんも好きだと仰ってる『B.S.B』は完全に彼らが元ネタです笑

宅:確かにあの無闇な騒がしさ、言い換えれば悪ガキ感、一緒にガンガン歌えちゃう感じはBlack lipsですね笑

相:今回リリースしたカセットは、割と男らしい感じと言いますか、プロトタイプの現行ガレージパンクを目指したので、彼らをよーく聴いてました。あと、このアルバムはとても僕好みのポップ感で最高です。

宅:ここまで全て海外のバンドですが、日本のバンドで注目していたりシンパシーを感じるバンドはいますか?

相:友達のバンドだと、5000は凄くカッコ良いですし、京都のTHE FULL TEENZや大阪のAnd Summer Clubにはよくしてもらっていて嬉しいです。CAR10やNOT WONK等のKiliKIliVilla周辺のバンドも凄く好きです。

宅:5000!僕気になってます。十三月の甲虫のバンドですね。THE FULL TEENZやAnd Summer Club、CAR10やNOT WONKとは同時代性を強く感じます。

相:生き埋めレコーズのイベントに誘ってもらえた事が大きいですね。

宅:なるほど、JIVは東京のバンドなのに関東でのライブが少ない気がしていました笑

相:最近まで割とグタッと活動してたので笑 今後はライブとかガンガンやりたいです。

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No Age『Nouns』

相:そもそもJIVはNo Ageみたいな音楽がやりたくて始めたバンドなんです。編成まで真似してましたからね。ドラムとギターの2ピースで笑

宅:そもそもバンドどんな経緯で結成したんですか?

相:同じ大学のサークル内で組んだバンドなんです。結成は2013年ですね。リスナーズサークルの新歓コンパに行ったら、結構お洒落な感じの音楽好きが多くて。みんなFlying lotusとか聴いてるみたいだったので、「Flying lotusあんま良くない、分からない」という趣旨の発言をした途端ハブられてしまいまして笑 そんな時、違うサークルの新歓コンパで会った、JIVドラムの小野くんが話しかけてきてくれて、2人でバンドを組むことになりました。

宅:現在はスリーピースバンドですよね。

相:2ピースのNo Ageスタイルは難しくて、同じサークルの先輩にベースとして加入してもらいました。

宅:相馬くんってもしかしてめちゃめちゃ若い?笑

相:最近やっと合法的に飲酒が可能になりました笑

宅:ひえ~!では、続いては、そんな相馬くんの人生を変えた5枚のレコードについて話していきましょう。

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Blur『Modern Life Is Rubbish』

相:Blurは人生で一番好きなバンドです。ブリットポップを好きになりかけている時期、OasisとBlurばかり聴いてたんです。最初はOasisの方が取っつきやすかったんですけど、聴きこんでいくうちにどんどんBlurの虜になっていきました。『For Tomorrow』は完璧な曲ですね。

宅:なるほど。僕は『Park Life』派ですね。

相:勿論好きなんですけど、ちょっと派手過ぎますね、僕には。

宅:Blur、新譜出ますね!

相:最高ですよね!グレアムのギターが爆発してます!

宅:グレアムのソロはいかがですか?

相:好きです!『Happiness In Magazines』が一番です。

宅:ガレージパンクが好きでBlurも好き、面白いバランスです

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Replacements『Pleased To Meet Me』

 相:Replacementsは『Let it be』を友達に薦められてハマったんです。掘っていくうちに本作に出会ってやられましたね。彼らのアルバムの中で1番ロックンロールを感じます。バンドの音楽的には『Let it be』のバランス感の方が参考になりますが。

宅:Replacementsはそれこそビリージョーにも影響を与えてますし、初期のパンクサウンドから徐々にルーツミュージックの匂いがしてくる辺りも最高です。アメリカ!って感じがします。

相:それです!アメリカ感!『Pleased to meet me』は最もアメリカ感のするアルバムです!

宅:カントリーやフォークやスワンプ等のアメリカンな要素がロックンロールに帰結していて最高す!

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 The Pains Of Being Pure At Heart『Belong』

相:これは高校の時に好きな女の子とCDの貸し借りをしていて、このアルバムをすごく好きだと言ってもらえたので、凄く思い入れがあります笑 その後、その女の子のウォークマンを借りて、僕の好きな音楽でパンパンにして返したらひかれましたけど笑

宅:JIVからはシューゲイザーの匂いもほんのり感じますよ。

相:あんまり意識していなかったですね。シューゲイザーの要素が少しあるバンドは好きなんですが、もろシューゲイザーみたいなのはあんまり好まないですね~。

宅: 僕も、もろシューゲイザーはあんまりですね。『loveless』とかも全然。ギターが前に出まくったガレージパンクの趣あるバンドが良いすね。それってJIVのことなんですが笑  あ、JIVっていうバンド名の由来は?

相:バンド名を決めるときに、小野くんの筆箱に『jib』って書いてありまして笑 ノリでバンド名に拝借しました笑  その後、jibからJIVになりました。深い意味とかは全然無いんです。

宅:CAPTURED TRACKSの、DIIVっぽい名前だなあ~と思ってました笑

相:そう言えばそうですね笑

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 DOM『Sun Bronzed Greek Gods』

相:これも捨て曲が全くなくて最高です!大学に行かずに引きこもっていた時に良く聞いていた思い出があります。『I wonder』は泣けます!Epを2枚出して解散したところもカッコ良いです。

宅:Dom!また趣が変わってきましたね。シンセを多用した、チルウェイブの文脈を持つバンドですが、確かに部屋で引きこもって聴くに適した、程よいベッドルーム感あります笑

相:音楽と反して見た目がクソ悪そうのも最高です笑

宅:JIVはバンドとして目指すビジョン等はあるんですか?

相:アメリカに行きたいです笑 BURGER RECORDSからカセット出せたら最高ですね!

宅:今回、Miles Apart Recordsからカセットがリリースされましたが、とても素敵なフォーマットでデビューできて、ある意味インディーポップバンドの理想的なデビュー形だなって思うんです。今回Miles Apart Recordsからリリースされていかがですか?

相:Miles Apart Recordsのカセット企画は普通にファンだったので、嬉しいですね。僕らのことをあんまり好きそうじゃない人とかも好きって言ってもらえてる気がするので嬉しいです!Miles Apart Recordsの中の人がすごい良い人だったのも良かったです笑 特定のシーンってよりもいろんな人に良いって言われるバンドになりたいですね。

宅:JIVの音楽は色々なニュアンスを含んでるので、ガレージパンクファンからギターポップファン、パンクファンまで幅広い層に受け入れられると思います。それこそTHE FULL TEENZやCAR10みたいに。

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銀杏BOYZ『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』

宅:!!!

相:思秋期真っ盛りって時に聴いて色々こじらせました笑  いい意味でも悪い意味でも凄く影響受けましたね。

宅:相馬くんの年齢だと、銀杏BOYZは後追いですよね?

相:僕が聴いていた頃には表立った活動はしてなかったですね。Going Steadyは「EXILE好きです」みたいな人とかも好きって言える気がするですけど、銀杏BOYZは何となくクラスでもカースト下位の人が聴いてる感じがします笑

宅:銀杏BOYZは極端すぎるんですよね笑  音楽的な影響を受けてたりはしますか?

相:うーん、歌詞にBUZZCOCKSが出てくる感じとかは影響受けてるかもしれません!

宅:GREEN DAYやDookieも出てきますからね~笑  と、いう感じでそろそろお時間です!本日はお忙しいなかありがとうございました!

:ありがとうございました!

ももいろクローバーZ/青春賦

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「今までホントにごめん!」

一聴するなり思わず頭を下げてしまった。

これは、ももいろクローバーZのニューシングル「青春賦」をカーステレオに差し込み、闇雲に再生した直後の私である。

と、いうのもだ。何故私が国民的アイドルグループの新曲を聴いて心から反省しなくてはならないのか。30歳間近のいい歳こいた大人が、である。

そもそも私は2010年暮れ~2013年初夏くらいまで、重度のももクロファンであった。

ライブがあれば毎回足を運び、シングルがリリースされれば複数枚購入は当たり前。彼女たちが掲載された雑誌は必ず購入し、切り抜いてスクラップを作った。私の部屋からももクロが聴こえない夜はないくらい、没入していたのだ。特に、季節毎に行われたツアーや大型ライブを欠席したことはない。2012年のももいろクリスマスは会社をズル休みして2日間参加したし(2日目は平日だったのだ)、紅白歌合戦初出場はハンカチを片手に固唾を飲んで見守った。しかしながら、2013年の後半から彼女たちの方向性に対して飽和感のようなものを感じるようになる。

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(ハマっていたころの様子)

 

 そもそも、ももクロにとって、新曲をリリースする都度の目玉として、「想像の斜め上をいくコラボレーション」があったはずだ。

『労働讃歌』ではリリックを大槻ケンジ、トラックをTHE GO!TEAMのイアンが担当。続く『猛烈宇宙交響曲第7楽章・無限の愛』ではマーティフリードマンがギターを担当。続く『Z女戦争』はやくしまるえつこによるペンだった。いずれの楽曲もアイドルソングとして(当時は)尖りまくっており、アイドルというフォーマットでポップスの定義を拡張せんとする実験を行っているような塩梅であった。『労働讃歌』はTHE GO!TEAM節炸裂の特撮歌謡ファンク(シンガロング必須のサビ搭載済)、『無限の愛』はプログレ的な展開を見せるシンフォニックメタルだ。また、それらは当時のももクロの爆発的な勢いと相成り、マーケット戦略としても功を奏していたように思える。アイドルとしてスターへの道を5段飛ばしくらいで駆け上がる彼女たちをそのまま象徴するような、挑戦的かつポップスとして段違いのクオリティを持った楽曲ばかりであった。未完成のまま全てを掴んでしまうような凄みに溢れていたのである。彼女たちを好きになっていくスピードと、加速するBPMは確かに比例していた。

しかし、である。彼女たちの本質的な素晴らしさの根源は、そこではないことは分かっていた。他ジャンルを巻き込んだコラボレーション、ましてや奇抜なコスチュームやダンスでもない。彼女たちの魅力は、各々の人間的な魅力及びキャラクターと5人5色のカラフルな歌にこそあったろう。多くのももクロファンは、話題を先行させたコラボレーションより、アイドルとして無限の輝きを放つ彼女達自身の魅力にフォーカスしていたはずだ。トリッキーな楽曲の力に頼らずとも、いや、むしろ普遍的なメロディや展開を持った楽曲たちの方が、そんな彼女たちのカラフルな魅力を伝えきることができていたはずだ。それは初期の彼女たちが取り上げていたカバー曲(今でも頻繁にライブで披露されるものばかりだ)のクオリティにも象徴されるだろう。正直凡庸といって差し支えないポップスも、あの5人が全身全霊で歌うだけで、魂が宿り、ガラクタに魔法がかかる瞬間が幾度となく存在した。

そんなももクロ観を持っていた私は、あまりに飛び道具的なコラボレーションを多用するももクロマーケティングに、いつからか飽和感を抱いてしまった。紅白歌合戦への出場を果たし、コンセプトアルバム『5th Demension』(大傑作!)をリリースした後のシングル展開は、正直首をかしげざるを得ないものばかりであった。5th Demensionの後日談的であった『GOUNN』はまだしも、miwaのペンによる『いつか君が』は世間のももクロへのイメージを表層的に抽出したような薄っぺらいポップソングであったし、怒髪天が演奏する『ももいろ太鼓どどんが節』も中途半端極まりない駄曲であった。その後のリリースにおいても、似たような感想を私は持つ。要するに、スベっているのだ。中島みゆきや、広瀬香美や、THE ALFEE高見沢や、KISS。旧時代のJ-POPスター然としたmiwaだってこの際そうだ。

「面白くないし、平成初期的なセンスが裏目に出てるよ!トリッキーなコラボ陣と勢い溢れる頃のももクロが科学反応を見せた時期もあったけど、誰もが認める国民的アイドルとして定着した彼女たちに、もうそういったコラボの類はいい加減必要ない!」マネージャーである川上さんのTwitterに送信する一歩手前で冷静さを取り戻したこともあった。とにかく、シングル展開においても、ライブ演出においても、突拍子も無い芸能人の登場なんて求めてない私はいつからか彼女達への興味まで失いかけていた。ファンクラブの更新も行う事はなかった。ライブも、国立競技場ライブ以降は足を運んでいない。

 ところが、本作はどうだろう。2015年シングル3部作の2番目として位置づけられた本作は、彼女達の主演映画『幕が上がる』のタイアップであるというトピックを差し引いても、本来の彼女たちの魅力をそのまま抽出したような煌びやかなポップソングが4曲も配されている。

何となくCMで聴いた表題曲の持つ普遍的なニュアンス(それは制服という、ある種アイドルとして普遍的な形式を伴ったアーティスト写真にも象徴される)に、忘れていた何かを一瞬で取り戻した私は、夜の11時に近所のワンダーグーに駆け込む事になる。急いで本作『青春賦』の通常盤を見つけ出し、車のステレオで鳴らしたのだ。恥ずかしながら、目頭が熱くなった。1曲目に収録された表題曲のテーマ自体は陳腐なものだ。「思い出が勇気に変わる」 AKB48が歌い出しそうなフレーズだ。卒業がモチーフになっている。でも、それでいいのだ。シンプルなテーマにシンプルなトラックを与えるだけで、彼女たちの本質的な魅力が最大限に輝くのだ。私がずっと聴きたかった、私が大好きであったももクロに再び出会えたような気がして、嬉しかった。

2曲目こそ、無印時代の代表曲『走れ!』のリアレンジであるが、続く『行く春 来る春』『Link Link』も『走れ!』に通底するムードが流れており、テクノポップ風味が効いた王道のキラキラ青春アイドルソングである。リリックも、彼女たちが感情を込めやすいであろう青春の機敏がテーマだ。素晴らしい!

完全に息を吹き返した私が、再びももクロのライブに殴り込みをかける日はそう遠くないはずだ。そうして私は彼女たちに謝ろう。

「今までホントにごめん!」                  

川田晋也(CAR10)×安孫子真哉(KiliKiliVilla)インタビュー

 CAR10のセカンドアルバム『RUSH TO THE FUNSPOT』の発売を記念して、今回はCAR10のボーカル・ベーシストであり、ソングライターでもある川田晋也と、彼らの所属するレーベルKiliKiliVillaを主宰する安孫子真哉のインタビューを行いました。

川田宅にて謎のミックス活動に勤しむ2人を強引に連れ出し、群馬県太田市内にある某居酒屋にてインタビューを実施。話はCAR10の新作から川田くんのソングライティング、果てはディープなバンド談話からレーベルスタンスの話にまで波及。KiliKiliVillaウェブ上で公開されているCAR10公式インタビューと合わせてご覧くださいませ。あくまでこちらは’’裏’’インタビューです。

 

 

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前回参加させていただいたCAR10公式インタビューに続いて、今回はメンバーである川田くんとレーベルオーナーである安孫子さんにお話を伺いたいと思います。宜しくお願いします!

川田晋也(以下、川):宜しくお願いします!

安孫子真哉(以下、安):けむちゃん(宅イチロー)は異常性欲者だからね…笑

いきなり何て事を言うんですか!笑 今日はCAR10の新作の話を肴に、色々なお話を聞かせていただければ。

川:俺の作る曲、元ネタがある時もあるんですよ。多分全然分からないから、バラしても良いんですけど。自分で聴いてても、「俺何でこの曲元ネタにしたんだろ?」って分からなくなりますからね。

CAR10のファースト(Everything Starts From This Town)が出た時も、割と色々な人が感想をツイートしてたりしたんですよ。CAR10の音をポップパンクって表現してる人がいて少し驚きましたね。

安:流れで言ったら仕方ないし、広義で言ったらポップパンクなんじゃない?

川:難しいですよね。確かにポップパンクも好きですけど、あんまり影響等は無いかもしれないです。

CAR10はインディーポップ方面のリスナーからも支持されていて、そのバランスが面白いな、と。

安:俺もそれは聞きたいとこかなー。川田くんは自分の曲はどう分析してます?最高ですよね?笑

川:いや、CAR10の曲はそんな好きでもない気がします笑 suueat.(川田くんの別バンド)の曲は自信あるんですけど、CAR10の曲は自信無いんですよ笑

安:(爆笑)

CAR10の曲は、川田くんが原型を作って、スタジオで他の2人(櫛田、永井)が肉付ける形ですか?

川:ギターで一曲作って持っていったものを、櫛田のセンスでアレンジして、あんなぶっ飛んだ音にしてもらって。ドラムはほぼ任せてます。参考音源を聴かせたりもしますね。持っていった原曲から毎回ほど遠くなるのが面白いです。

あの最高過ぎるギャングコーラスは誰が作るんですか?

川:それも俺ですね。俺、割と几帳面なんでコーラスはキチッと歌って欲しいんですよ。でも、あの2人は自由なんで、俺の思うようなコーラスをしてくれない笑  自分が「こういうコーラスして」って頼んだのが、いつのまにかいつもああいうコーラスになってるんですよね(笑) でも、そこがイイって言ってくれる方が増えてきて驚いてます。

今日、僕色々質問考えて紙に書いてきたんですけど、それを嫁の実家に忘れてきてしまいまして…笑

川:超意味ないじゃないですか笑

今回の新作の収録曲について、特定の影響源などあるんですか?

川:ありますね。例えば、1曲目の『Bastard Blues』。これはandymoriとTHE CLASHをイメージして作りました。

安:そうだよね。最終的に全然別物になってるけど。

川:2曲目の『Always From A-Town』はWeezerが好きで作りましたね。

安:ああ、完全にそうだね!ちなみに、4曲目の『K Gotch』は川田くんのお家で飼ってた愛犬の歌なんだよね。川田ゴッチ。

感傷的な歌詞だなあ、と思ってたんですが笑 今はなき愛犬へ捧げた歌だったんですね。

川:そうです笑 あと、9曲目の『Rambunctious H-Kun』、これはHi,How are you?の原田くんの事を歌った歌ですね。H-Kunは原田くんです。2日くらい前に原田くんからメールが来て、「やっと気付いた、これは俺の曲だ!」みたいな事を言われました笑

安:(爆笑)

川:最初は「K Gotch最高!」みたいなメールが来てたんですけどね笑 全部の曲に元ネタみたいなのがあるのかって言われたらそうでもなくて、昔バイトをしてた時に浮かんだメロディをケータイに録音して曲を作ったりもしてましたし。

安:あ、じゃあ今回の新作の曲はかなり昔に作った曲もあるんだ? 

川:それもありますね。今の仕事に就いてからは、「トイレに駆け込んでケータイに鼻歌を吹き込む」事ができなくなってしまったんです。周りの作業音がうるさすぎて笑 音楽以外だと、11曲目の『Daily swamp』は漫画の『日々ロック』を意識して作ったんです。2011年くらいの秋葉原でのライブの後に泊まった漫画喫茶で日々ロックを読んで、家に帰ってから直ぐに作ったんですよ。しばらくお蔵入りしていたんですけど、新作に収録しましたね。

安:仕事中に浮かんだアイディアをすぐに記録に残しておけないのは、作曲者として歯がゆいところもあるでしょ?

川:そうなんですよ。最近の作曲方法なんですけど、よく練習で使ってる足利SOUNDHOUSE PICOのスタジオの外にギターが立て掛けてあるんです。練習の開始時間の20分くらい前にスタジオに行って、あわててそのギターで作曲して、その日の練習でメンバーに出すんです笑

安:それであんなに良い曲できるの!?不思議で仕方ない笑

川:『Bastard Blues』は完全にそのやり方で作曲しましたね笑 「これいけるかなー」くらいのノリで作ったら、意外と良かったっていう感じです。元々、THE CLASHの『Jimmy Jazz』が好きで。イントロのリフから派生させて、形にしていきました。

ちょっと質問を変えちゃうんですけど、川田くんの歌詞の書き方についてお聞きしたいです。

川:歌詞は適当なんですよねー笑 その時その時で思ってることを書いてるだけなんですけど。

英語と日本語のバランス感も好きなんですよ。『Bastard Blues』は英語で歌い上げたところにラストで日本語がガーッと入って、それがまた凄く良い詞で。

川:うーん。

安:全編を日本語だけでストレートに歌うのも恥ずかしい感じがあるんじゃない?何だろう、気恥ずかしさというか、「自分の思ってる事をそのままで伝えたい」みたいな願望は少ないんじゃないかな。

川:うーん。

安:自分の中で勝算の無い事はしたくないでしょ?

川:それはありますね。ちょっとでも疑問に思う事は絶対にやりたくないです。自分にとって恥ずかしいと思えちゃう事はやらない。例えば、『Always From A-Town』はアルバムに入れるつもり無かったんですよ。安孫子さんの熱烈なリクエストもあって、収録したんですけど笑 俺達からしたら、「この曲ちょっと恥ずかしくない?」みたいなところもあったんです。

CAR10の場合、自分達が気に入らない曲なのに、他者からの評価が高い事も多いですよね。

川:それはあります。自分達でボツにしようとしている曲を聴かせてみたら凄く評判良かったり。

安:櫛田くんはアルバム発売の1か月くらい前に「あれ?『Always From A-Town』が1番良い曲っぽい!」って言ってたよ笑

川:マジですか笑 『Always From A-Town』はSAUNA COOLのコンピレーションアルバムに提供した曲が原型なんですよね。作った直後はメンバーの間でも大不評で、ライブでもやっていなかったんです。セカンドアルバムを作るにあたり、曲のストックを安孫子さんに片っ端から聴いていただいた時に、「この曲を長く展開させて録音したら面白いんじゃないか」とのご指摘を受けまして。

あ、アルバムを作る段階では『Always From A-Town』は出来ていなかったのですね。

川:出来ていなかったですね。

歌詞についてもう少し掘り下げて聞かせてください。川田くんは「地元」について歌う事が多い、と感じているんです。先ほどお話に上がった『Always From A-Town』だったり『Everything Starts From This Town』だったり。やはり、ヒップホップでいう「地元をレペゼンする」みたいな意識があったりするんでしょうか?

川:単純に、足利でしか遊んでないって事が大きいですね。

安:CAR10からは、野心みたいなものを全く感じないからね。あくまで自然体。俺はそういうところもキュンときている笑

川:『Everything Starts From This Town』はタイトルこそ前向きなニュアンスを受けますけど、歌詞は違くて。とても慕っていた足利の先輩が失踪してしまって、「あの人はもうこの街にいなけれど、それでも俺達はここでやっていかなくちゃ」っていう気持ちで書いたんです。

なるほど。「東京には負けない」みたいなヒップホップ的な価値観で扱う「地元」とはまるで違いますね。

川:ヒップホップで思い出したんですけど、俺歌詞とかはキミドリとかの影響とかも大きいかもです。

キミドリ!

川:歌詞とかに自分の考えてたことと似ているとこがあったりして。

キミドリのどんな部分に惹かれますか?

川:ノーマルな感じがするところですかねー。『自己嫌悪』は自分の中でバイブルみたいな曲です。あとは、SHUREN THE FIREとか。

SHUREN THE FIRE!めちゃめちゃ好きだったラッパーです笑

川:マジすか笑 SHUREN THE FIREの『111Helicopter 』って曲が凄く好きで。歌詞も超良いんですよ。キミドリと一緒で、ノーマルな人がちゃんと人らしいこと言ってる感じがすることに影響受けました。SHUREN THE FIREは昔桐生にもライブしに来てたみたいで。

キミドリやSHUREN THE FIRE等ヒップホップからの影響も濃い、と。

川:そうですね。andymoriも超好きなんですけど、歌詞からの影響は少ないなあ。あ、あとはツトムさん(A PAGE OF PUNK)からの影響は確実にあります。ツトムさんが教えてくれた詩人で、黒田三郎さんと萩原恭次郎さんっていう方がいるんですけど。そういう人たちの詩を読んでたら、あ、どんな下向きでも自分の言葉を形にするのが大事なんだなーって。黒田さんの言葉も、ノーマルな感じがして、自分たちに近しい言葉で、だからか読んでて一緒に落ち込めるというか(笑)

英語と日本語の歌い分けは?

川:歌ってて恥ずかしいか恥ずかしくないか、それだけです笑 歌っててしっくり来たら日本語でいいけど、しっくりこなかったら英語にする。そんな感じです。出来るのなら全部日本語で歌いたいなって思ったりしますけど、そこまでの技量は無いです。

安:気合が先行してないんだよね笑

川:歌いたくなくなったらそれで終わりなので。日本語でも英語でも歌いたいこと、歌える範囲のことしか歌いたくないです。下手したら『Bastard Blues』の歌も危ういですよ、自分の中では笑 紙一重ですね。だって、『Daily Swamp』の歌詞なんて超手抜きですよ笑

安:それ、大丈夫?笑

川:PRESSURE GROUP(川田くんの宅録ソロユニット)でボツにした歌詞を使ってます笑 

安:川田くんはCAR10にsuueat.にPRESSURE GROUPと、色々な名前で音楽作ってるんだよね。創作は生活の真ん中にある感じ?

川:職場も鉄工所なので、毎日何かしら作ってますよ笑 

鉄を作るか曲を作るか笑

川:そんな感じです笑

新作は安孫子さんが主にミックスを担当されたと思うのですが、その辺りについてもお話が伺えれば。

安:ミックスはねー、力技だったね笑 CAR10のセカンドアルバムを制作するに当たって、色々考えたの。このちょっとローファイな謎サウンドにする上で。CAR10は色々な出会いを踏まえてきた中で、その時その時の環境で自然に作品を創ってきたと思うの。なので、彼らの今までの流れを一切遮断するような事をするのはダサいと思った。今までと地続きでより良いモノを作りたかった。自分達で出来る範囲で皆で盛り上がってサウンドを作る事が現時点ではベストなんだと判断しました。それが世間にとって最高なのか、分からないけれども、私なりにCAR10のストーリーを尊重した上でミックス、作品創りをさせて頂きました。

川:安孫子さんはPRESSURE GROUPの音とかも聴いてくれてるんで、俺の好きな音のニュアンスは抑えていてくれていたと思うんです。

安:そうそう。

川:安孫子さんがミックスしてくれた出来上がりの音を聴いて、一発で最高だと思いました。

安:音響的には、割と冒険なんだけどね笑

川:俺も安孫子さんがミックスしてくれている時一緒にいたんですけど、あぐら掻いてただけです笑

安:けむちゃんはどの曲が好き?

僕は『Temptation』ですね。ガレージ版大滝詠一だと思ってます。

安:おおー笑 確かに天然色だからね笑

川:『Temptation』のコーラスは、櫛田と永井が眠くてどうしようもない状態で録音しているので、適当なんですよ笑 スタジオで『Temptation』を練習する時も、彼らはコーラスを覚えていないんです笑

新作の反響はいかがですか?発売日には、僕のTwitterのタイムラインがCAR10への賞賛だらけでしたよ。

川:マジっすか笑 実際全然実感無いですね。リリースしてからあまり友人にも会ってませんし、反響を肌で感じる事が少ないです。

JETSET RECORDS等でも売れ行きが良いみたいですね。

安:マジ?イエーイ!(川田とハイタッチ)反響、全然分からないんだよね笑

僕、常日頃ネットばかり見てるので笑 「パンクもインディーもほんのちょっとずつかじってます」みたいな方も買ってるみたいです。

安:取り扱っていただいてるディストロさんや各地のレコード屋さん、聴いて下さってる皆様本当にありがとうございます。

 今回、やたらMV作ってませんか?

川:完全にノリですよ笑

安:ノリだよノリ!笑 実はまだまだ作る予定あるからね!笑 KiliKiliVillaの次作のリリースまで割と間隔空くから。幸いにも「一緒にMV作りたい」って言ってくれる方々がいるのは本当に有難いです。MVを作った曲をみんなリード曲みたいに捉えるんだろうけどさ。

今回これだけMVが出来ていると、リード曲ってレベルじゃ計れないですね笑

川:もはや1番推したい曲がどれだか伝わっていないですね笑

最近どんな音楽好きなんですか?

川:もっぱらVENUS PETERですね。

安:俺、分かるわ。CAR10の新譜のミックスしてる時に気付いたの。「このメロディの感じ、何か知ってるなあ」って。そこで連想したのが、『SPACE DRIVER』の時のVENUS PETERなんだよね。

川:嬉しいですね。今ガッツリ聴いてるのは2006年にリリースされた『Crystalized』です。

VENUS PETERが再結成してからのアルバムですね。

川:そうですね。再結成後の音源は全部凄まじいです。完全に持っていかれますよ。去年出たep(Nowhere ep)なんて、もはや現行の若いバンド全部潰しにきているような(笑)。マッドチェスターとか、過去のサウンドだけじゃあなくて、現行の音なんですよねちゃんと。こういう年の積み方をしたいなって本当に思います。あとは、俺ずっとMan The Hunterが好きなんですよ。

Evan Doeringの宅録ユニットですね。

川:それです。自分がPRESSURE GROUPの曲で打ち込みとか入れるのは、Man The Hunterからの影響ばっかりです。自分がミックスCD作る時もMan The Hunterは必ず入れます。そのくらい好きです。

ノーチェックだったんで聴いてみます。好きなバンドの方に薦められた音源聴くと、もれなくハマっちゃう事が多いので。

安:そういう事だよねー!「誰が紹介しているか」って大事だと思うな。そう思うと、DJって面白いのよ。

川:ああー。

安:「この曲良いでしょ、みんな知らないでしょ」ってスタンスも勿論勉強になるから良いんだけど、「どういう人間が、どういう気持ちで、どんな流れで、曲をプレイするか」ってところが本当に大事。ただの自己満足には興味ない。レーベルも同じ。コンピレーションを作るにしても、そういう価値観の元で動いてるから。

「レーベルをDJ的視点で捉える楽しみ」ってあると思うんです。当然、安孫子さんや川田くんもそういう視点を持ってると思いますし。ただ、それって自分で自分を縛りかねない側面もあるかもしれないですよね。

安:自分の中の「アリとナシ」は明確だから、そこは気にしてないかな。色々観ていく中でそれが逆転するのもまた面白いよね。そこは正直にいきたいです。一緒に作品を創ってくれるバンドのニュアンスをキチンと捉えて、ハマるところだけを抑える。難しくないよ。CAR10に対しても勿論そうだし。

川:俺、安孫子さんから声かかるまで毎日のように「バンドやめたい」って思ってましたよ。

安:初めて一緒にご飯を食べに行った時、ビックリしたよ。川田くん、バンドに対して夢もロマンも持ってないように思えた。凄く冷めてるのに、面白い音楽をやってた。

バンドをやらないと出来ない体験、会えない人々、たくさんあると思います。

川:勿論そうなんです。僕は同年代のカッコいいバンド、NOT WONKやOver Head Kick GirlやThe Sleeping Aides & Razorbladesに憧れてたんですよ。ああいう「ちゃんとカッコいいバンド」になりたくて。「みんな色んな人から褒められてるけど、CAR10はそうじゃないな」って思って、劣等感を感じてました。

全然そんな事ないと思うんですが。

川:そういう思いもあって、バンドを辞めたい気持ちがあったんです。でも、安孫子さんと出会ってからそういう事は一度も思わなくなりましたね。安孫子さんが俺達のことを好きでいてくれてるという事は、大きな自信です。suueat.を再始動したのも、その自信が持てたからなんですね。

suueat.は従前より組んでいたバンドなんですね。

川:そうです。バンド名は違うんですが、地元の仲間と組んでいたバンドです。suueat.のメンバーも、活動再開してからライブを楽しんでるみたいです。

安:DiSGUSTEENSの下地さんも仰ってたけど、「こんなに色々あるのに何故それでもバンドを続けるのか」という問いの答えは「バンドは面白い」なんだよね。バンドやまた様々なやり方で音楽、その文化に関わる事で出来る経験、観れる景色、たくさんあるから。皆様のお陰で本当に充実しております。レーベル始めてから、毎日が楽しくて仕方ないよ。ウッフフフフ!

レーベルオーナーとしての安孫子さんのスタンス、凄く好きなんです。徹底的な現場主義者であって、バンドのライブや新曲を子供みたいに楽しみにしている笑

安:もうそれしか楽しい事ないからね笑

(ここで、店内で流れる有線がAZTEC CAMERAに変わる)

一同:おおーー!

川:これはミラクルですよ。

安:さっきまで小田和正だったからね。

CAR10みたいにパンクの文脈から飛び出して、所謂インディー畑のリスナーからも支持されるバンドって本当に貴重ですからね。AZTEC CAMERAもバックグラウンドにはパンクの文脈があって、ネオアコというフォーマットの旗手になったわけじゃないですか。

川:いやー、日本人の嗜好を踏まえても、僕らマニアックですからね。

安:ほら、イギリスではCHEMICAL BROTHERSとかがナショナルチャートの首位をとったりさ、タクシーのラジオからOASISが流れてくればおっさんの運転手も乗客も大合唱で。フットボールのスタジアムではSTONE ROSESだったり。アメリカのレコード屋さんではREPLACEMENTSが流れれば何処もかしこでも口ずさんで。そんな話しいくらでも聞くじゃない。ちゃんとみんなの生活に音楽がしっかりと根付いてる。でも、日本はそうじゃない。そういう現実を踏まえたうえでレーベルなりパンクバンドなりを続けていくわけだから。川田くんも俺も妙な野心は無いし、基本的にマスは意識しないところでスタートしてる。なので俺達にとっては、働きながら音楽っていうスタンスが現状最善に近いところかもね。世捨て人みたいになるのでなく。

生活と音楽のバランス、難しいですよね。

安:色々な人とこういう話してみたけどねー。

川:バンドとしての理想って、俺の中ではTheピーズなんですよ。

安:Theピーズ最高だよねー。

KiliKiliVillaのオリジナルリリース第1弾としてCAR10を選ばれて、いかがですか?

安:うん、最高。大好きだからね。ほら、CAR10ってパンクにもインディーロックにもいけちゃうじゃん?その一義的には捉えられない感じが重要で。KiliKIliVillaのレーベルスタンスとしてもドンピシャです。後は遊んでてもめっちゃ楽しい笑

確かに、レーベルイメージを決定付ける上で、最初のリリースってとても大事ですよね。

安:大事大事!CAR10のリリースが決まって、ほんとガッツポーズだったよ。「最高のスタートだ!」って思った。無事にそして本当に最高の作品をリリースできて光栄です。

川:2月15日に新代田FEVERで行われるレコ発イベントの練習も今しているところです。新作からの曲を中心にいつもより長めに、いつも通りに、やらせていただきます。宜しくお願いしたいです。

 

CAR10リリース!

 

CAR10-RUSH TO THE FUNSPOT

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品番:KKV-006
定価:1,800円+TAX

01.Bastard blues
02.Always from A-town
03.Kettle
04.K Gotch
05.Helen
06.Mr.K Experience
07.Lullaby K
08.RM
09.Rambunctious H-kun
10.Temptation
11.Daily swamp
12.E
13.RUSH TO THE FUNSPOT
14.BBC is best playground

 

KiliKIliVillaリリース!

 

“While We’re Dead. : The First Year”

KiliKIliVilla初のファンジン付きコンピレーションCD。
2015年4月22日発売、初回生産限定1,000枚。
品番:KKV-004FN 2,500円(税抜)

・参加アーティスト(全13アーティスト、アルファベット順)

CAR10(足利)
Hi,how are you?(京都)
Homecomings(京都)
Killerpass(名古屋)
LINK(横浜)
MILK(名古屋)
NOT WONK(苫小牧)
odd eyes(京都)
OVER HEAD KICK GIRL(札幌)
SEVENTEEN AGAiN(東京)
SUMMERMAN(吉祥寺)
SUSPENDED GIRLS(広島)
THE SLEEPING AIDS & RAZORBLADES(札幌)

 

ライブ!!

 

2.15 SUN

新代田FEVER

KiliKiliVilla presents

-CAR10 ‘RUSH TO THE FUNSPOT発売記念ライブ-

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CAR10

NOT WONK

SUMMERMAN

suueat.

マヒトゥ・スリー・フォー・ファイブ(From GEZAN)

Homecomings

 

OPEN 16:30 / START 17:00

ADV ¥2,000 +D / DOOR ¥2,500 +D

 1月15日よりイープラス、ローソンチケット、FEVER店頭にて発売開始

ローソンチケット Lコード:78601

 

3.21 SAT

八王子Rinky Dink Studio 2nd 8st

mostoff presents

-offseason release party-

 

offseason

SHIPYARDS

FALLS

東京スーパースターズ

CAR10

 

OPEN 17:15 / START 17:30

¥1,500

 

 

 

【Somehow,Somewhere】Homecomings福富くんインタビュー

 

Anorak citylightsのインタビューシリーズ、第6回はHomecomingsのギタリストであり、ソングライターでもある福富くんの登場です!個人的にHomecomingsの大ファンでございまして、今回のインタビューはまさしく待望のものであったと言えます。

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(左端が福富くん)


2014年末にリリースされた『Somehow,Somewhere』は彼女たちのポテンシャルがささやかに放たれた最高のアルバムです。まずは私による駄文をどうぞ。あ、明けましておめでとうございます(遅い)。


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Somehow,Somewhere

鈍感なリスナーであっても、本作において彼女達を「ジャングリーなギターポップ」と形容する事は不可能だ。「青春」や「甘酸っぱい」という形容も不要である。彼女達は一部のインディーポップファンの慰み物に留まる事を許さなかったのだ。

無闇な全力疾走をすることなく、景色を眺めながら軽快に歩くようなビート感で本作は進む。従来よりも明らかにBPMを落とし、歌やメロディに寄り添うような、歌やメロディが寄りかかるような、柔らかいアレンジのポップソングが続いていく。さながら、夕暮れ時の帰り道、目の前を過ぎていく家々の生活を次々に想像するような風合いである。家族団欒の笑い声や、バラエティ番組の効果音、カレーライスの匂い、色鮮やかな庭のイルミネーション。目に映る生活の断片を拾い上げながら、知らない誰かの事、自分の事を考えてみたりする。イヤホンから聴こえるメロディが心地よくて、普段は通らない路地に入ってみる。足音と雑踏とメロディがイヤホンの中で溶け合い、思わず鼻で歌ってみようものなら、それはまるで福音のようであったのだ。夜道に佇む街灯、もしくは冬の日に飲むバンホーテンのように暖かな幸福が胸をすく。本作に収められた10''うぃんたぁ~ぎふと''は、家路を遠回りする若者の鼻歌であり続けることだろう。何年後も、何十年後も。

 

それではHomecomings福富くんが選ぶ『Somehow,Somewhereに影響を与えた5枚のレコード』『福富君の人生を変えた5枚のレコード』についての対話です。どうぞ!

 

宅イチロー(以下 宅):新作、聴かせていただきました。至るところで言われているでしょうが、素晴らしいアルバムだと感じています。僕は本作を「セカンドアルバム感のあるファーストアルバム」だと解釈しました。デビュー作『Homecoming with me?』をファーストアルバムだと捉えれば本作の持つセカンドアルバム感は納得できますが。従来よりも明らかにBPMを落とし、歌やメロディに寄り添うような、また、歌やメロディが寄りかかるような柔らかいアレンジの曲たちにやられています。今回はそんな本作を制作するにあたり影響を受けたレコードと、福富くんの人生を変えたレコードについて聞いていきたいと思います。宜しくお願いします。

 

福富くん(以下 福):ありがとうございます!まさにセカンドアルバムを作っているような気分でした。「前作から変わりすぎているかもなあ」と思ったり、逆に「前作からの流れでこういうアルバムを出す事ってありきたりな気もするなあ」なんて思ったり、少しの葛藤もありましたね。しかし、「その時々の自分達のモードを素直に鳴らすのが良い」という結論に至りました。

 

宅:なるほど。自分達のやりたい事に素直に従った結果、従来の所謂「ジャングリーなギターポップ」と形容されるサウンドと一線を画す作品に仕上がったわけですね。本作はインディーポップリスナー外からも幅広く受け入れられる作品になっていると思います。例えば、aikoさんのリスナーとか。

 

福:aikoの『暁のラブレター』というアルバムがめっちゃ好きでした笑

 

宅:それでは、『Somehow,Somewhereに影響を与えた5枚のレコード』について教えてください!

 

PAVEMENTTerror Twilight

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福:前作を作ってからというもの、「自分は一体どんな音楽が好きでどんな音楽をやりたいのかな」ってちょっと悩んでいた時期がありまして。というのも、僕たちHomecomingsは大学の部活動の一環で組んだバンドだったので、特に大きな目標があったわけでもなかったんです。同時にいくつもバンドを掛け持ちしていたところ、運よくSECOND ROYALというレーベルに見付けていただいて今の状況があるわけです。そんな感じだったので、ストックしてた曲を出し尽くしてしまった後は全然曲が作れない時期に突入してしまったんですけど、たまたま棚から引っ張り出して聴いたこのアルバムに何故か大感動してしまいまして。「こういう感じのものがやりたい!」と素直に思えましたね。「自分が好きなのはUSインディなんや!」と再認識できたんです。

 

宅:なるほど、PAVEMENTの本作は、バンド史上最もメロウ、ラストの『Carrot Rope』で不思議な大団円を迎える素敵なアルバムです。

 

福:ちなみに、僕らの新作に収録されている『Somewhere』という曲はPAVEMENTStephen Malkmusの色々な曲を参考に作りました。

 

Smashing PumpkinsMellon Collie & The Infinite Sadness

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福:これは、PAVEMENTと同じ流れで聴き返して感動した1枚ですね。元々は高校生の時に買ったんですけど、当時は『Tonight Tonight』の次にヘビメタみたいな曲が入っている事がショックで、あんまり聴いてなかったんです。『1979』最高す!

 

宅:『Tonight Tonight』の次の曲は『Jerrybelly』ですね笑 確かに前曲からの流れで聴くと消沈します笑 よくよく聴いてみますと、確かにHomecomingsの新作からはUSオルタナの歌ものからの影響を感じます!畳野さんの歌がオルタナ感を良い具合に中和していますね。

 

土井玄臣『the illminated nightingale

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福:これは夜をコンセプトにしたアルバムなんですけど、その「夜」というキーワードが、前述したPAVEMENTSmashing pumpkinsと繋がったんですね。アルバムの構想が一気に広がりました。

 

宅:福富くんが、「夜を散歩している時に聴きたくなるようなアルバムを作った」というエピソードからも象徴されるように、本作はサウンドモチーフやアートワーク、リリックからも夜を連想させます。その「夜」は決して賑やかで華やかな夜ではなく、ひとりでぼんやり考え事をしたり、コンビニに飲み物を買いに行く時のような、一人なんだけど寂しくもないような夜の事なんだ と感じました。長々とすいません笑

 

福:まさしく、Anorak citylightsの紹介文にある「些細な日常とくっついて離れない音楽」っていう感じですね、本当に。毎日夜の帰り道に道草くって、ウォークマンを聴きながら家の周りをぐるぐる周っている感じです。友達にodd eyesってバンドがいるんです。彼らの曲に「家まで遠回りさせる音楽」っていう歌詞があって、そんなアルバムが作りたかったんです。

 

Hi,How are you?『にこいち白書』

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福:このアルバムは僕らのアルバムと同じ1224日に発売されたんです。影響を受けたアルバムとは少し違うのかもしれませんが、ハイハワとは本当に仲が良くて、原田くんの歌詞にある ちょっとした寂しさだったり、出てくる夜の感じだったり、本当に大好きで大好きで仕方なくて。今回のアルバムで僕は初めて歌詞を書いたんですけど、原田くんを意識しました。僕たちは「夜と町」をテーマにしましたが、ハイハワの曲の中に出てくる男の子や女の子もきっと同じ町に住んでる気がします。

 

宅:Homecomings周辺のバンドには本当に素晴らしいバンドが多いんですが、ハイハワの原田くんと福富くんはお互いに影響を受け合っているんだろうな、と感じます。同じ世界を別の角度から見ているミュージシャンが近くにいて、素敵です。

 

福:CAR10odd eyesHi,How are you?yogee new wavesという同年代のバンドがいて、お兄さん世代にはシャムキャッツやミツメ、スカートがいて。後輩にはTHE FULL TEENZShe Saidがいます。我ながら恵まれた環境にいる、と思います。

 

映画『GHOST WORLD』『THE TRUEMAN SHOW』『NIGHT ON THE PLANET

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福:最後はレコードではなく映画です。「夜と町」の映画です!

 

宅:挙げていただいた3本はいずれも微妙に違ったニュアンスを持つ映画だと思います。福富くんは歌詞を作るに当たり、映画からの影響が大きいのでしょうか?

 

福:どうしても伝えたい!という明確なメッセージがあるというよりは、些細な日常の景色や そこに存在するちょっとした物語みたいなものを歌詞にしたい、と思っています。なので、どうしても好きな映画や小説からの影響が出ちゃいますね。

 

宅:続いては、『福富くんの人生を変えた5枚のレコード』です。

 

スピッツ『フェイクファー』

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福:スピッツに関しては、音楽を聴くようになったキッカケのバンドでもあります。本当に大好きですね。1枚を選ぶのはとても難しいのですが、あえて選ぶなら『フェイクファー』ですね。もしくは『ハヤブサ』です。去年遂にスピッツのライブを観ることができて号泣しました笑

 

宅:『フェイクファー』、1曲目から完璧ですよね。本作は割と柔らかい印象のスピッツですが、少し内省的な雰囲気を持つ『ハヤブサ』を好まれるのは意外です。スピッツのようなスタンスでバンドをやれるのはとても健全だなあ、とも思います。彼らは現在進行形で素晴らしいアルバムを作り続けていますしね。

 

福:『フェイクファー』も『ハヤブサ』も、Smashing Pumpkinsの『Mellon Collie & The Infinite Sadness』のように、センチでグッとくる曲とハードな曲とで好みの差があります。『さらばユニバース』とか『アカネ』とか『HOLIDAY』のグッとくる感じ、たまりません!

 

BEAT CRUSADERSP.O.A

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福:中学1年生の時に初めてビークルの曲をラジオで聴いたんです。確かNHK-FMの『ミュージックスクエア』って番組のエンディングテーマが『LOVE DISCHORD』だったんですよ。もうぶっ飛びました。それに、ビークルのヒダカさんがSPACESHOWER TVの番組等でUSインディのバンドやNEW WAVEバンドを紹介していて、本当に影響を受けましたね。洋楽にハマるキッカケでした。

 

宅:なるほど。確かにヒダカさんは意図的に音楽への入り口を作ってくれていた感じがしますそれこそMTVポップみたいなものからハードコアパンクまで。

 

銀杏BOYZ『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』

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福:これは僕が中学1年生の時の冬休みにリリースされたんですよね。もう思春期直撃!って感じでした。高校生の頃はカッコつけて『DOOR』の方が好きだって言ってたんですけど、やっぱり僕はこっちが好きですね。曲単位だと『ナイトライダー』が1番好き。直接的な影響の話になると、ギターの弾き方にそれが顕著です。ハイハワの原田くんも銀杏BOYZ大好きなんですけど、僕も原田君もギターのコードを弾く時に小指でカチャカチャ音を足す癖があるんです。これはチン中村さんの影響ですね。あとは、ヒダカさんと同じで、洋楽にハマるキッカケも銀杏BOYZです。峯田さんのブログに毎回載ってた『今日のおやすみBGM♪』がそうですね。

 

宅:中学1年生で銀杏BOYZは刺激が強い気もしますね笑 福富君の雑食感の原点は彼らだったんですね、納得しました。

 

福:「青春パンクってジャンルがあるのか。これはハマりそうだぞ」って意気込んでTSUTAYAで青春パンクのアルバムをたくさん借りたんですけど、全くハマれなかったのを覚えています笑 去年リリースされた銀杏BOYZのアルバムもめっちゃ良かったです。最初は戸惑いましたけど笑

 

宅:銀杏BOYZは所謂青春パンクとは全く別物でしたもんね笑

 

福:そうなんですよ笑 なので、正直Going Steadyはそんなにしっくりこないんです。元メンバーの安孫子さんと普通に「どうもー」なんて挨拶できるようになって、感激です。

 

WeezerPinkerton

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福:銀杏BOYZやヒダカさんを経由して知った音楽で1番大きかったのが彼らです。Weezerは本当にたまらないですよ。アルバム後半『Across The Sea』からの流れ!THE FULL TEENZの伊藤ちゃんも言ってましたけど、本作のデラックス盤がメチャメチャ良いです!夜の散歩にマッチします、特に冬!

 

宅:『Pinkerton』までのWeezerB面曲も名曲だらけですもんね。福富くんの思う「良い音楽」の基準に、「散歩との親和性」が大きいですね。

 

福:ファーストアルバムである『Weezer』のデラックス盤に入ってる『Mychel And Carli』も最高ですよね!僕は散歩している時に音楽を聴くことが多いので、自ずとそうなってしまうのかもしれませんね。

 

PASSION PITChunk Of Change

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福:PASSION PITのファーストEPです。割と地味な印象で捉えられている節もあるし、意外な感じかもしれませんが、本当に大好きな1枚です。手作り感が物凄く、そこもグッとくるポイントです。PASSION PITTHE DRUMSが出てきたのが、ちょうど僕が高校3年生の終わり頃だったんです。クラスメイトの嶋崎くんと毎日のようにCD貸し借りしていました。あの時期の洋楽の盛り上がりがあって、『SNOOZER』もちゃんと買って読むようになって、石川県のド田舎に住みながら音楽の幅が一気に広がっていくあの感覚は未だに覚えています。ワクワクしました!

 

宅:『SNOOZER』購読からの、近年における田中亮太さんとの邂逅も感慨深いですね!PASSION PIT、めちゃめちゃ意外です。正直、Homecomingsの音楽からは予想だに出来ませんでした。MGMTVAMPIRE WEEKENDが出てきたのも、福富君が高校3年生の時だった2007年くらいですよね。なるほど、その辺りのインディーポップも福富君の重要なルーツに当たるわけですね。

 

福:あ!あと、あれです!YOUR SONG IS GOOD!ユアソンです!ユアソンのJxJxさんにもめちゃくちゃ影響受けてますね。何回もライブを観に行っては、その度にサインしてもらってました。JxJxさんのミックスCDも最高なんですよ。ブログとか連載の類もほとんどチェックしてました。2008年に『THE ACTION』が出た時の興奮はヤバかったです!「一生ついていきます!」って思いました笑

 

宅:『THE ACTION』でパンクに回帰する流れはあまりにカッコ良かったですよね笑 それこそJxJxさんって尋常じゃないくらいレコード掘ってる方ですけど、鳴らす音楽はあくまでポップで最高です。

 

福:JxJxさんがカッコいって仰るもの全部カッコ良く思えちゃう感じありますよね。僕らが初めてFUJI ROCK FESTIVALに出演した時にユアソンも一緒の日で、嬉しかったです。こうやって一緒のイベントに出れたり、安孫子さんがライブに観に来てくれたり、スピッツの草野マサムネさんが僕らの音源を聴いてくれたり、そういう事がバンドやってて1番嬉しいかもしれないですね。

 

宅:え、草野マサムネさんもHomecomings聴いてらっしゃるんですね!凄い!

 

福:僕、宅イチローさんが好きだとツイートしてたTHE PROMISE RINGの『WOOD/WATER』もめっちゃ好きなんですよ。

 

宅:うお!本当ですか!あれこそ長い間僕のお散歩BGMですよ!思わぬところでシンクロできて嬉しいです!

 

福:名盤です!ジャケットがもっと良かったらもっと好きなのになー。

 

宅:ジャケット、輝くチンゲン菜みたいですよね…笑 最後に、Homecomingsのリリースインフォメーションとライブのお知らせです!

 

 

 リリース!

HomecomingsSomehow,Somewhere

01. SETTLE DOWN
02. DANCING IN THE MOONLIGHT
03. GREAT ESCAPE
04. MALL
05. WINTER BARGAIN
06. SOMEWHERE
07. LEMON SOUNDS
08. I WANT YOU BACK
09. PAPER TOWN
10. GHOST WORLD

CD / PECF-1116 / 2,300yen (+tax)
felicity / SECOND ROYAL RECORDS
2014.12.24 RELEASE

 

 ライブ!

2015.01.30[金]

HomecomingsGHOST WORLDTOUR

会場:名古屋・鶴舞K.Dハポン
LIVE
Homecomings / Yogee New Waves / car10
OPEN18:30 / START19:00
  
前売:2,800円(ドリンク代別途要)
チケット予約:K.Dハポン 052-251-0324 / kdjapon@gmail.com
メール予約:ticket@secondroyal.com まで、公演日/イベント名/お名前/枚数を明記ください。
お問い合わせ:K.Dハポン (052-251-0324)
企画・制作:SECOND ROYAL RECORDS 協力:felicity

2015.01.31[土]

HomecomingsGHOST WORLDTOUR

会場:大阪・心斎橋Live House Pangea
LIVE
Homecomings / Yogee New Waves / car10
OPEN18:00 / START18:30
  
前売:2,800円(ドリンク代別途要)
プレイガイド:ぴあ(P249-740)、ローソン(L:54716)、e+
店頭:FLAKE RECORDSJET SET KYOTOSECOND ROYAL SHOP
メール予約:ticket@secondroyal.com まで、公演日/イベント名/お名前/枚数を明記ください。
お問い合せ:SMASH WEST (06-6535-5569) smash-jpn.com smash-mobile.com
企画・制作:Second Royal Records / SMASH WEST 協力:felicity

2015.02.01[日]

HomecomingsGHOST WORLDTOUR

会場:岡山blueblues
LIVE
Homecomings / Yogee New Waves / aaps / ロンリー
DJ
DJ waki
OPEN19:00 / START19:30
前売:3,000円 当日3,500円(ドリンク代別途要)
チケット予約:モスラミュージック mothramusic2013@gmail.com
メール予約:ticket@secondroyal.com まで、公演日/イベント名/お名前/枚数を明記ください。
お問い合せ:blueblues 086-227-5000
http://s.maho.jp/homepage/7f0b38a696306824/
主催:モスラミュージック

2015.02.09[月]

感染ライブ

会場:京都METRO
LIVE
Homecomings / odd eyes / Hi,how are you? / TRIPMEN / SANHOSE / control
spin
:激河大介
FOOD
:喫茶ゆすらご
開場・開演:18:30
前売:980円(ドリンク代はかかりません)
問い合わせ:ザックアップ (075-752-2787)
http://www.metro.ne.jp/schedule/2015/02/09/index.html

2015.02.13[金]

SECOND ROYAL presents "TOPS Japan Tour 2015"

会場:京都METRO
LIVE
Homecomings / TOPS (from CANADA) / ミツメ / juvenile juvenile / agreement the superfree / Seuss
DJ
HALFBY / Handsomeboy Technique / sumire(TWEE GRRRLS CLUB) / zico / kikuchi / TAISHI IWAMI / ONU / 小野真 / 小山内信介
開場:21:00
前売:2,800/ 当日:3,000円(ドリンク代別途要)
ぴあ (0Pコード:254-265) ローソンチケット (Lコード:54455)e+
問い合わせ:ザックアップ (075-752-2787)
http://www.metro.ne.jp/schedule/2015/02/13/index.html

2015.02.15[日]

KiliKiliVilla presents CAR10RUSH TO THE FUNSPOT」発売記念

会場:新代田 FEVER
LIVE
Homecomings / CAR10 / NOT WONK / マヒトゥスリーフォーファイヴ / SUMMERMAN / SUUEAT
開場:16:30 開演:17:00
前売:2,000円 当日:2,500円(ドリンク代別途要)
ローソン(Lコード:78601)e+
前売りメール予約→ ticket@secondroyal.com でも受け付けています。
公演日、お名前と枚数を明記してメールして下さい。
問い合わせ:FEVER (03-6304-7899)
http://kilikilivilla.com/tagged/EVENT

2015.02.22[日]

ゆるめるモ! 2マンシリーズ「バトルニューニュー Vol.3

会場:渋谷TSUTAYA O-nest
LIVE
Homecomings / ゆるめるモ!
料金:前売3500/当日4000円(ともにドリンク代別)
開場:17:30 開演:18:00
※1
20日(火)10時からローソン、16時からnest店頭でチケット発売開始
L
コード【78964
http://ylmlm.net/news/battlenewnew3/

2015.02.27[金]

HomecomingsGHOST WORLDTOUR

会場:福井velvet
LIVE
Homecomings / unknown / ザ・バンジーズ
DJ
MAKOTO / ナカノセバスチャン
開場:19:00 開演:19:30
前売:2,000円 当日:2500
メール予約は notoriousrockmusic@gmail.com まで、公演日/イベント名/お名前/枚数を明記ください。
主催:NOTORIOS ROCK

velvet
くら寿司幾久店前)
住所:福井市大宮1-11-35 近藤ビル1F 京福バス幾久新田塚線幾久バス停すぐ

2015.02.28[土]

HomecomingsGHOST WORLDTOUR

会場:愛媛・松山サロンキティ
LIVE
Homecomings and more
主催:ROCK TRIBE

2015.03.08[日]

HomecomingsGHOST WORLDTOUR

会場:下北沢SHELTER
LIVE
Homecomings / Hi,how are you?
開場:18:30 開演:19:00
前売:2,800円(ドリンク代別途要)
ぴあ(Pコード:252-026)、ローソン(Lコード:75785)、イープラス http://eplus.jp/
GAN-BAN
店頭、下北沢SHELTER店頭
お問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION(03-5720-9999)
http://doobie-web.com/
企画・制作:Second Royal Records / DOOBIE

2015.03.15[日]

HomecomingsGHOST WORLDTOUR

会場:京都MUSE ※360度フロアライブ
LIVE
Homecomings
Opening Act:
土井玄臣
開場:18:00 開演:18:30
前売:2,500円(ドリンク代別途要)
ぴあ(Pコード:252-130)、ローソン(Lコード:51310)、イープラス http://eplus.jp/
FLAKE RECORDS
店頭、JET SET KYOTO店頭、SECOND ROYAL SHOP店頭
問い合わせ:SMASH WEST(06-6535-5569) smash-jpn.com
企画・制作:Second Royal Records / SMASH WEST

2015.03.28[土]

IMAIKE GO NOW

会場:名古屋BOTTOM LINE / TOKUZO 9会場で開催
LIVE
Homecomings and more
開場:12:30 開演:13:00
前売:4,500円(ドリンク代別途要)
問い合わせ:JailHOUSE (052-936-6041)
http://imaikegonow.com/